第37話:オークとポーク
「今日はポークを狩りに行こう!」
「モチさん、ポークじゃなくてオークです」
朝からツッコミ期待してボケるモチと、律儀にツッコミ入れるE原。
ゲームにもモンスターとしてよく出てくるオークは、この世界では大柄な豚の魔物で、お肉は日本の豚肉そっくりの味らしい。
その話を聞いたモチがポークと呼び始めて、現在に至る。
「オーク狩り? 俺も行っていい?」
教室で先生に狩りに行く許可をもらってたら、聞いていた男子生徒が数人、参加希望してきた。
「行きたい奴全員行っていいぞ。全校生徒がトンカツ食えるくらい獲ってこい」
先生は快諾してくれた。
「トンカツ? 俺も行く!」
更に参加希望が増えて、結局クラスの男子25人全員行く事に。
校舎の外へ出ると、不参加の女生徒や他のクラスの生徒まで、窓から顔を出して手を振る。
「みんなぁ! トンカツ食いたいかぁ?!」
ノリノリの大声でモチが呼び掛けた。
「「「お~~~~~っ!!!」」」
大人数のノリノリな反応が返ってきた。
トンカツでこんなに盛り上がる学校、ここぐらいじゃなかろうか?
オークは秋の森のあちこちにいるそうで、5人ずつに分かれて狩る事にした。
5つの班それぞれにオーク狩りの経験者を入れて、案内してもらいつつ森を進む。
秋の森は、赤や黄色に紅葉した木の葉が美しい、華やかな森だった。
食べられる木の実や果実があちこちに実っていて、ついでにそれを採集してゆく。
気温は夏の森よりも低く、経験者は全員薄手の長袖を着ている。
初めて行くメンバーも経験者から聞いていたので、みんな長袖だ。
しばらく行くと、柔らかい土に足跡を見つけた。
2つに割れた、大きな蹄の跡。
踏まれて凹んだ地面の土は、まだ湿ってる。
「これ、オークの足跡?」
「うん。近くにいるね」
同行している経験者の子に確認したら、やはりオークらしい。
近くにいるっぽいので、E原は自己防衛の防壁を張り、攻撃担当の経験者ともう1人は杖を構えた。
ちなみに、モチは杖無しで強力な魔法が使えるので手ぶらだ。
するとガサガサと葉音を立てて、二足歩行のデカイ豚の魔物が現れた。
手には、太い棍棒みたいなのを持ってる。
魔法学部なのに何故か先生に剣を貰った俺は、前衛っぽく皆の前に出て剣を抜く。
その剣を片手にスタスタと歩み寄ってゆくと、オークはニヤアッと悪そうな笑みを浮かべて舌なめずりした。
美味そうな獲物が来たとか思われてる?
わざと相手の攻撃が届く距離まで歩いて行ってやると、予想通りオークは棍棒で殴りかかって…
スカッ
…やっぱり、はずれる。
「ブヒッ?!」
豚系の鳴き声で困惑を表すオーク。
ブンッ、ブンッ、ブンッ!
スカッ、スカッ、スカッ☆
俺に向かって棍棒を振り回すも、全部はずれる。
「ブギィッ!」
あ、キレた。
オーク、棍棒投げ捨てて俺に飛びかかり…
スカッ
…見事にはずれてコケた。
「爆裂魔法!」
「ファイヤボール!」
「アイスニードル!」
3人の魔法が遠慮無く飛び、地面に転がってるオークに揃って直撃!
あれ多分オーバーキルだよね?
オークは完全に沈黙したよ。




