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【完結】アサケ学園物語~猫型獣人の世界へようこそ~  作者: BIRD
第1章

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第24話:ユニークスキルの実験

「あ~イオ、ちょっとそこに立ってろ」


魔法学部の練習場。

M本先生の指示で、俺は広場の中央に立たされる。

その四方、広場の端っこ辺りに1人ずつ、合計4人が杖を構えて待機。


準備(スタンバイ)!」


M本先生の声が広場に響く。


「ファイヤボール、準備(スタンバイ)

「アイスニードル、準備(スタンバイ)

「ストーンブラスト、準備(スタンバイ)

「ストーム、準備(スタンバイ)


4人それぞれ属性の違う攻撃魔法を起動して、杖の先に宿らせる。

杖の先で球状にまとまってる魔法は、攻撃前の「溜め」状態。


「俺も俺も~!」

「お前はやめとけ!」


モチがニコニコしながら上げた片手を、隣にいた生徒がガシッと掴んで止める。


「じゃあ笛が鳴ったら同時に撃てよ」


と言って体育の授業でも使うホイッスルを手にしてるM本先生。

ホイッスルを口元に運び…


ピーッ!


…開始の合図。


4つの属性、攻撃魔法が杖から放たれた。


攻撃目標(ターゲット)にされてるのは、俺。


火球・氷刃・石つぶて・渦巻く風が、同時に飛んでくる。


俺は何もしないで立ってるだけ。


普通なら、全魔法着弾するけど…


「………」


…俺は、無傷でドヤ顔。


「ほ~、複数からの攻撃、複数の属性でもノーダメージか」


ふむふむと興味深そうにしてるM本先生。


「イオには回復魔法も蘇生魔法もいらないね」


その隣で一応待機してたE原が冷静に言った。


「さすがユニークスキル、見事なチートだなぁ」


攻撃に加わっていた生徒の1人が、杖を片付けながら言う。

使わない時の杖は空間魔法で作った異空間に収納する。

ゲームやラノベではお馴染みの異空間倉庫(ストレージ)は、異世界転移した全員が持ってる便利機能だ。


「でもこれ、攻撃を避ける以外に使い道ないよね?」


俺の感想としては、身の安全を守る以外に使えない地味スキルといったところだ。

魔法学部の教科書には「過去に勇者が開発したユニークスキル」って書いてあるけど。


「そうでもないぞ」


って何か思いついたっぽいのはM本先生。


「よーし、今からダンジョン行くぞ!」

「へ?!」


さすが異世界、ダンジョンあるのか。

でも先生、俺に何やらせる気?


そしてM本先生の引率で、クラス全員でダンジョン研修に向かった。


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