第16話:学園内見学その5.芸術学部
「こっちは芸術学部、音楽・美術・文芸とか創作関係の学部だよ」
次に案内してもらったのは芸術学部。
「ここの購買は画材や楽器を売っていて、所属の生徒じゃなくても買えるの」
「異世界の画材、興味深いな」
画材と聞いてモチが食い付いた。
漫画家でもある彼は、元の世界で画材はよく使ってるから、異世界画材に興味津々だ。
芸術学部の購買に並ぶ物はどこかレトロで、フサフサした羽根が付いたペンなど、アンティークショップにあるような品も取り扱われている。
「オススメはこれ。魔導具で、イメージした色を出してくれる色鉛筆だよ」
購買のスタッフが商売熱心なのか、商品の説明をしてくれたり。
「あ~、買いたいけど、この世界のお金持ってないじゃん」
大事な事に気付いて、ガッカリするモチ。
そう、まだ異世界に来たばかりのモチや俺は、所持金ゼロだ。
寮生活で、衣服は部屋のクローゼットに入ってて、食事は学園が提供してくれるので、基本的な生活にはお金かからないけど。
購買利用はお金無いとダメだよね?
「学園でアルバイトすればいいよ」
カジュちゃんが、いい事を教えてくれた。
「「アルバイト?!」」
モチも俺も食い付く。
異世界のアルバイトって何するんだろう?
ラノベとかだと冒険者ギルドに登録して、採集とかからスタートが定番かな。
「仕事は色々あるよ、料理が上手なリユちゃんは料理学部の講師になったし、寮の食堂で調理師もしてるから一番稼いでるかも」
「マジか…」
俺の妹が異世界適応力高い件。
「モチは漫画家なんだから美術の講師やれるんじゃない?」
「え~、でも魔法学部に入りたいし」
「掛け持ちすればいいよ」
「「出来るの?!」」
カジュちゃんの情報に、また食い付くモチと俺。
掛け持ちか、俺は何しよう?




