第9話:転生なのか、転移なのか
「転生にしては、みんな日本人顔なのはなんで?」
「タイムリープみたいに子供の頃に戻ってない?」
俺たちも聞いてみた。
黒髪メンバーの子供の頃の姿は知らないけど。
元の姿と顔立ちが似てるから若返りじゃないか?と思ったりする。
「若返りかと思ったんだけど、ホクロとか、子供の頃にもある筈のものが無いんだよ」
「俺はもっと小さい頃に怪我をして傷痕になってたのに、それが無い」
男子寮エリアの談話室に集合して、互いに情報収集タイム。
我が社の男性陣だった筈の人々から話を聞いてみると、元の姿に似せつつも、若返りではないらしい事が分かった。
そもそも、俺たちを異世界転生?させたのは誰なんだろう?
何の目的で?
異世界転生でも転移でも、神様とか王様とかが関わる事が多いけど。
今のところ、それっぽい者が現れてない。
今いる場所は全寮制の学園らしいので、もしかしたら学園長あたりが関わってるのかもしれない。
「あれ? そういや社員さんたちは?」
モチが気付いて聞いた。
ここにいるのはモチや俺みたいな契約社員と、アルバイトばかりだ。
正社員がいない。
「それがさ、M本係長とかF島主任とか、社員さんたちは元の姿のままなんだ」
「えっ? 社員さんたちは転生じゃなく転移?」
「どうだろ? 起きた翌日は学園見学があるから、教師になってる社員さんたちを見れるよ」
「「社員さんが教師?!」」
モチと俺、もう何度目か忘れたハモり。
あの個性的な社員さんたちが教師とか。
この学園はどういうところなんだろう?