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 そして準備で月日は流れ、模擬戦争当日。対戦相手の代表と話をする事にする。


「オクタゴンさん。……今回は何を仕掛けて来る気ですか?」

「水霧、前回は事前開示したら対策されたのでな。戦ってからのお楽しみだ。只、ナノマシンを使っての只の乱戦とは思わない事だな」

「……ははは、まあ、そりゃなんか準備していますよね。負けないですから」

「はは、まあ、トンチキな物では有るのだが、禁止カード扱いの奴には抵触しないからな。……グランテの方はどうだ?」

「一応準備はしてあるが、シミュレーター内部ならではの物に成ると思う」

「お?まさかシステムクラックじゃないだろうな?」

「シミュレーター内部だと説明がし易いと言うだけだから、そう言う物じゃ無い」

「そうかい。じゃあ始めるか」


 そしてシミュレーター内部へと全員が移動し、辺りを見回す。……今回は……特に何も無い草原? なんかギミック有ったら活かせるのだが……いや、初回時に悪用し過ぎたからこう言う形に成っているだけか。

ある程度離れた場所に他の二勢力も見える。少しの間事前に話し合い、開始のブザー音が鳴ると同時に俺達はナノマシンで虚像を大量に展開した、ら……何処かのアニメの美女の巨人を出すのと、空間が歪みを起こしていた。


「……禁止カード扱いの奴は本当に使って無いのか? これは……」


 とりあえず虚像を散けさせて様子を見る事にすると、その巨人は炎を噴出し、操りだし、空間を歪ませている奴等の方にぶつけたら、此方に方向を逸らされたので慌てて避ける。


「……炎の巨人召喚なんて馬鹿げた事が有り得るのか?」


 其処でケールハイトが言う。


「アレが能力に依る物なら、アレを出している誰かが居るはず。そいつさえ倒せば巨人は無視で良いはずです」

「……そうは言うがね……まあ良い。巨人は無視でアレを出している奴を探せ」


 其処で空間歪曲が行われて重力が襲い掛かって来たが、範囲外に展開していたデコイを動かすナノマシンにワイヤーを出して貰い、引っ張られて脱出した所で、巨人が宙に浮かんだ。……いや、重力制御の奴が居るのだし、浮かされたのか? と思えばその巨人は見えない何かにプレスされ消えた。そうかと思えばまた出て来た。……蚊帳の外状態だが、まあ、現状はその方が有り難い。


「……争って居る内にアレをやって居る奴を割り出さないと……」


 そして他の二勢力が争って居る間にやって居る奴を見付け、巨人が重力制御の奴を殲滅した所でデコイに積ませた小型爆弾をお見舞いし、巨人が消え、漁夫の利で勝利した。そしてシミュレーター終了後、オクタゴンさんは言う。


「決着は漁夫かよ」

「……ま、まあ、まともにやったら勝てないし」

「ってか、グランテの処は重力制御とかヤベーのも出て来るしさぁ」

「一言で言えば空間その物を引っ張る技術だ。重力とは空間の歪みだから、空間歪曲が増す様に引っ張ると重力加算。空間歪曲が治る様に引っ張ると無重力化、と言う感じ 」

「……水霧、再戦要求していい? 次は絶対勝てるし」

「……オクタゴンさん、前回同様それが正しいが故に嫌だ」

「ちぇ……」

「それはともかく、なんだ? あの巨人は」

「グランテ、ああ、アレ? 因子能力らしい。アニメキャラへの信仰がなんたらかんたら、らしいな」

「……つまり、アニメキャラを信仰レベルで考えていたら幻視的に物理化したって事か?そんな訳有るかよ……」

「……言うとしても幻視した物をベースに因子能力のエネルギーで肉付けするだけだぞ」

「うっわ、シンプル過ぎる……けど、イメージした物にエネルギーを肉付けする能力じゃ駄目だったのか?」

「……容器にケチを付けるのか……まあ、肉付け時に明確に詳細にイメージ出来ていれば行けるとは思う。容器の強度が弱めだと思うがね」

「……あー、容器の強度保持の都合上の制限、か……」

「それはともかく、水霧の出していたアレは最近ニュースに成って居た奴じゃないのか、大丈夫か? あんなの使ってさ」

「グランテさん。一応それは此方も裏で話を進めている。生産元と提携出来ているからね」

「羨ましいけど、ぶっちゃければぼったくりだよな、アレ」

「ま、まあな。そうだとは思う。……だがもし安価でばら撒いていたら件のニュースがもっと酷い形に成って居たのは想像に難くないから、批判しようが無いが」

「……あー、IVやAV化されないだけでそう言う使い方はされるよな」

「オーダーメイドの見た目の奴はそう言う使い道も含めて好きにしろと言う意味も含めて値が張るのじゃ無いのかね。他人の見た目に寄せるから問題に成るだけなのだし」

「ああ、そう言う。まあ、独自の見た目のそれなら、一見するだけだと、そう言う撮影に使っても特殊な機材を使って居るだけのIVやAVだしな……」

「オクタゴンさん、因子能力ってそんなに色々とやれるのですか?」

「……グランテ……そうだな、例えば未来予知と言う名の予測なら、運動準備電位を観測し利用出来れば高い精度で行けるらしいな」

「運動準備電位?」

「グランテ、厳密には違うから違うと突っ込まれたらそうだなとしか言えないが、脳が考え始める直前に起きる脳波」

「……?」

「……あー、正直俺もよくわからんが、一、Aの事を考え様とする→二、Aの事を考える→三、Aの事を実行する……、の、一の段階で二と三を粗方把握する能力、らしい。だから、完璧ではない様だ」

「未来予知って言うからアレなだけで相手の思考をする際に起きる脳波を見る事で、相手の思考と行動を先読みする能力、ってだけで、良くないですか? と言うか、先読み出来る時間一秒にも満たないですよね、それ……」

「確かに使い手が超高速戦闘をやれるのでも無ければ技術でどうとでも成るレベルの未来予知、だな。……超高速戦闘をやる奴には欲しい物だが」

「それ脳波を見る能力なら脊髄反射行動には通用し無くないですか?」

「……あー、予測が完璧じゃ無い理由はそれかも。研究した訳じゃないからテキトーな話では有るが」

「予測時間を延ばしたい所ですが、原理的に予測時間延ばす事は無理じゃ無いですか……」

「だな。……コマンド入力バトルのゲーム世界……例えばボールにモンスターを入れてコンプリートする奴、なら、次のターンの為の相手のコマンド入力内容を事前に知った上でコマンド入力する能力、とかはやれるだろうけど、自由意志が絡みすぎて居てね……」

「……強い奴が使えば強い。弱い奴が使うとゴミ、ですか」

「因子能力とは言うが、理論上科学でやろうとすれば不可能ではないレベルの内容と言う意味では空想に依らない只の現実。 まあ、因子能力がどうとか関係無しに、先出しジャンケンで必ず勝つくらいは既存技術で既に出来るそうだが」

「……えぇ……」

「この話は此処までにしよう。それはそうと、水霧、グラフィックの件を俺らにも関わらせろ」

「何をする気だ?」

「……利権たんまり持っているだろ?少しくらい手伝える事は有ると思うし」

「今俺が関わる範囲で進行しているのは規制法の調整、調整の結果に依るグラフィックの再調整、犯罪やった奴への訴訟、規制理由を排除したエリアとしてのコロニー建造の四つだが」

「面白そうな事をやっているな。門外漢だから前二つは無理だが、訴訟の根回しと、建造資材調達くらいならやれると思うぞ」

「……なら根回しを頼む。コロニー建造は訴訟で金をぶんどらないと提携先の予算が足りないそうだからな」

「訴訟で得た賠償金でコロニー建造とかどれだけぶんどるつもりだよ」

「最低でも数十億円は行くと思うよ。今までの売り上げた物の大部分に調整を入れる必要が有るし」

「……多分だが、それは訴訟で勝てた所で相手に支払い能力は無くね? 有るならそもそも自社でやれる資金が有るはずだし、訴訟されないで上手くやれるはずだ」

「それなんだよなぁ……」

「ま、それはともかく、生産元と顔繋いでくれるか?」

「解った。じゃあ、行くとしようか」


 そしてペンタクルさんに連絡を取り、会う事にして現地に移動した。まあ、元々結果を連絡する事は事前に決めていたのだが。するとペンタクルさんは軽く呆れていた。


「それでお二方まで来たのですか」

「いや、ぶっちゃければ利権の臭いがしてね」

「お二方、まあ、大金ぶんどれる為の協力は有り難いのですが、多分分け前はそんなに渡せないですよ?」

「ペンタクルさん俺達としては造る予定のコロニーとやらに自由に出入り出来ればそれで良い」

「その程度の物で良いのですか?もっとヤバイ物を要求されるかと思いましたが……」

「いや、ペンタクルさん、コロニーを作ったら人とか物の出入りは制限当然するのだろう?そうじゃないと管理出来ないだろうから」

「まあ、そうですね。管理上仕方ないですが……自由に出入りするにしても毎回身体検査受けるのはして貰いますよ?」

「まあ、そうだな。それはしょうが無い。スタッフ枠で入れりゃ良いみたいな物だし」

「……具体的な取り決め内容は後で詰めるとして、それくらいで良いのならそう言う方向で行きましょう」

「ペンタクルさん。それで何をやれば良い?」

「……ぶっちゃければお二方も協力してくれるなら訴訟無しでの資金調達も行ける気がするのですが……まあ、訴訟しているので其方が先ですね」

「要するに自社製品を悪用された為、それに依る損害が出たので訴えます、だよな……やられた内容は規約で事前に縛っていたか?」

「……ゲームで例えるなら意図的に未実装の部分をMODで造り、それを元に二次的な商売をしました、ですね。なので、商標周りで追求出来るはずです」

「……実際MODって完膚無きレベルに規制とかされているか?」

「……モデルが居る物に関しては、肖像権とか有るので、そう言う物に関してはやれるはずです」

「……大義名分がそれなら、損害額を全額相手からぶんどる事は無理じゃ?」

「……少し話し合い、しましょうか」

「……だな」


 軽くMODに付いて調べながら話し合いをして、その結果。


「結局は規約として非営利目的且つ個人の範疇でやるなら好きにしろ。しかし、それを他に喧伝したり、販売したりするなら、著作権侵害なり何なりとで訴えるぞって所か?」

「まあ、そうなりますかね……極論此方の提供する物に実物の首輪とかの装備品を付けてエロ的な物に見せる、とかはグラフィックの関連の規制だけではどうしようも無いので……」

「……まあ、そう言う物は別にグラフィックを不正に弄った訳でも無いしなぁ……」

「ま、更に煮詰めて行きましょうか」

「だな」


 そして話し合いを暫くの間したのだった。

ちなみに重力を空間歪曲で起こす事や空間を調整する事は時系列1巻で行って居るため、それを発展させた理論と考えると今回からのポッと出理論じゃ無いですよと。


この理屈で重力場を造ってどうこうするのだと、程度や威力にも依りますがⅡ型超新星の爆発は普通に通ります。


そもそもⅡ型超新星はレベルが低いブラックホールをぶち抜いて起きる現象だし、多少重力をどうこうした所で、ね?


後、起きた後のⅡ型超新星相手に重力中和して消しても意味ないし。


まあ、もう、これでやる事は解りますよね?十二話の勝負でブラックホールがまた出ます。(予告)

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