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翌日、ペンタクルさんから連絡を受け再び、ペンタクルさんの事務所に移動すると。


「水霧様、昨日アレからある程度此方の話が進みましてね。規制周りの調整の話がしたいのです」

「解った。続けて」

「では、そうですね。まず特定モーション時に投影映像破綻と投影映像の差し替え、ですが、一般的な録画機器に頼らない録画方法や、映像を投影している機器に関知不可能なレベルの超遠隔撮影はどうするか。それと、監視カメラが有る場所で使えない制限とか、公共の場で使える場所少ないのでは? とか、色々と指摘されましたね」

「……ごもっとも過ぎていちゃもんと切り捨てられんな。……そう言う物をメタで出すなら、そもそもそう言う見た目に成れる条件を厳しくするしか無くなるのだが」

「……ええ、此方が指定する条件でだけ解放なら、意味的には特定の場所で着ぐるみを特定の範囲の場所で借りて着るだけなのと変わりません」

「……それは、どうなの?」

「解決策なら有っても、それをするとこの技術で最初にやりたかった事が出来なくなるのですよね」

「身も蓋もないが、悪用への返答としては、そうするしか、無い、か……既存客に売った分はどうする? 取り上げる形に成るだろ?」

「常使い出来る代わりの見た目を対象者、三百人程に造ります。協力して、貰いますよ?」

「さ、三億円俺に払うって事か?」

「ええ、不満ですか?」

「いや、悪くないけどさ、そんな金を何処から捻出するのか……」

「最悪手間賃や技術料で上乗せして貰って居た部分から捻出します。後、訴訟で金を回収出来ればそれから。忙しくなりますよ?」

「いや、話自体は美味しいが、流石に俺にも他にやる事が、だな」

「では他の用事とは何時終わりますか?」

「……大体後一ヶ月半後に模擬戦争が有る。流石にそれの準備がしたい」

「では二ヶ月以内には此方に取り掛かれますね?」

「……解った。だが、そうだな、その模擬戦争に汎用の見た目の奴を大量に持ち込みたいのだが、良いだろうか」

「数の詐欺をするのですか?確か、人数は事前指定が有ったはずなので、クオリティ高くした所で即バレしますよ?」

「それでもデコイには成るから」

「まあ、良いでしょう。ギーテルさんと話が付き次第、少しその準備に私も関わらせて貰う事にします」

「助かる」


よしよし。今回は前回と違って相手側も俺側もやべー奴は色々と無しなんだ。これはそれとは別判定が行けるだろうし、良い物が調達出来たぞ、これは。と、其処でアイディアを思い付く。


「ネット環境を完全に遮断した小型のコロニーを作って、持ち物検査しないと入れない様にして、その中ではどんな見た目も自由に使える様にする、とか?」

「良いですね。映像持ち出し手段を根絶する前提でならですが。……高層ビルを一棟建てられるくらいなら出せるので、手配してくれたりします?一応水霧様は権力者、ですよね?」

「それをやるとしても、それの環境内である程度以上不自由なく生活出来なきゃそれをわざわざやる意味はねーから、やるなら予算はケチっちゃ駄目な奴だからな」

「……訴訟で金をぶんどれたら考えますね……」

「まあ、そうなるな。まあ良い。……そろそろギーテルさんも来るかな?」

「ああ、そうですね、少し更に待ちますか……」


そして更に軽く雑談してギーテルさんが来た。


「お待たせしました。それでですね、一通り勧告はして置いたので、近々全員が此処に個別に来ると思います。機器は外のトラックに積んで有りますので、改修お願いします」

「解りました。作り替える前に作り替えた後の状態を先に擦り合わせたいのですが、宜しいでしょうか」

「良いですよ。アウトな物を造ると二度手間に成りますからね。では、確認と行きましょうか」


そしてペンタクルさんとギーテルさんは改修後の物に付いて話を始めたのを俺は横から見る。……こう言う物ってもっと大人数で話し合う様な物な気がするが、……裏で話は進んで居たようだし、最終確認がメインだと思われる。そしてコロニー建造の話に成り、ギーテルさんは少し難しい顔をして、こう言い始めた。


「記録媒体の一切の持ち込み禁止のエリアで自由に使おう、ですか。……参加者全員に必要な契約書を何枚も書かせるくらいはし無いと後出しジャンケンでどうにかして映像を持ち出しをされそうですが」

「……まあ、そうなりますね。ですが、技術を造った意図的にそれぐらいはさせて貰えないと、でしてね」

「……ふむ、ではスタッフ側も契約書へサインすべきですね」

「……広報に使いたいのですが……」

「それは今までと同様に、イベント用にモデルを企業に貸すだけでも企業側が勝手にしてくれると思います」

「……解りました。ではそう言う事で」


お? 話は終わったかな?


「話は終わったって事で良いか? 少し聞きたい事が有ってだな。因子に付いてなのだが」

「……水霧様には必要無いと思いますよ?」

「新規の力くらい欲しくてね」

「ですが、因子は能力規格としては旧式です。それこそルド様が世界に大掛かりに干渉を始める前に既に存在する物ですから」

「因子とはルド様が造った奴じゃ無いのか?」

「どうなのですかね? 造れない訳では無いようですが、ルド様が本格的な活動を始める前から存在していた物も有ったのは確かです」

「……それ、ルド様が試作を流していただけかもしれんが、創作だとまだなんか裏に居るパターンも有り得る奴」

「ははは、だとしたら今更直接どうこうしてくる可能性は低い方ですよ」

「……能力として旧式でも別に使えない訳じゃ無いのだろう?」

「害意は無いですから、少し見て居て下さいね」


そう言うとギーテルさんは床に手を当てるとエネルギーを流した。すると床が蠢きバレリーナ人形が形成され、何回転かすると床が元通りに成るように戻って行った。……床の損傷は……無い。完全に元通りだ。


「地面の粘土? 化と人形の形成と制御? と、綺麗に元に戻す、か。一つ一つは他にもやれる奴は居るだろうが、なんかやばいな」

「一応言って置きますが、ゴーレムクリエイトの類いの能力では有りませんので」

「は? いや、思いっ切りそれでは?」

「説明はしませんよ。一つ一つの内容は類似の物を知っている様ですし」

「……創造の因子って造る上で物を調整や制御を出来るのですか?」


それが出来るなら、特定の動きをする様に造る上で調整の範疇で動かし、調整し終えたら人形を材料に床を創造し、床を元通りにする、って感じか?


「……説明はしないと言いました」

「……そうですか。では、創造の因子とかは精神汚染が有ると聞きますが、大体どれくらいなのですか?」

「……具体的に言うと薮蛇に成る気がするので、こう言いますが、対策に成る物をキチンと合わせて習得すれば、何とか成る程度です」

「……そりゃ実際に何とかしている人からすればそうでしょうがね。言うほど簡単ならそもそもそれを持つ事が売りには成らないですよね?」

「強い能力は割と重度な精神汚染がデメリットの物が多いです。……恐らく、設計上の悪用封じ、ですね」

「対策も一応出来るのに? と言うか精神汚染を潰す能力が有ればそう言う能力が簡単に手に入るのか?」

「……私がどうしているかはお答え出来ませんが、そんなに都合は良くないですよ。使用条件が精神に依存する能力とかは精神汚染を受け入れないとそもそも使用条件を満たせない物とかも有るので」

「……ああ、精神汚染と言うか、能力を使う為の能力による使い手の調整って事ね。防いだら駄目だな、それは……」

「使い手に何らかの衝動を付与するタイプのも有るのですがね……」

「……衝動付与、か、やばそうな感じがするな……」

「これ以上詳しい事はルド様の方が詳しく知っているかと思うので、私はこれぐらいで」

「……解った。もしかしたら能力の取得に協力して貰うかも知れないから、その時は頼む」

「じゃあ今はこれでお二方とも話は終わりで良いですね?最後にですが、機器の引き渡しをしますので、確認をお願いします」

「解りました。駐車場に有ると言う事で良いのですよね?行きましょうか」


そして機器の引き渡しが終わりギーテルさんは帰ったが、ペンタクルさんに此方の目的に付き合って貰う事にした。



そしてルド様の所にペンタクルさんと一緒に移動すると、


「水霧、浮気か?」

「違いますよ、次の模擬戦争に協力して貰う為です」

「ああ、そう言う、解った、何を導入する気だ?」

「映像投影で分身を大量に出そうかと。その器具類の持ち込みを許可して頂きたく」

「良いぞ。それよりペンタクルは色々と問題が有るのだろう?其方は良いのか?」

「ワンオペでやって居る訳でも無いので、其方は問題無いです。ギーテルさんも良くしてくれますし」

「ギーテルと言うと……ああ、エコノミカ=ギーテル、か。彼女は割と強いな」

「ギーテルさんと言えば、因子能力に付いて聞きたい事が有るのですが……」

「何が聞きたい?」

「因子能力規格とは何なのですか?」

「根本的な事を聞くね、ええと、過ぎた感情は身体を変質させる」

「と、言われましても……」

「昔から有る物を元に言えば、生成りと言う人間の鬼化が因子能力の設計思想の根幹に成る。精神汚染がデメリットに多く有るのは、生成り的な身体の変質を能力を得る時に起こすからだ」

「……精神汚染を拒絶したら基本的に能力習得は不可能って訳ですか……」

「もっとも、能力規格としては旧式。現在でも通用する強い能力も有るには有るが、純粋に設計思想が一昔前な物も多い」

「旧式って大体どれくらい前なのですか?」

「この世界的には子供が産まれてから成人するくらい以上前には」

「……なにか言い方が引っ掛かりますが、二十年以上前、と言う事だと解釈しますね…………ん?なら、それ以前を知るギーテルさんは、三、四十歳越えって事に成る気が……」


別におばさんには見えなかったのだけどな?


「他人の年齢を決め付けるのはアレだが、それはともかくとして、エコノミカは能力で見た目を弄れる勢だから、見た目で年齢が解るタイプの人じゃ無いぞ」

「創造因子って見た目も変えられるのですか?」

「……ネタバレはしないで置こう。……只、ぶっちゃければエコノミカは俺のお気に入り枠の一人だ」

「マジか……それはどういう意味で、ですか?」

「ああ、語弊が有ったかな?割と創作だと主人公枠に宛がっても問題は無い類いの人の内の一人では有るよ」

「それは随分高評価ですね……」

「主神が持つ様な能力のデメリットを織り込み済みで運用出来る奴が有象無象評価な世界観の世界じゃ無いし」

「はは、まあ、それはそうですね」

「まあ、それはともかく、因子能力は習得のお勧めはしない。他所に奪われる前提で運用するならともかくとして、だが」

「……そうですか。じゃあ今の内にシミュレーター内部に機器のデータを読み込ませたいのですが、宜しいでしょうか?」

「良いぞ。他の奴もやって居るし。ネタバレはしないけど」

「……またなんか技術売ったのですか?」

「いや、それはしていない。只、現実でやれるかは厳しい物では有るな」

「……シミュレーター内部ならではの内容と言う事、ですか」

「卑怯とは言うまい?例の重力場だってコストの観点から現実では乱発出来ないのだし」

「……まあ、良いです準備に入らせて貰いますね」

「当日を楽しみにしているよ」

「……嫌な予感がしますので聞きますが、彼方側の禁止札も禁止のままですよね?」

「そう言う面で心配する必要は無いぞ」

「……解りました。じゃあデータ入力に入ります」


そしてシミュレーター内部にデータ入力を行い、試運転を行う事で具合を確かめた。


「よし、こんな物、かな」

「大分滅茶苦茶やりますね」

「色々と禁止カード扱いの奴が多いから万全でも無いけどね。……他の協力者とかにも使用させて慣れさせないと……通話アプリで一通り通達して置くか」

「用事はこれで終了ですか?」

「今の所なら一応は、ね。後は此方で練習を熟すだけだからさ」

「解りました。それでは今日の所は帰らせて貰いますね」

「わざわざありがとうな」

「いえいえ、水霧には儲けさせて貰って居るので、これぐらいは良いですよ。それではお疲れ様でした」


そしてペンタクルさんは帰宅して行った。ルド様はそれを見送った後に俺を呼び止めると、言う。


「ぶっちゃけると、今回の相手が持ち込んで来る物は、デコイでどれだけ騙せるか次第で勝負が決まると思うから頑張りなよ」

「……なら今から暫く練習しますのでシミュレーターを使わせて下さい」

「解った。使って良いぞ」

「ありがとうございます」


そして練習を一通り行い帰り、ケールハイトと話す。


「一応約一ヶ月半の準備は大体進んで居るけど、ルド様に不吉な事を言われたから練習頑張ろう」

「……良いですが、何をやるのですか?」

「デコイを入り混じらせた乱戦かな」

「創作で言う幻術的な虚実を入り混ぜた戦闘をやりたい、と言う事、ですね。じゃあ頑張りましょうか」


そしてシミュレーター内部で一通りの鍛錬を熟し、ついでに思い付きをやる事にする。


「遊びとは言え、シミュレーター内部で性行為、ですか。やって居る時のデータが他所に取られたらアレだと思うのですがね」

「その代わり、現実じゃ無理なシチュエーションの物も出来るけどね」

「……触手でやるとか人外化してやるとかやりたいのですか?」

「いつもはやらない事をやりたいだけだしね」

「では疑似記憶喪失状態でやるとか」

「危険じゃないか?」

「記憶喪失時の行動参考データが欲しいだけです」

「……今回だけだぞ」

「はいそれで良いですよ。コピー人格にやらせるだけですし」

「……実際に記憶喪失に成る訳じゃないのか、解った。試してみよう」


そしてシミュレーター内部で実験を行い、一通りの事をやった。


「……記憶喪失+意図的な誤情報の学習、か。ケールハイトはその状態だとああ言う動きをするのか……」

「判断基準が記憶に依らない元々の人格と、誤情報、ですからね。色々と試した結果、それでも無茶な事はやらなさそうなので良かったです」

「……まあ、そうだな」


色々と試すのはガチな話で、流石に各種奴隷系の啓発学習には記憶の無いケールイトも反発して、殴り殺され掛けたわ。……記憶喪失させた上で性奴隷系の学習をさせれば性奴隷化……とかは無い様なので良かった。


「さてさて、実際色々と試した訳だけど、なんか今回の話は見落とし有るかな?」

「……はぁ、既にSFネタで使われているネタを一つ言えば、記憶の映像化技術や、それに関連する能力とか有ったらアレですよね」

「……うわぁ……そんな事出来るのか?」

「……映像と体内の記憶に纏わる電子信号の関係性が解れば、その電子信号をベースに記憶を映像化が可能です」

「……簡単に言うがね」

「特定の記憶がどう言う電子信号として脳内に記録されるかの関係性の完全把握がやる為の前提なので、科学だけでやれるとしても、相当後の話です。理屈をぶん投げた魔法や異能所持者は普通にやって来ると思いますけどね」

「……それが出来る奴が表に出ているなら、そもそも科学でもそいつが協力していたら出来るから。表には出て来て居ないはずだよ。やれる奴が居ても大々的に活動するとは思えないね。……だが、監視カメラは設置した方が良いのかね。映像化先の元データを持って居れば、誰の記憶かぐらいは割れるだろうし」

「ですね。……只、次回の模擬戦争だと因子能力を相手側が使って来る予感がするのは考え過ぎなら、良いのですが」

「……方式が何であれ、ヤバイ奴を使って来るとは言われているから有り得るかも。デコイで何とか出来れば良いのだが」

「色々と模索していきましょうか」


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