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 そして金を銀行に預けて帰宅し、スタンドアロンのシミュレーター内部でペンタクルさんに提供したモデルの見た目の奴の一部を生成してみる事にしたらケールハイトがシミュレーター内部に入って来た。


「ああ、そのエルフは今回納品した奴の見た目の奴ですか? 最早異常なレベルで美人ですね」

「取り敢えず今回の奴はリアル路線のそれだが、クオリティは高く出来たと思う。……汎用品予定の奴じゃ無いと、これを他所で勝手に使うとオーダーメイドの契約に差し障るがね」

「使うと契約に差し障るなら残念ですが仕方無いですね。……様々な美男美女を大量に造る事に成ると思いますが、自制心をちゃんと働かせてくださいね」

「……自分の見た目をそう言う物に変えたいかどうかはともかくとして、更に何個か納品した後にケールハイト用にデザインを組んで貰うからそれで我慢する」

「ありがとうございます。それを楽しみにしていますね」

「ああ、そうしてくれ。……まあしかし、今日のこの件だけで儲けが一千万、か……するつもりは無いが、簡単に数億円は稼げるだろうし、この仕事だけやって居れば楽に隠居出来そうでは有る」

「まあ、他の人に色々な役目を押し付けた後はそれも有りだとは思いますが、現状それで隠居するのは、只の問題の放り投げですからアレですよ」

「そうなのだよな……ま、不定期の臨時収入なあぶく銭だし、使い切るのも悪くないけど、隠居後用に九割方貯金しておくか。それでも百万円は使える訳だが」

「ならその百万円はサプリメントの開発の所に投資してはどうでしょうか?」

「いいね、そうしよう。なら薬剤会社の株でも買うか……取り敢えず九十万円程つぎ込もう」

「残りの十万は何に使いますか」

「なんか美味しい物でも食うのに使おうか……まあ、高級店の予約制の所に行くと成ると直ぐにとは行かないが」

「直ぐにじゃ無くても良いので、それは気長に待ちますよ」

「解った。じゃあなんか適当な所を予約しておく」


 そして株の購入をして、高級店の予約をし、軽く飯を済ますと今日の所は寝たのだった。



 翌日、ナノマシンを受け取りに行った所で、オーダーメイドの注文が入ったので注文書を見てくれと急かされた為、注文書に目を通すと……。


「ペンタクルさん、直接的な言い回しを避けて遠回しに書いては居ますが、これは流石に版権的に不味いですよ。他所の既存作品のキャラの見た目の類似品の見た目の奴を創ってくれと言う奴じゃ無いですか」

「あくまでも別人と成る様にトレードマークとか直接的に=に成る物はことごとく変えて有るけど、やはりそうよね……まあ、変えるべき所はちゃんと変えて有るから創って頂戴」

「……まあ、同じ物だと言えない様にデザインを綺麗に避けては有るのですが、元ネタは見る人が見れば解る奴だと思いますよ、これをそのまま造ると……」

「変えるべき所はちゃんと変えているのに文句を言うなら、この件より先にまず量産顔の主人公のデザイン全般に文句を言うべきだと思うけどね」

「……赤信号皆で渡れば怖くない精神ですか?」

「正確にはそれを赤信号にしたら多くの奴が赤信号に成る奴故に、セーフ理論ね」

「いや、アウトな物はアウトでしょう」

「……それで訴えるとか成るなら訴えられるべき人は沢山居ると言うのも確かで、ポイントは変えるべきポイントはちゃんと変えて居る事です。それを無視してキャラの雰囲気が似ているからアウトとか言うならかなりの人がアウトかと」

「そりゃそうですがね、コスプレした上でロールプレイしている元ネタの人に見えるのはどうかと」

「それは流石に通りません。身長とかは通常の人間サイズですし、パクリ認定基準がガバガバ過ぎますよ……」

「なんかな……」

「船とかの擬人化系ゲームはキャラデザをパクって無ければ、同じ元ネタのキャラは普通に居ますね」

「元ネタが同じだけで、キャラデザは完全に違えばそりゃそうでしょう。元ネタ云々で言うなら昔の偉人なんて散々使われて居ますし。問題なのはキャラデザです」


 女性に言うのはアレだから具体的には言わないが、ゲームの女体化した英雄キャラ、とかな。


「キャラデザはちゃんとずらしているのですから、独自でも何でも無い種族だからパクリ……と言う話、ですか?」

「そう言う話ではなく、キャラデザがマイナーチェンジ版に見えるからアレだ、と言う話です」

「客が欲しがって居るのは元ネタのキャラの見た目の奴で、それだと版権的に不味いから色々と変更を加えて居る……その変更がマイナーチェンジ、ですか。身長低いキャラだからロリキャラだな。レベルの言い分でアウトに成ったら何造ってもパクリ判定されそうで何も造れないのですがね」

「ははは……」


 元ネタ側が被るのは問題無い。完成品が似るのは不味い。けど今回の場合、元ネタの見た目から外れ過ぎたら顧客の注文から外れる、か。


「それでやってくれます?」

「元ネタに似過ぎるのは不味いですから、いわゆる可愛い系とか格好いい系とかのジャンルさえ一緒ならなんとか」

「何とか成らない?」

「大本の所に許可を取ったら良いのじゃ無いですか?それともコスプレしただけの別人みたいな感じにします?」

「二パターンとも造って。顧客に見せた上で顧客に聞くわ」

「ふむ。では仮組みしますので、それを写真に撮ってください。仮組みした奴は渡しませんがね」

「解りました。では仮組みします」


 そして小型の人形を二つ造り、写真に撮って貰い、顧客へと連絡をして貰う事にして、連絡が取れた結果。


「コスプレ側の奴で良いそうよ」

「何で折れたのですかね」

「話を聞くと著作権とか版権とかの許可を私達側に取らせて造って貰うつもりだったみたいだから、断ろうとした結果ね」

「……うわぁ、許可撮って無かったのか。解りました。じゃあ造ります」


 そして受注した見た目の物を造る事にする。……クオリティの高いコスプレしているだけの別人……と言うと薄い本とかで使われる言い訳のネタでグレーゾーンのそれだから避けたい為、明確に元ネタとは違う要素を足す事にする。それは具体的に言えば沢山のハートマークの刺青で有る。どうせ風呂に入る際には使わないし、文句は言わせない。……刺青が好きに付けれて消せるのも利点って訳。……ってこれだと淫の奴に成っちゃうか。……とは言え今回の対象は刺青入れているキャラじゃ無いから格好いい物でも可愛い物でも有りだし、なんか良いデザイン無いか見てみるか……。

 戦闘が有る作品の奴だと古傷系は止めるべきとして……。……元ネタ側が絶対やらない様なネタを……って今回の対象キャラは刺青自体やらないキャラだろうからアレだけどさ。

 そして幾つか候補を造って貰い顧客に聞く事にすると、魔法陣を背中に刻んでくれと言われた、が、……魔法陣の刻印とかは割とやって居るキャラが多いので何がアウトに成るか解らん為却下と成った。そしたら魔法陣ではなく、その人が入信している宗教的なモチーフの刻印を両手の甲等にしろと言われたので、本人側が許可を取る前提でそちらは許可した。


 さて、そして本格的にデザインを詰める事に成り、思う。デザインを元ネタから粗方ずらした上で、元ネタの奴が絶対やらないであろう物を追加する。……元ネタの存在を知って居るからこそ、いわゆる認識バイアスが起きてしまう訳だが、事前情報無しに単体でポンと出されたらもう元ネタの面影って殆ど無いな、これ。キャラデザの画風の系統的な意味での被りは有るけど、逆に言えばそれだけだった。これがアウトなら独自の画風を持たないデザイナーは死刑宣告をくらうだろう。と、そう言いたい位のレベルで最早原型は残って居なかった。まあ、それで注文から外れすぎでは無いか? と言う懸念点が有ったが、元ネタに存在しないオリキャラとしての元ネタのキャラの姉妹キャラを創って貰いました。と言う事で妥協したようだ。……その理屈が有りならこんなにごねなくても最初からそれで良かっただろと想いはするが、まあ妥協案だからそれを指摘するのは野暮だろう。創作で全然似てない姉妹キャラとか普通に居るし、そう言う物として妥協したようだ。……野暮な事は分かるがそれでも言わせてくれ。最初からそれで注文を持ち込んでくれれば話はかなり早かったよ……。


 そして、ナノマシンを受け取り、帰宅しようとした所で、追加の提案を受ける事と成った。


「俺が出すモデルをベースとした、等身大フィギュアの金型を造らないか? ……ですか?」

「やる事を増やすのは悪い話でも無いと思うけど」

「俺はフィギュアの製作方法は詳しくは知らないのですが、……特殊仕様とか入れるのですか?」

「時と場合で考えるけど、やりたいの?」

「どうせやるならクオリティが高い物でしょう」

「ここで言うクオリティってどう言う方向性で、でしょうか?」

「原作有る物なら原作のキャラの体形を完全再現、とか?」

「表面の素材を柔らかくして、肌触りを良くするとか、乳房の素材を比較的柔らかい素材で造るとか、と言うのもやれる様ですが」

「……後者のそれは用途としては意味が有る状態に成ったら構図がアレなのでは?」

「ラブドールとか有るのだから今更ですね」

「……」

「……そう言うのは、ちょっと……別に間接的にアレされまくる事が好きな訳じゃ無いので」

「どうせ貴方基準の体その物ではない物を元にした物ですよ?」

「……一応形は別人と呼べる物ですが、……その、自慰道具の元ネタ的な意味でのモデルに成ってくれ、と言うのは流石にご遠慮願いたいですね」

「そう、なら、そうね、VRゲームや、ARゲームのキャラモデル提供は如何かしら?」

「……18禁扱いの物に関わるのは勘弁ですよ」

「あら、モデル提供は竿役の方でも別に良いのよ? そう言う物は嫌い?」

「……男だけ造るならともかくクオリティの都合上女も造れとかなし崩しに成るのは目に見えているので無理です」


 ……自分が間接的に犯されまくるのを公認なんて流石に出来ないし。……そう言うのが有りの性格なら即座に飛び付く検案なのだろうな、これは。(遠い目)


「水霧様に頼らずとも実写作品レベルの3Dモデルは既に造れるので、頼るとしたら専用モデルを造る人外系だけで良いのですがね……」


 ……特殊仕様の見た目の人外系限定、か。


「それだと基本的には異種でやる奴限定な訳ですが……」

「運用目的が専用モデルを造る手間の短縮なら、手間が掛かりすぎるモデルを使う物が適用対象に成るのは当たり前では?」

「……特殊メイクで補えるレベルだったら確かに自前でペンタクルさん側の企業が用意可能なのは解りますが、……結果として人外系、ですか……」

「手間の掛かる特殊ヴィジュアル仕様のボスとかをローコストで簡単に一作品に何体も導入する事をやれる様に成るので、是非ともやって貰いたいですね」

「……RPGで倒されるボス役起用だとサンドバッグに成れと言う意味に成りませんか?」

「なら、何だったら良いのですか」

「……適宜該当の物を見てから決めます。逆張り作品の事を考えるとどの立場でも安心は出来ないので」

「そう、なら、そうね、二つ程候補が有るわ、見て決めなさい」


 そして資料を渡されたので目を通す。

一、主人公に能力を与える神(つまり主人公の後ろ盾)

二、プレイアブルキャラの行動可能エリア外で闊歩する背景としての超大型魔獣なり何なり


 一つ目は小説で良く有る奴、二つ目は幾つかの有名タイトルのゲームで何例か見た事が有るな。後者なら良さそうかな。そして段取りを始める事にした。



正直初手の話は現実基準の話とすると画像生成AI周りの発展が原因で普通に破綻して居ても可笑しくない話だとは思う。


まあ、書いたの画像生成AIがオープンソース化される前なんで、こう言う世界なんですと言う事でそう言う点は気にしないでね……。

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