一筋の希望
タイトルを間違えたので修正しました
「さて、まずは協力者確保しないとな」
「協力者ですか?」
「俺たちだけじゃ、手が足りない。誰かいないかな?」
「ファウスト様ならもしかしたら・・・」
「それはだめだ」
「なぜでしょうか?」
「そ、それは・・・」
たしかに彼の助力があれば、証拠集めは捗るだろう。しかしそれはファウストに大きな借りを作ることになる。
仮にオリヴィアさんのお父さんの冤罪がはれて貴族に戻れたとしても、今度はクリストファーとの結婚しなけばならなくなるだろう。それじゃだめなんだ。
俺はオリヴィアさんのお父さんの名誉回復だけでなく、オリヴィアさん自身の幸せにしたいんだ。だからファウストには頼りたくない。
「・・・では、1人候補がいます・・・」
「本当に?」
「はい、ですが確証はありません」
「その人にお願いしてみましょう」
その人がだめなら、ファウストに助力を乞おう。
彼女が向かったのは定食屋だった。
「失礼します」
「いら・・・お前は」
定食屋の店主はオリヴィアを見るなり彼女のそばまで来た瞬間胸ぐらをつかんだ。
「ここはお前のようなやつが来ていい場所じゃないんだよ。帰れ」
オリヴィアさんは手を離され、尻餅をついた。
なんだこの店主。やりすぎだろ。
俺は内心イラついたが、オリヴィアさんにここで何が起きても何もしないでほしいと言われたので、怒りをグッと飲み込んだ」
「申し訳ございません、失礼します」
オリヴィアさんはスカートは少しはたき、店から出て家まで帰ってきた。
「ごめん、オリヴィアさんこんなことになるなんて・・・やっぱりファウストに助力してもらおう」
俺がそう提案するとオリヴィアさんは首を振り
「一筋の希望です」
ポケットから一枚の紙を取り出した。
数時間後、俺たちは紙に指定された場所に向かった。そこには先ほどの店主が先ほどとは違い立派な服を着て待っていた。
「お待ちしておりました。オリヴィアお嬢様」
店主は恭しく頭を下げた。