表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

罪の告白

私はオリヴィア、チェルシー家の一人娘です。母は私が物心つく前に病気で亡くなってしまいましたが、母を愛していた父は再婚せず、仕事しながら、わたしを育ててくれました。

チェルシー家は由緒ある侯爵家で、父は平民にも優しく接し、使用人にも領民にも慕われていました。私はそんな父を心の底から尊敬していました。


ある日、夜中に物音がしたので、起きてみると、慌てている父がいました。そして私を見つけるなり


「父さんはこれから大切な話があって、すぐに出かければならなくなった。お留守番できるね?」


「はい、お父様。セバスや他のみんなと一緒にこの家を守ってみせます」


「はっは。それは心強い。すぐに帰ってくるからね」


父は何人かのお供を連れ出ていきました。それが私が生きている父をみた最期でした。


父が出かけて数日後に


「チェルシー家に関係する者は全員捕縛する。抵抗はするな」


大勢の兵士がやってきて私たちを捕らえました。

捕らわれた先で衝撃的な話を聞かされました。

父が敵国に情報を売っていたというものです。

信じられませんでした。そして父は亡命しようとして見つかり死んだと知らされました。私は泣くことを許されませんでした。

そして、チェルシー家は廃絶されました。






「これが私の過去です・・・軽蔑しましたか?・・・」


な、なんて悲しい話なんだ。もし人間の姿なら、号泣し鼻水も垂らしていただろう。

口調といい品のいい姿勢、動きだったので、生まれはいいと思っていたが、ここまで悲しい過去があったなんて


「た、大変だったんだな。俺なんて全然ましだな・・・」


「軽蔑しないんですか?」


オリヴィアは縋るようにこちらに来た。


「どこに軽蔑するところがあるんだ?」


「お父様は国を裏切ったんですよ」


「それはオリヴィアさんの父親であって、あなたは加担していなかったんでしょ?」


父親の罪で娘が被害を被るなんて許せない。


「はい・・・」


「なら俺はオリヴィアさんを軽蔑しないよ」


「ありがとうございます。ちょっと花を摘みに行ってきていいですか」


「そうぞ」


彼女は家から出て行った。彼女が歩いたところには所々濡れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ