暴漢との攻防
「け、剣を抜きやがった・・・」
「どうしやす、アニキ?」
「・・・見事だ。約束通り見逃そう。さあ、剣を渡せ」
アニキは、少女に手を差し出した。
「だめだ。剣を渡したら、襲われるぞ」
「・・・」
少女は剣をアニキに向けた。
「どういうつうもりだ?」
「・・・この剣を渡したら、私を襲うのでしょう?」
「おい、俺たちを信じられないのか?」
信じられるわけがないだろうが。
「3人相手に戦えるのかよ。いやそもそもあんた剣を握ったことすれないんじゃねーか?」
「!」
少女はビクッと体を震わせた。
「やっぱりな・・・やめときなお嬢ちゃん。俺たちに敵うはずないって自分でもわかったいるんだろう?」
アニキは諭すように言ったが、少女は剣を向けるのをやめたかった。
「あ~仕方ねえ」
「アニキ?」
「もう殺すぞ」
「あ、アニキ?」
「こいつに俺たち程度の話術はきかない。ならもうやるしかない」
「で、でも・・・」
パッスとピッグスは怪訝な顔をした。
「あの剣そうとうな代物だ。下手に手加減すれば、こっちがやられる。見ろ普通女が剣を持っていると重さに耐えかねて、腕が振るえるもんだ。だかこの娘、びくともしていない」
アニキに言われ、少女の腕を2人は見た。たしかに彼女の腕は動いていなかった。
「わかったなお前ら?油断せずにいくぞ」
「はい」
「おうよ」
パッスはナイフを取り出し、ピッグスは槍を構えた。
先に動いたのは、パッスだった。
「せっかくいい女と楽しめると思ったのに畜生ー」
ナイフは少女の喉めがけて、突き出した。
「剣をナイフに向かって振るんだ」
「‼」
少女はナイフめがけて剣を振るった。剣に当たったナイフは真っ二つに切れた。
「お、俺のナイフがーーー」
パッスはナイフを失ったことに動揺し叫んだ。
「正面からいくなんて、やはりお前はバカだな。こういうときはこうするんだよっと」
ピッグスはいつの間にか少女の死角に回り込みそこから槍を投げた。
「やばい、この娘がやられる」
この娘を守ってあげたいと心の底から思った。すると
「なっ、盾だ・・・と・・・」
俺は盾になり、少女の身を守った。
「えっ?俺盾にもなれるのか。この娘を守れてよかった~」
俺が少女は助けれらたことに喜んでいると
「やはりただ者じゃなかったか・・・」
アニキが不敵な笑みを浮かべた。
「なんだこいつ?この状況で勝算があるのか?」
俺は内心ビビった。
「プランBだ」
く、くるのか
「へい」
「わかった」
3人は逃げて行った。
えっ?プランBってそれ?まぁこっとは追いかける理由がないから有効な作戦ではあるけど・・・
俺は少し期待外れだなと思った。でも少女は助けられたしよしとした。
「はうぅーーー」
暴漢3人がいなくなったことに安心したのか少女はへたり込んでしまった。
「大丈夫か?けがはないか?」
「はい」
「しかし、こんなところに女1人で来るなんて、危険すぎるだろう」
「すみません」
「ん?あの~もしかして俺の声・・・聞こえてます?」
「はい」
「えぇーーーーー」
俺の声が森中に響き渡った。