遊ばれる少女と激励する俺
(あの3人何をするつもりだ?)
気になったが、俺にはあいつらを追いかける手段がない。もんもんとした気持ちでいると
「きゃあーーー」
女性の叫び声が聞こえた。
(今のは、まさか・・・)
俺が戦々恐々としていると、半裸の少女がこっちに来た。
「はぁはぁはぁ」
少女は息も切れ切れだった。
「お譲さ~ん。どこに行くのかな?」
「逃げても誰も助けてくれないよ~」
「大人しく、俺達を楽しませてくれたら、ひどいことはしねぇよ」
(はぁ?お前たちの『お楽しみ』はこの子にとってひどいことだろうが)
俺は憤慨した。少女は涙目で俺のところまできた。
「兄貴、あいつ例の剣のところにいますぜ」
「ほんとだ。まさかあの剣で俺達と戦うつもりか?」
「それはおもしれぇ。おい、女―――」
兄貴は大声はあげた。少女は腰を抜かせていた。
「そこの剣を抜けたら、お前を見逃してやるよ」
「えっ?ほ、本当ですか?・・・」
少女はすがるように聞いた。
「ああ、だからその剣を引っ張ってみろ。俺達は手助けも邪魔もしねぇ」
「ここで見ていてやるよ」
「ほら、早くやれよ」
「こ、こいつらこの子が抜けないとわかってて・・・最低なやつらめ」
「・・・」
少女はこちらをジッとみていた。
「おい、どうした?立てないなら、手伝ってやろうか?」
ピッグスは舌なめずりしながら言った。
「おい、手助けはしねぇって俺はいったよな?」
「す、すまねぇ、兄貴」
兄貴に睨みつけられ、ピッグスは委縮した。
「あと、10秒で立てなかったら、わかっているな?10、9、8」
「くそこいつら完全に遊んでやがる」
「7、6、5」
「おい、そこの少女立ち上がるんだ」
「・・・」
「4、3,2」
「怖いのはわかるでも今は勇気を出して立ち上がってくれ」
「1」
「できる、君にならできるーーー」
「ぜ」
少女はギリギリで立ち上がった。
「よしよし、よくやった。えらいぞ」
「兄貴、あの女、立ち上がりましたぜ」
「ああ、そのようだな。だが俺は立ち上がったら見逃すなんて言っていないぞ」
兄貴は首を振り、早く俺を抜けと少女に抜けと促していた。
「く、あの3人でも抜けなかった俺をこの子が抜けるとは思えない・・・」
「おい、またカウントダウンしてほしいのか?」
「・・・やります・・・」
「そうだそれでいい」
少女は剣の目の前にきた。彼女は不安と恐怖、色々な感情を含んだ目をしていた。
「こうなったら、やるしかない。女神様この子に俺を抜かせてやってくれーーー」
俺は天に届くように言った。
「こんな、いたけな少女を守ってこそ神だろ。お願いだよーーー」
「・・・」
少女が剣の柄を握った。
「あいつが諦めたら、いくぞ」
「「へい」」
3人はいつでもいけるようにかまえていた。
「頑張れ少女。君にならできる」
内心無理だろわかっているでもそう祈らずにはいられなかった。
「・・・」
少女は力を入れ剣を地面から・・・・・・・・抜いた。