尋問
「シロー様、セバス」
オリヴィアはシローとセバスが現れてホッとした。
「な、誰だこのおっさん」
「どうしてここが?」
「・・・あんた何者だ・・・」
パッスとピッグスは動揺していたが、アニキだけは、冷静に敵を見定めようとした。
「そうですね。ここはこう名乗りましょうか[テルミントンのハイエナ]っと」
「テルミントンのハイエナ?」
「どこかで聞いたことがあるような?」
「ばっはっは。テルミントンのハイエナっていえば、テルミントンの戦いで味方が必死に戦っているときには何もせず、
敵陣が崩れたところに敵兵士に偽装して、敵指揮官を討ったっていう卑怯者じゃねぇか。警戒して損」
いつの間にかアニキの喉元には剣がいた。
「なっ」
「「アニキーーー」」
3人は何がおきたがわからず、混乱した。その隙にオリヴィアさんはこちらに来た。
セバスはオリヴィアに向かって剣を投げた。
ん?なんで?オリヴィアさんが俺を受け止めようとしてくれたので棒に変化した。そんな俺をオリヴィアさんは抱きしめた。
「来てくださると信じていました。ありがとうございます」
「無事でよかったよ」
「おっほん、悪漢の捕縛完了いたしました」
セバスは咳払いをして、報告した。
「あっ、すみません。あとセバスも助けに来てくれて感謝します」
「いえいえ、こちらこそ妻を助けていただきありがとうございました。さて」
「なんだこいつ」
「めちゃくちゃ、つええ」
「こんなに強いとは・・・」
「この3人をどうしますか?」
セバスは捕縛した3人を見下ろした。
「・・・この者たちにはだれかに依頼されたようです」
「なるほど、では」
「俺たちははくと思っているのかよ」
「ふん、早く殺しやがれ」
「私が聞き出しますので、少し席を外していただけませんか?」
え、セバスなにをするつもりなの?
「セバスの手を煩わせる必要はありません」
「なっ」
「それは」
「ぐっ」
オリヴィアさんは、透明の液体の入ったビンを持っていた。それを見た3人は戦慄した。
「私に飲ませようとした自白剤です」
「なるほど、それは使えますね」
セバスは3人チラッと見た。
「素直に答えていただけない場合は・・・わかっていますね?」
「・・・ロキットって奴に頼まれた・・・」
「ロキット・・・何者なんでしょう?」
「おそらく、仲介人でしょう。居場所は?」
「レディースってバーによくいる」
「そこならわかります。行きましょう」
立ち去ろうとすると
「待て、1つ聞かせろ」
「なんでしょうか?」
「テルミントンで本当は何があったんだ?」
「バルアス軍と激突してすぐ、私の部隊は撤退をしました。私だけが突っ込み敵将を討ち取りました」
「それじゃあ、あんたは英雄じゃないか。なんで」
「メンツというやつですよ。部隊には貴族子息も大勢所属していましたからね。平民が勇敢に戦い敵を討ったのが気に入らなかったのでしょう。それで偽の情報が流れました」
「それが[テルミントンのハイエナ]か・・・」
「信じるも、信じないもあなたの自由ですよ。それでは」
「信じるに決まっているだろが」
アニキは自力で縄をとき、2人の縄も切った。
「アニキこれからどうしやす」
「おれはこの国から出る」
「本気ですか?」
「ああ、依頼を2度しくじった今度こそ殺されるだろう」
「わかりやした。お供します」
「いくぞ、お前ら」
「「へい」」