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太陽神話  作者: いるか印
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創神

初め、世には暗黒が満ちていた。

長い長い時の果て、暗黒は凝縮され一柱の神、グヌムを生んだ。

グヌム神は完璧な存在であったが、世に己のみがあることを嘆かれ、三柱の神を生み出された。

順に、アグゥ、ヌン、ムスグと名付けられた。

そうして次に、三柱の息子たちにそれぞれ太陽、月、星を司らせた。

三柱のの息子たちは初め、父に与えられた役割を全うしていたが、兄アグゥと弟ヌンが争い始めた。

時折、アグゥの司る太陽とヌンが司る月とが重なり合うときがあったのだ。

その度に、星々は怯え、ムスグ神は遠くなられていった。

遂には、ムスグ神が星々に反乱を起こされ倒れられた。

それにお怒りになったグヌム神が反乱を起こした星々を地に落とし、残る二柱の神からは争うための手足を取り上げられることとなった。

そのときの二柱の神の絶叫から新たな神が二柱、そして流された涙から数多の神々が生み出された。

絶叫より生み出された二柱をそれぞれ、メアセム、ヌアと名付けられ、地に落とした星々の監視と倒れられたムスグ神の慰めを命じられた。

地に落ちた星々は、辺りをその六枚の美しい銀色の羽で飛び交っていたが、決して地に足を着けることはなかった。

そこに、二柱の神が舞い降りられた。

神々は初め、星々に共にムスグ神を慰めようといったが、それを星々は拒絶した。

故に、星々は未だ空にかえれず、柱の陰や木のうろの中、月の輝く庭などに潜み、その六つの目でこちらを見ているのだ。

残された二柱の神々はひどく嘆かれたが、そのお嘆きより始まりの人、モロイをお創りになられた。

次に、二柱の神々はグヌム神が己のみであるのを嘆かれているのを知っていたため、モロイの小指より始まりの女、イズを創られた。

二柱の神々は、二人に子を作り、地を治め、より多くの星を空に返すことを命じられた。

そうして二柱の神々は地の底に霊廟を造られ、そこでムスグ神を清め、守られている。


こうして我らの役目が決められたのだ。こうして星は落ちたのだ。こうして我らの神は生まれたのだ。

子らよ、忘れるな。忘れるな。忘れるな。

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