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終わりゆく異世界で  作者: 橘 祐輔
プロローグ
2/7

第零話 「プロローグⅡ ~暗闇の中で~」

――――目が覚めると、暗い洞窟の中に居た。


 視界がぼやけて状況がよくわからない。頭より高い位置で一つに括られている手首を伝い、微かに冷たさを感じる。どうやら両手首を鉄の手錠によって拘束されているらしい。全身には力が全く入らず、自然と顔は地面を見るように完全に俯いてしまっている。


「……ココ…………ハ……?」


……ここはどこだ?俺はどうしてここにいる?

 そう口にしようとするが、酷く身体が疲弊しているのか上手く口が動かない。

 暗闇にようやく慣れてきた視界が映したのは地面、



――――ではなく、胸の谷間(・・・・)。そして視界の両端から垂れる長い髪の毛(・・・・・)


 どういうことだ。俺は間違いなく男だったはずだ。少なくともこんなモノは持っていない。

 そこでようやく、己の異常な状態に気が付く。そう、俺は今、紛れもなく女の身体(・・・・)になっているのだ。


「……ナニ……ガ…」


――何がどうなっているんだ?

 そう口を動かそうとするが、やはりうまく動かない。それどころか、二度の発声が引き金となり、肉体の奥底から強烈な吐き気が這い上がってくる。吐き気に抗えず、食道を逆流してきた液体を盛大に外へと吐き出した。


「ごはぁッ!!!!」


 口の中が、妙な生温かさと鉄の匂いで満たされていく。それは酷く不快なもので、思わず顔を歪めてしまう。

 少しずつ、身体と意識が繋がっていく。ぼんやりとした視界が、はっきりしてくる。

 覚醒していく意識に比例して、足から伝わる地面の冷たさがなんとも気持ちが悪い。

 自分はまるで、水たまりの上に座り込んでいるみたいだ。


……水たまり?


 おかしい。水は、こんな匂いはしない。こんな独特な鉄の匂い(・・・・)は発しない。

 それじゃあ、何なんだこの液体は。少し粘り気を含む、仄かな鉄の匂い。まるで、たった今吐き出した物のような……。


 ドクンッ、と心臓が高鳴る。脳がある一つの可能性に辿り着いた。

 しかし、ソレを俺の意識が理解しようとしない。


「…………ハァッ……ハァ……ッ!!」


 身体中が、まるで何かの警報を鳴らしいているように痛みだす。俺の意識が、ソレを認識するなと訴えている。

 しかし、痛みは止まらない。ズキズキとした痛みが、やがて刃物が突き刺さるような痛みへと変化する。

 意識がはっきりしていく。視界にわずかながら色がついてくる。痛みが増していく。痛い、痛い、痛い、痛い。

…………そこで俺は、ようやくこの女の身体が普通ではないことに気づく。




 身体中の傷から、皮膚を全て覆い尽くす程の血が、激しく流れ出していた。



 ソレを認識した瞬間、全身が熱を帯びる。痛みが増す。力が抜ける。体が震える。熱いのに震える。熱い、熱い、熱い。



 瞬間、ついに身体が壊れた。


「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!?!?!?」


 その痛みが、熱が、全身から血を吹き出させ、喉から声を絞り出させ、目から涙をあふれさせる。喉に溜まった大量の血が、呼吸を邪魔して苦しい。





「……おやおやおや、気が付いたのですカ?」


 そこへ、前方からローブをまとった見知らぬ男がやってきた。


次話まで謎の展開なプロローグは続きます。


もう少しだけお付き合いください。



誤字脱字、感想等お待ちしております。

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