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日常
「はぁ……」
気づけば、いつも君のことを考えている。
君が隣にいないと、なんだか寂しい。
もし君がこの世からいなくなったら?私、死んじゃうよ。
君が隣にいれば、なんだってできる。勇気が溢れてくる。
今日、会えるかな。いっぱい話せるかな。
毎日そんなことばかり考えちゃってます。
私は、君のことが大好きです。
「マイー!お母さん仕事行くから起きてー!」
「うーん……はぁーい……」
花野 マイ、12歳。
北原中学校の吹奏楽部に所属し、フルートを担当している。
「あ、今日フルート教室よね。帰りにコンビニでご飯買って帰って。ここにお金おいとくから」
母はもうこんな時間だ、と言うように時計をみて、
「じゃあ、朝ごはんとお弁当そこにあるから」
と、家を出て行った。
「……」
時刻は朝6時。
マイは独り言をいうこともなく椅子に座り、もくもくとパンを食べだした。
そう。それが、日常。マイの、花野マイの日常だ。