生命パワー
あれから2年がたった。
帰りの車では、タケシは快調に飛ばして運転していた。
「どうだった。リア充バスターズは」
「結構大変ですけど、やりがいはありますね」
「そうか。実は、知らせたいことがあるんだ」
「なんでしょうか」
「実は、あのとき石を置いたのは俺なんだ」
トオルには突然の出来事で、何を言ってるのかサッパリだった。
「あの日、俺は先輩と二人でリア充バスターズの仕事をしていたんだ。その時の対象者は、トオル、君だったんだ」
「えっ」
トオルはただ驚くことしか出来なかった。
「君たちがくっつくと、将来大変なことが起きる予定だった」
「何が起きる予定だったのですか」
「将来結婚した君たちは交通事故を起こし、死者100人の玉突き事故を起こす予定だった」
「そんなーー」
自分もその対象者だったこと。そして、そんな事故を起こしてしまうのかと思うとゾッとした。
「そこで俺と先輩は、君を転ばして星のペンダントを破壊しようとしたんだ。壊れて、君が告白するまでの時間稼ぎをしようと思いってね」
「もしかして、それがあの石ーー」
「そうだ。しかし、ただ転ぶだけではなく、君は死んでしまった。そこで俺と先輩は閻魔に報告。閻魔からの指示で先輩は辞職し、おれは、君を見ることになったんだ」
「そうだったんですか」
「君にはすまないと思っている。そしてもう一つ言うことがあるんだ」
「えっ、何ですか」
「実は、リア充バスターズは人々の愛のパワーをさり気なく回収していたんだ。そして、それは生命パワーに変換できるんだ。キューピットのやつらも、それを誕生させ、回収するのが真の狙いさ」
タケシはそう言って、銃をとりだした。
「本来は、これは閻魔に捧げる物だ。なぜなら、それは浮遊霊を過去の時間に戻らせて、生き返えらせるからな。肉体は完全に完治してるから、生き返った瞬間苦痛を味わうこともない」
「まさか」
「ああ。君を殺してしまったせめてもの償いさ。許してくれ」
そう言うと、タケシは俺に向かってトリガーを引いたのである。
目が覚めると、そこは救急車の中だった。
「信じられん。生き返ったぞ」
救急隊員がそう言った。
スマホの時計は、自分が石につまずいた5分後をさしていた。
あの出来事は夢だったのか。
青年はそう思いながら、たそがれるのであった。
どうみても打ち切りエンドです。
無理矢理なまとめ方ですが、これで完結です。
ありがとうございました。




