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第5話:Aランク挑戦とライバルの影


夜明け前、街は静まり返り、

遠くのネオンだけが薄く光っていた。

ゆきみは窓の外を眺め、深呼吸をする。

今日の挑戦は、ついにAランクダンジョンだ。


「緊張する…でも、やるしかない」

小さく呟き、剣型アプリを握りしめる。

封印されている力はほとんど使えない。

しかし、頭脳と異世界で培った経験を武器に戦う。


たかしも装備を整え、軽く頷く。

「準備は万全だ。君なら突破できる」

二人の目は互いに合い、決意が交わされた。


ダンジョン入口は、都心郊外の廃工場地帯にある。

光を帯びた空間がぽっかり口を開け、冷気が漂う。

入口前には、先日遭遇した黒コートの少年が待ち構えていた。


「やっぱり、今日も来てるか」

たかしが小声で言う。

「うん…ライバルね」

ゆきみの目は鋭く光る。

今日の挑戦は、ただの攻略ではなく、ランキング上位をかけた戦いでもある。


ダンジョン内は暗く、湿った石畳が軋む。

壁には古代文字が刻まれ、わずかに魔力が漂う。

空間全体に緊張感が満ちていた。


「まずは安全ルートの確認ね」

ゆきみは周囲を観察し、罠やモンスターの位置を探る。

たかしも後方で警戒し、戦術を組み立てる。

配信カメラ越しに視聴者が熱い視線を送っている。


最初の部屋で、中型モンスターが二手に分かれて襲いかかる。

封印された剣では力で勝つのは難しい。

ゆきみはモンスターの動きを読み、地形を利用して誘導する。


「右に誘導、罠を使うわ」

たかしが素早く動き、二人は連携して敵を制御する。

視聴者からは絶賛コメントが流れ、ポイントが急増する。

「戦術的すぎる!」

「経験者だね!」


階層奥に進むと、複雑な罠とパズルが待っていた。

床に仕掛けられた圧力盤、壁に浮かぶ紋章。

「慎重に…一つずつ確認して」

ゆきみは異世界で培った観察眼を活かす。


罠を回避しながら進む二人。

視聴者からのコメントも、戦術のヒントとして活用する。

封印されても、頭脳と経験で進める喜びが心を満たす。


深層に進むと、黒コートの少年も同じ階層に姿を現す。

互いに視線を交わし、無言の心理戦が始まる。

「やはり…今日もライバルか」

ゆきみは小さく息を吐く。


最終部屋に入ると、ボス級モンスターが待ち構えていた。

黒コートの少年も同時に入り、三つ巴の戦いが始まる。

力で押すのは不可能。頭脳と心理戦、地形と罠の駆け引きが試される。


「右から誘導! 罠を使うわよ!」

ゆきみが指示し、たかしが動く。

モンスターは意図通り罠にかかり、黒コートの少年も動きを制限される。

視聴者は画面越しに息をのむ。


戦闘中、ゆきみの剣型アプリに微かな振動が走る。

封印された力が、ほんのわずか反応しているのだ。

「…これ、封印のヒントかも」

胸が高鳴る。少しずつ力が引き出せる可能性がある。


モンスターを倒し、二人は勝利を手にする。

配信ポイントも大幅に増加し、ランキングは上位圏に食い込む。

黒コートの少年も、一歩遅れて報告を送信していた。

「やはり強敵…でも、やれるかもしれない」


二人はダンジョン出口へと歩き出す。

外の光が二人を包み、街のネオンが入口を照らす。

封印勇者・逢坂ゆきみの挑戦は、

現代でのランキング上位争いの本格化へと進んでいった。


視聴者の声、友人の存在、そしてライバルの影。

すべてが彼女を押し上げ、次の戦いへの希望を生む。

「弱くても…諦めない」

その決意が、現代での戦いを力強く支えていた。


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