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第4話:封印の影と挑戦の光


朝の光が窓から差し込み、街はまだ眠りの中にあった。

ゆきみはベッドの上で目を覚まし、深呼吸をする。

昨日のBランク挑戦で得た達成感と、ライバルとの緊張感がまだ胸に残っていた。


「今日のダンジョンは…Aランク手前ね」

彼女は小さく呟き、装備を整える。

封印されているため、剣の威力はほとんどない。

しかし、頭脳と経験を武器にすれば、攻略は可能だと信じていた。


大輝はPCの前で、最新のダンジョン情報を解析していた。

「階層構造とモンスター配置は把握済み。罠も複雑だけど、

ゆきみ姉ちゃんなら突破できるはず」

解析結果を画面越しに見せる彼の目は、期待と自信に満ちていた。


たかしも玄関先で準備を整え、笑顔で声をかける。

「ゆきみ、今回の敵はBランクより一段上だ。

慎重に行こう。戦術を間違えれば危険だ」

ゆきみは頷き、心の中で決意を新たにした。


ダンジョン入口は廃工場の奥、古びたビルの谷間に浮かぶ。

光の渦が口を開き、冷たい空気が街の喧騒を遮断する。

二人は深呼吸し、ゆっくりとその中に足を踏み入れた。


内部は暗く、湿った石畳が足元で軋む。

壁には古代文字が刻まれ、魔力の気配は薄いものの、

空間全体に張り詰めた緊張感が漂っていた。


「まずは探索ルートを確認するわ」

ゆきみは慎重に周囲を見渡し、モンスターの気配を探る。

たかしは後方で周囲を警戒しつつ、彼女の指示に従う。

配信カメラ越しの視聴者も、息をのむように二人を見守っていた。


最初の部屋で、中型モンスターの群れに遭遇する。

封印された力では直接戦うのは困難。

ゆきみはモンスターの動きを読み取り、地形を活かして誘導する。


「ここを左に誘導して」

たかしが迅速に動き、モンスターを罠に引き込む。

視聴者のコメントが画面を流れ、興奮と称賛で埋め尽くされる。

「頭脳戦がすごい!」「初心者とは思えない!」


奥の階層に進むと、複雑な罠とパズルが待っていた。

床に仕掛けられた圧力盤、壁に浮かぶ謎の紋章。

「ここは…落ち着いて、一つずつ確認するわ」

ゆきみは異世界で培った観察力で、罠の範囲を測定する。


たかしと声を掛け合いながら、慎重に進む二人。

視聴者からも「冷静な判断が光る!」と称賛コメントが流れる。

封印された力でも、経験と知識で突破できる喜びを、

ゆきみは改めて感じていた。


深層に進むと、階層奥でボス級モンスターが姿を現した。

黒い影がゆらめき、威圧的な存在感を放つ。

ゆきみは剣を握り直す。力は封印されているが、

異世界の記憶が頭にフラッシュバックする。


「これ…あの時の感覚に似てる」

異世界で魔王と戦った感覚。

剣の手応え、敵の動き、戦術の閃き。

封印されていても、脳裏に記憶として残る感覚が戦術のヒントになった。


戦闘は頭脳と心理戦に移行する。

モンスターの攻撃パターンを読み、地形を利用して誘導。

たかしも迅速に反応し、連携プレイで敵の動きを封じる。


「右から誘導! 罠を使うわよ!」

視聴者のコメントも戦術を後押しし、配信ポイントが急増する。

封印された剣では力で勝てなくても、知略で優位に立てる。

二人は戦略的に戦い、ボスを倒すことに成功した。


戦闘後、階層を調査する中で、ゆきみは奇妙な現象に気付く。

剣型アプリの手元に微かな振動が走り、

封印された力がほんの少し反応しているのだ。


「…これって、封印のヒントかも」

胸が高鳴る。

力は完全に封印されているが、経験と知識を駆使すれば、

少しずつ引き出せる可能性がある。


ギルドに報告し、ポイントを送信すると、ランキングが上昇する。

二人は中位から上位圏に躍り出た。

「やっぱり…まだまだ伸びる余地がある」

ゆきみは笑みを浮かべ、次の挑戦を心に描いた。


外の光が二人を包み、街のネオンがダンジョン入口を照らす。

封印勇者・逢坂ゆきみの挑戦は、

ランキング上位を目指す現代戦の新たなステージへと続いていく。


胸に湧き上がるのは、未知への期待と少しの不安。

しかし、視聴者の声と友人の存在が、彼女を支えていた。

「弱くても…諦めない」

その決意が、現代での戦いを力強く進めていくのだった。


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