エピローグ:現代の勇者と未来への光
戦いが終わり、街には静かな朝が訪れた。
ゆきみは窓辺に立ち、光の差す都市を見つめる。
完全覚醒の力を封印せずに使った日々は、
確かに現代と異世界を結ぶ戦いだった。
「たかし…ようやく少し落ち着いたね」
友人のたかしが肩越しに微笑む。
二人は長い戦いの疲れを感じながらも、
新しい日常を取り戻す準備を進めていた。
ゆきみは剣型アプリを手に取り、軽く光らせる。
「これで、もう無理に戦う必要はない…でも力は手放さない」
異世界で培った経験と力は、現代での生活に活かされる。
それが、彼女の選んだ新しい生き方だった。
ランキング上位のダンジョン配信者としての生活も再開される。
視聴者はゆきみの安定した配信に安心しつつ、
彼女の勇者としての伝説を楽しみにしていた。
「ゆきみちゃん、今日はどこに潜るの?」
ダンジョン探索は依然として危険だ。
だが、完全覚醒した力を持つゆきみとたかしの連携は、
視聴者に安全と興奮の両方を届ける。
都市の安全と配信の両立は、二人の新たな挑戦だった。
ギルド本部も戦後の整理に追われながら、
ゆきみの功績を公式に認定し、
彼女の行動は探索者全体の模範となった。
「現代でも、勇者として戦える存在」
街を歩けば、子供たちが目を輝かせて見上げる。
「勇者さんだ!」
ゆきみは微笑み、軽く手を振る。
異世界の戦場での恐怖も、今は街の平和に置き換わる。
だが、異世界の脅威は完全に消えたわけではない。
遠方の光の渦は微かに揺れ続け、
新たな挑戦や危険の兆しを示していた。
「…でも、もう怖くない」
ゆきみは剣型アプリの光を手に、決意を新たにする。
「これからは、私たちの力で未来を守る」
たかしも頷き、二人は都市の中心へ歩を進める。
街の住人たちは平和に暮らしながらも、
未知の脅威への備えを心に留める。
その日から、ゆきみは日常の中で戦いを続けることになる。
ダンジョン配信者として、都市防衛者として、
そして異世界の記憶を持つ勇者として。
視聴者、仲間、ライバル、すべてが彼女の支えだった。
夕暮れが街を包むと、空には橙色の光が広がる。
「異世界での戦いは終わったけど…これからが本番」
ゆきみは未来を見据え、胸に希望を抱く。
どんな困難が来ても、力と知恵で乗り越えられる自信があった。
夜になり、街のネオンが輝き、
配信画面には視聴者のコメントが次々と流れる。
「勇者ゆきみ、今日もありがとう!」
「これからもずっと応援するよ!」
微笑むゆきみは、画面を通じて手を振る。
彼女の心は、現代での戦いと平和、そして未来への希望で満たされていた。
「ありがとう…私、これからも頑張るから」
異世界帰還勇者としての力、完全覚醒の力、
そして都市を守る意志。
すべてが、彼女を現代の伝説として輝かせる。
夜空を見上げると、微かに光の渦が揺れる。
それは新たな脅威の兆しかもしれない。
だが、ゆきみは恐れず、未来に向かって歩み出す。
「私は…現代の勇者として、進み続ける」
完全覚醒の逢坂ゆきみ――
現代と異世界をつなぐ存在として、
仲間や視聴者とともに、新たな日常と未来を築き続ける。
その姿は、都市の夜空に静かに輝き続けた。
--完--




