異変
零の待つ島に帰ってきた。
手には違和感が残る。
広間に着くと零が待っていた。
「どうでしたか?」
「いや、大したことはなかったが、戦いの最中に手に違和感があって、相手の顔を吹き飛ばした。」
零がそれを聞いて呆然とした。
「その場所は何処ですか?」
「あ〜。岬の隠し洞窟ってとこだ。」
…
「昔、試練のと呼ばれてた場所です。選ばれし者のみ伝説の秘術を伝承できるという言い伝えが…、でもこれは人魚族の話なので。」
「うん、なんだろうね。」
僕は、違和感を気にしながら人魚の珠の近くを通り過ぎると、珠が光り、白と黒が半々ぐらいのいろになった。
「れっ、零様!呪縛がまた解けました。」
え?これもなにか関係あったのかな?
僕は、ちょっと疲れたので寝ることにした。
遠くの方で、噂話が聞こえてきた。
『あの、零様お付きの魔人のひと。最近どんどん黒さが増してない?なんか闇と同化するんじゃないかというくらい黒くて、たまに半分くらいみえないことがあるのよ。』
『わたしも、見た。あのひと消えちゃうのかしら。』
あ〜、なるほど。
僕、そんなに黒く変わっているんだ。
その後、僕は眠りに就いた。
不思議な夢をみた。
鋭い目つきの魚人が僕に頭を下げてる。
『願いがある、お前の目を珠に捧げてくれ。それで全てがおわる。』
僕はそこで目がさめた。
まだ夜中の様だったが、夢が気になって人魚の珠まで行った。
珠の近くまで行き、目をさわると、手の自由が効かなくなり、眼球を取り出そうとしているみたいだ。
必死に抵抗するが、頭を誰かに掴まれているみたいで動かない、もうだめなのか…。
「なにをしているのです!」
零が走ってきた。
「誰かが左目を奪おうとしている。」
「左目?そ、その目は人魚族の目!なぜあなたが?」
『それは、私が話そう。零』
「あ、あなたは樹!」
『この子は、私と目を交換したんだ。私の無念を晴らすためにね。だから、目を元に戻す。邪魔はするな。』
そういうと、僕の手は僕の眼球を取り出し。人魚の珠に眼球は取り込まれた。
黒い模様は完全に消え、珠は光を放ち、その中から
赤ん坊が現れ、零の手の中に降り立った。




