勇者惨殺
僕達は、束の間の一時を静かに過ごしていた。
その静寂を破り、魔王直属の配下が乱入してきた。
「魔人は居るか!」
「居ますが、お静かに願います。何用ですか?」
「至急勇者討伐に出てもらいたい。」
僕は小首を傾げ、
「そういうのは、大幹部のあなた方のお仕事ではないのですか?私の様な新参ものが出しゃばる訳には…。」
クスクス。
周りの人魚達から嘲笑が聞こえてきた。
ま、これで諦めてくれれば面倒なことに巻き込まれずに済む。
と、思ったら土下座して頼みはじめた。
「我等ではなんともならないのだ。頼むから手を貸してくれ。」
僕はため息をついて、
「貸しですよ。なんかあった時には手駒でうごいてもらいますからね。帰ったら魔王様に言っておきます。」
僕は立ち上がって、剣を背中に背負って勇者がいるという洞窟に出かけた。
洞窟に行くと、右往左往する魔族でごった返していた。
僕は、ため息をついて
「邪魔なんで、帰ってください。あとやっておきますから。」
魔族達は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
魔族もそろそろ限界なのかな…、この体たらくじゃ、魔王も大変だ。
そんなことを思っていたら勇者達がやってきた。
「魔族!覚悟しろ。最強勇者がお前を倒す。」
…。言ってて恥ずかしくないかな?
「魔族四天王はあとお前を含めてあと2人だ!覚悟しろ!」
言いづらいけど、言っておくか。
「…。すまんが、四天王じゃないんだ。ちょっと多忙でな、代わりに来た。」
勇者が真っ赤な顔をして怒り始めた。
「四天王以外で、俺達を倒せると思ってるのか?!」
勇者らしき奴が凄い速さで突進してきた。
が…、隙が多すぎなので蹴飛ばして元に戻した。
「ま、相手してやるけど…、手加減はできないよ。」
僕は両方の剣を抜き構えた。
「この剣は人魚の鱗で作った剣。故に水の性質を持つ、このようにな!」
勇者パーティーの後列のヒーラーを狙い、俺の手元にはヒーラーの首がポトンと落ちる。
一瞬にして、勇者達に動揺が広がる。
恐怖が限界を超えたのであろう、後列の魔術師が逃げだした。
が、僕の剣の餌食となり、2つ目の頸が僕の足元に転がった。
「に…、人魚の珠を持って帰らないと魔王を倒す武器が手に入らない。」
「ん?」
「人魚の珠だと?」
僕は、零のあの姿が目に焼き付いている、こいつはそんな下らないことのため、零の希望を奪おうとしている、許せない…許すことは出来ない。
そう思った時には、勇者の首は足元に転がっていた。
残り剣士は、逃げたがこれだけの目にあえばしばらく来ないだろう。
僕は、血が滴る3つの首を持って、魔王城に帰った。
魔王の前に持って帰った3つの首を置いた。
「戦利品です。私のとこに来た奴、私の手駒として使わせて貰います。」
魔王は大笑いし、
『うはははは。好きにしろ!良くやった。近いうちに褒美をやる。』
「いりません。じゃもう帰ります。」
僕はそう言って、零の待つ島へ帰った。




