人としての償い
次の日起きると、仲間から一冊の本を渡された。
「人がどれだけの罪を犯したのかが書いてあると、人魚達に言われた。」
と、暗い表情で渡されたのでちょっと気になって少し読んでみた。
戦乱が落ち着いてから、神々の命により人が裁きが下されたということらしいが、これすら怪しいものだ。
僕自身、神々など見たことないし、会ったなんて聞いたこともない、どうせ神官どもがでっち上げて作り出した作り話である可能性が一番高い。
しかし、これによって彼女達が意味もない裁きを受けたとなると人の犯した罪は重く深いと言える。
そこには、零が魔王の前で悔しさを滲ませた理由が書かれてあった、元々人魚族には屈強な男戦士がいたが人の裁きにより火炙りに処せられ、更に人魚族には男子が誕生しない呪いを施されていた。
零の戦闘力は稀有なものらしい。
そんな時にまた、下っ端魔族から司令が届いた。
次は隣の比較的大きい都市の王族を殲滅し都市を制圧しろということだ。
…壊滅させる必要はないということか、何を企んでいるのやら。
突然、零が部屋に飛び込んできた。
「どうしましたか?」
「大変です!あなたの故郷の街が襲われたという話が…。」
零には知らしてないし、誰も教えなかったのだろう。
僕は微笑んて、
「それは、僕がやったので心配なさらずに。」
「なぜ、そんなことを?!」
「僕は、零達の代わりに闘ってるので、気にしないで下さい。」
零は下を向いてがく然としていた。
「そんな顔をしないで。僕は君達とともにあります、もう人ではないのですよ。魔人ですから。」
零は頷いて広間の方へ歩いて行った。
広間では別の人魚達が大騒ぎをしていた。
「零様大変です!タウの街が全滅したそうです。」
零は僕をチラリと見ると、
「知ってます。本人から聞きました。」
「と、いうと?」
「全滅させて来たそうです。」
その場が凍りついた様に静かになった。
零は、広間の椅子に座りため息をついた。
「あなたは、いったいどこまでやる気ですか?相手は魔王ですよ?」
「あなた方に安寧か訪れるまで。」
零は深いため息をつき、頭を抱えた。
僕は零に本を見せ、自分自身に償わなければ行けない罪があると話した。
零は首を横に振って、
「償える罪だと思っているなら、思い上がりも甚だしいです。しかも貴方はまだ生まれる前の話…、もう十分です。」
僕は頭を下げ、
「もう暫く待って下さい。あなた達の助けになりたい…なれることを証明したい。」
そう言って僕は次の指示の街に行った。




