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第6話:世界親族テーマパーク編 ~アトラクションもキャストも全員親戚~

 ――世界親族温泉旅行が終わってから数週間後。


 俺、坂本ユウタは魔王城の食堂で朝食をつつきながら、叔父さん(魔王マルバス)の爆弾発言を聞いた。


「次はテーマパークに行くぞ!」


「えっ……テーマパーク!?」


「いや行くというか、作った」


「作った!?!?」


 叔父さんはドヤ顔でチラシを広げた。


【世界親族テーマパーク・グランドオープン!】

――魔族も人間も勇者も楽しめる、夢と冒険の楽園!


「なにこのデカいプロジェクト!?」


 金髪の勇者いとこ・リリアがチラシを見て目を輝かせる。


「楽しそうー! 行こうよお兄ちゃん!」


「いや俺、まだ温泉旅行の疲れが……」


「そういう問題じゃない!」


 さらにおばあちゃん(創造神)が湯飲みを片手にニッコリ笑った。


「ユウタ、親族全員で行くわよ?」


「行くしかないやつだこれ!!」


 世界親族テーマパークは、世界の中心に位置する巨大平原に作られていた。

 魔王城が丸ごと入るほどの敷地面積。そこにカラフルなゲートがそびえ立つ。


「すごーい!!」


 リリアが興奮気味に叫んだ。

 ゲート前には親戚たちが長蛇の列を作っている。


「……これ、世界人口の半分以上来てない?」


「だいたいそうだと思う」


 チケット売り場に並ぶと、窓口のスタッフがにこやかに言った。


「いらっしゃいませユウタ坊」


「えっ、あの……おじさん?」


「そうだよ! 昔お年玉あげたでしょ!」


「また親戚かよぉぉ!!」


 最初に乗ったのは「親族ジェットコースター」。

 魔王城の塔より高いレールをぐるぐる回りながら急降下するスリル満点のアトラクションだ。


「ユウタお兄ちゃん、ちゃんとシートベルト締めて!」


「う、うん……(すでに嫌な予感しかしない)」


 出発の合図とともに、コースターは猛スピードで加速した。


「ぎゃああああああ!!!」


 横で叔父さんが爆笑しながら両手を挙げている。


「ユウタ、楽しいだろ!!」


「楽しいわけあるかぁぁぁ!!」


 最後はほぼ垂直落下し、俺の魂は半分抜けた。


 次はお化け屋敷に挑戦した。

 暗い廊下を歩いていると、壁からぬっと出てきたのは――


「ユウタ坊、久しぶりだな……」


「おじいちゃんじゃねぇかぁぁ!!」


 竜人のおじいちゃんが幽霊メイクをして脅かしてきた。


「ワシ、このために練習したんじゃ」


「いや脅かされても困る!!」


 さらに奥からは狼獣人のいとこが鎖をジャラジャラ鳴らしながら飛び出す。


「ユウタ! 驚いた!? 驚いた!?」


「もう驚き疲れたよ!!」


 午後になると、パーク中央の広場で親族パレードが始まった。

 魔族も人間も勇者ギルドも、みんな派手な衣装で行進している。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」


 リリアが手を振ると、先頭を歩いていたおばあちゃんが笑顔でマイクを取った。


「みんなー! この世界は親戚なんだから仲良くしなさいねー!」


 広場中に拍手が響いた。

 しかしその後、龍神様(高祖父)が空を飛びながら紙吹雪を撒き、風圧でテントが吹き飛んだのは余計だった。


 夕方、突然アナウンスが流れた。


「緊急事態です! ジェットコースターが暴走しました!!」


「はぁぁ!?」


 俺たちは急いで現場に駆けつけると、コースターがレールの上で暴れ回っている。

 制御室からスタッフが飛び出してきた。


「ユウタ坊、頼む! 俺の親戚の子が乗ってるんだ!」


「親戚率100%じゃねぇか!!」


 叔父さんが拳を握りしめた。


「よし、魔王の力で止める!」


「叔父さん、力任せに壊さないで!!」


 最終的におばあちゃんが指をパチンと鳴らして一瞬で止めた。


「ほら解決」


「おばあちゃん万能すぎる!!」


 夜、パークは閉園し、大広間で反省会が開かれた。

 親戚たちが真剣な顔で反省点を挙げる。


「もっと安全管理を徹底しよう」

「食べ歩きのメニュー増やそうぜ」

「親族お化け屋敷は怖くなかったので改善が必要」


「いや普通に楽しかったけど!?」


 リリアが笑顔で俺の肩を叩いた。


「でもお兄ちゃん、みんなすごく楽しそうだったよ!」


「……まあ、そうだな」


 叔父さんも腕を組んで頷く。


「次はもっとでかいアトラクションを作ろう」


「やめろぉぉ!!」


 帰り際、おばあちゃんがにっこり笑って言った。


「ユウタ、次は海外リゾートに行くわよ」


「次!? もう次の旅行!?」


「世界中の親戚が集まるんだから当然でしょ?」


「胃がもたないんだよォォ!!」


 こうして世界親族テーマパーク編は幕を閉じた。

 だが俺たちの親族カオスな日常は、ますます加速していく――。

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