凄腕マッサージ師のヒミツ
仕事の日の朝は早い。
起きるとまず、身だしなみを整える。
顔を洗い、寝癖を直す。
大人になってから、見た目に気を遣うようになった。
仕事をしているのだから最低限の身だしなみは大事だ。
そして水を飲んで、朝ごはんを食べる。
今日も美味しいご飯で、やる気が出た。
朝ごはんを食べるのは、いつも心がけている。
仕事上、体力を使うから、1日のエネルギーは必要不可欠だ。
準備を終えると、いつも通り出勤する。
出勤といっても、自宅兼仕事場なので、仕事部屋に行くだけだ。
すると、ボクより先に同僚のレオが出勤していた。
「おはよう、レオ、今日も早いね」
『おはようございます!マオさん!』
仕事というものは人間関係が重要だ。
挨拶などのコミュニケーションは欠かせない。
レオは急いで出勤したのか、寝癖がついていたから直してあげた。
早く出勤するのはいいことだが、寝癖は直してからきて欲しいものだ。
2人で仕事部屋のチェックをした。
警備員がいないから、これもボクの仕事。
チェックが終わる頃には、他の従業員も出勤してきた。
ボク以外に4人。小さい店だが、そこそこ人気がある。
よし!今日も仕事、頑張るぞ!
◇
今日の最初のお客が来た。
ボクは仕事モードに切り替え、笑顔を振りまく。
「いらっしゃいませー!どこか痛いところはございますか?」
膝をマッサージすると、お客は喜んでくれた。
「凝ってますねー、お仕事、頑張っているんですね」
「温めて筋肉、ほぐしますねー」
体全体を使って腕に力を入れて温める。
お客に喜んでもらえて、やりがいを感じる、マッサージ師はボクの天職だ。
◇
猫カフェ「にゃんだふる」は5匹の猫がいる。
小さいが人気のお店だ。
特に人気なのが、マッサージ師・・いや・・ふみふみ師のマオ。
お客が2人、マオに接客されている。
『にゃああん、にゃー(いらっしゃいませー!どこか痛いところはございますか?)』
「かわいいー!膝の上でふみふみしてくれてる!」
「いいなー!マオくん、私にもしてー!」
女性客が羨ましそうに言うと、マオは膝の上に乗った。
『にゃん、にゃー(温めて筋肉、ほぐしますねー)』
今日も大人気なふみふみ師の、マオくんであった。