水底の国1 なめてかかると痛い目にあうぞ
カウントダウン会はとある理由で飛ばします。あるタイミングまでは紹介するべきではないかと。
その日、武人達は思い出した。彼に手も足も出なかった恐怖を。敗北したことへの屈辱を。
水底の遺跡へ降り立った武人たちは、彼を貶めようと集まった。
しかし武人たちは知らなかった。
彼は真なる戦士であると。
『現代武人は仮想世界を夢想する:水底の国・1日目』より
速い話が、イベント初日に数多のプレイヤーがハバキリを倒そうとしたが、逆に蹂躙された模様。1ブロックの話なので100人程で済んだが、外部モニターで一部始終を見ていたプレイヤー達のほとんどが、彼の強さに戦慄したのであった。
「だからやり過ぎだっての!」
そんな俺の反撃に、避難してやり過ごしていたギルドがツッコむ。
「仕方ないだろ。向こうからやってきたんだから」
確かに、ふてぶてしく答えるも、流石にやり過ぎたとは思っている。
「コレ明日からめちゃくちゃ警戒されるだろ」
「イヤコレ運営のパブリック配信で誰でも見れるから今すぐに警戒されているはずだぞ」
「うへー」
あまりの面倒臭さに減滅したが、それよりも気になることがある。
「コレ遺跡攻略がプレイヤー全体にバレるだろう」
「アーそこに気付きましたか兄弟子」
そこに、同じパーティーメンバーだった梅酒侍Gが割って入る。
「実際何のメリットがあんのか俺もよく分からん」
「松茸もか」
「オイオイ完全初見のキリはともかく、舎弟はなんで知らないんだよ」
「稼ぐだけ稼いでそういうのはあんまり見ていなかったんで」
「松茸、お前マジか」
「ネット最弱の兄弟子に次ぐレベルだろコレ」
それは言い過ぎだろう。
だが、なんとなく分かった。
「確認できる情報が多すぎるっていう問題か?」
「大体正解だな。収集アイテム自体はランダムでも、ダンジョン攻略っていう部分だけでも7日ギリギリになりかねないだけの量があるからな」
マジかー。
「イヤイヤギルドさん7日ギリギリは流石に言い過ぎでしょう。まあ大量にあるのは事実ですけど」
バンが訂正するが、それでも多いのは分かる。
「とりあえずいい感じのアイテムでも探しつつ城にでも行きますか」
「同意だな。あ、お前の猛攻でもう俺しかいないけど、分け前はちゃんとしろよ」
「取ったもん勝ちか揉めるならじゃんけんな」
「ハッ、良いね」
そう返されながら、久々の競争にワクワクしている。
それはそれとして
「イヤなんだよあの動き」
「スキルのエフェクト出てなくね?」
「チートか?でもこのゲームそういうのは結構うるさいしな」
初めの遺跡突入に、参加しなかったプレイヤーたちは、様々な反応を示す。
だが、何よりも
「「「あんな化け物にどう勝つっていうんだ」」」×大多数
それはそう。
羽馬村桐谷に負けた者たちは知らない。
というより、理解していない。
彼は、剣道ではなく剣術の達人であることを。
現実でも、こちらと変わらぬように剣を振るっていることに。
コレ羽馬村桐谷が、現実の戦場で剣を振るっているっていう意味で扱っているんですが
剣術って競技として存在しているっぽいんですよね。
上手く意図がつかめているのか正直心配なのでここで補足。




