カウントダウン10 隠密ミッション:王子と王女を救え
「大変なんじゃあああああああ!」
「どうしたどうした?」
なんかエリシアたちに呼ばれたので、剣の紙片へ赴いたらめちゃくちゃ慌てているエリシアに迎えられた。
「何があったんですかミリナさん」
「簡単に言えば勢力争いです」
あーそういうやつね。
現在。イベントが迫る中で他者を陥れようと勢力争いが発生している。
流石に表沙汰にはできないため、裏で刺客を送ったり、魔物の仕業に見せかけるなどのマイルドに言っても度の過ぎた嫌がらせをするのが主流である。
だが、プレイヤーが現れることで、ソレが激化した。
死んでも生き返る。報酬次第でなんでもやるといった連中が結構いる。
彼らにとっては、この世界はゲームでしかない故に、現実では出来ないことをやろうとするものなのだ。
俺だっていつも以上に暴れている。
「弟と妹ガガガガガ」
「えーエリシア様がパニクっているので私から。昨日、国の兵たちがエリシア様を連れ戻すべくこちらに参ったのですが、ゼーリィン到着前に魔物の襲撃にあった模様。さらに何故か第6王子と第7王女が乗っており、2人とも行方知れずとなってしまったとのことです」
頭抱えるしかないね。王族がMIAって………………………正直過去に経験あるけど、ソレはどうにかしないと
「兵士の方はどうなった?」
「半壊状態です。魔物が去って行ったのち、仮拠点で対策と追跡を行っているようでして、私たちが盗み聞きした者は戦いで逸れて来た兵のようです」
アレコレ極秘?
「コレバレちゃまずいとかある?」
「まあなるべく秘密裏にしていただければと。我々のもとに足がつく可能性はなるべく少ない方がよろしいので」
「あ、吾の弟はジュリウスで妹はナディアじゃ」
うわあいきなり落ち着くな。
にしても、バレないようにと
「ソレならもうちょい変装しておくか」
さてさてどうしたものか
「主様、件の兵たちの駐屯地を発見しました」
「おー俺の方も見えたぞ」
てことでフラウを連れつつ、変装してとりあえずの目的地に到着した。
因みに俺は、マルディール磁回大空洞産の素材で作ってもらったライダースーツの上に和装のような羽織物と顔も覆うタイプのヘルメット。
フラウは、装備を外すとか出来ないので、ポンチョを着せてサングラスをかけさせてソレっぽく変装させた。
そーんで見える範囲(500m先を目視)の情報だが、テント複数に簡素なバリケードを建てている。馬車はボロボロで放置されているが、馬がいないあたり情報伝達の足として生きているか先の魔物との戦いでやられたのだろう。
他には、
「行き来する兵の数や作戦本部の位置を見る限り、ホシは北北東方面にいるようですね」
「だな。うーん…『巨大な遺跡』、『星の獣』、『黒い人型の何か』、『王子と王女が一緒に』………ッチ、もうちょい読唇術を鍛えておくべきだな」
「それだけ読み取れていれば十分かと。察するにホシを探して遺跡を見つけたようですが、星の獣………即ちギャラクシーの特性を持つモンスターが徘徊しており、そこに謎の少女と共に件の二人もいると言うような内容では?」
「一纏めにすればそうだな。ギャラクシー特性のモンスターって宇宙に存在している奴らじゃないか?」
「ええ。本来は宇宙から飛来する者たちですが彼らは大気圏突入の際の圧力等で消えゆきます。そうでないとすれば、ソレに対応できる強力なモンスターやその部下。もしくは今は遺跡となった宇宙船に乗っていた者たちですがある可能性が考えられます」
「そんなところか。まあとりあえずそこを当たって見るとしますか」
さらに移動して、兵士たちが出入りしていた遺跡………というか墜落した宇宙船のようなものを見つけた。
「縦に刺さっていたら絶対面倒なことになっていたな」
「しかしおおよそ21度ほど傾いて埋まった斜面となっているようです。ソレもけっこう埋まっているようなので、本命は下の方にいる可能性があります」
ソレもそうだ。
見えている範囲が坂になっており、艦橋の後半部分だけが露出している。ソレ以外は、全部地中だ。
「じゃあ入っていきますか」
「かしこまりました」
ちょっと長くなりすぎるのでここで区切り




