男二人(+担がれ女性一人)のお話合い
李金龍。
歳が同じだけあって、剣と拳の違いはあれど昔はちょくちょく修行でカチあった仲だったんだけどなぁ。
反抗期が来てからか家出したらしい。
まあ家出だけなら、俺も良くやっていたが、今回は長期すぎるようだ。
「今何やってんの?」
「ゲーム」
………………
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「イヤ冗談だって、港町でバイトして自警団やってバイトしてだ」
「結構フリーに行ってるな」
てか自警団とかやってる割には、話で回ってこないよな?もしかして顔隠してる?
「お前が俺のこと流したのか?」
「イヤなんか昨日だったかSNSでお前のことリークされていたらしくて、いくつかのクランが競合してお前を追跡していやがる」
クソSNSめ!こういうことに関しては早く出回るもんだな!!!
「ちなみに俺のクラン『クラウン・ドロップ』も一枚噛んでいるもんでな」
クソが!
「お前も俺の命をってわけじゃあないんだろ」
「そりゃそうだ。俺の目的はクソババアだ」
俺を狙えば仙女ババアへの手がかりになるだろうしなあ。まあ納得だが。
「今クソババアはログインしているか?」
「しているけどあそこに篭ってなんかやってる(↑)」
「あそこ入る手段とか教えてくんね?」
「暴れそうだからやだ」
「あーそうだな………っと長居してちゃあ面倒だ」
確かに。人混みに紛れて会話しているが、周りに敵の視線が多くなっている。
「済まんエリシア。また少し跳ぶ、てか飛ぶ」
「えソレって」
即座にウィンドウを操作し、ヴァル・ミニオンを呼び出す。
「乗れ!」
「ほう」
飛んできたミニオンをアシに飛んでいった。
「クッソ取り逃した!」
「どうする?」
「団長が知り合いっぽかったからなんとかなるだろうけど」
「とりあえず広められるだけ広めておけ!指名手配は出来ないけど探すことはできる」
「あとどの陣営についているかも確認しておけ!」
「てかアイツほんとに道場破りか?声まで違かったけど」
「打ち合えば分かるが本物だ。おおかた偽造する技術でも持ってんだろ」
「ギイヤアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「バッカ舌噛むぞ」
「お前コッチでも護衛しているとか、もはや職業病だろ!」
ヴァル・ミニオンは人よりデカいが、決して広いわけではない。
ソレ+高所+高速飛行で移動していたものだから、まあ普通の人は絶叫するだろう。
「でーそっちは仙女ババアになんか要か?」
「あるにはあるんだがまずこっちからだ。お前どの陣営だ?」
「コイツ。第一王女陣営だな」
「ウッソだろ!わっっと」
思わず苦笑して落ちそうになるのをなんとか体勢を整えて、尚笑い出した。
「今までにない陣営だな。じゃあ俺らは国王陣営にでも就かせて貰う。クソババアの要件もソレで十分だ」
確かに、戦いたいなら俺らの陣営以外であれば、どこでも良い。ヤツは仙女ババアに負けたコンプレックスで、家出した身だ。
全力で仙女ババアの邪魔ができる場所があるなら、十分であろう。
「じゃあ最早要件はねえが、俺が知っている以上ウチや競合しているクラン全体がお前らを邪魔しにくる。せいぜい足掻け」
「当然だろ。なんせ足掻くってのは」
「『生きとし生けるものの最初で最後の最強の武器』なんだろ。クソ!余計なところまで覚えちまっている」
難儀だねえアイツもw
「あ!もう一つ要件あったわ」
「どしたん?」
「お前なんで女なんだ?」
………………
………………………
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「フグッ!」
「あ、なんか済まん」
「い、イヤちょっとな。女に変えられちまったんだ」
「そんなアイテムが…ソレでも声まで変えられるってのは」
「リアルの技術だよ。魔術ってお前分かるか?」
「あーなるほど。厄介なもんくらっちまったな」
本当にね!
李金龍
元々女性の予定だったけど、この後から増えるキャラのこと考えると、ちょっと男女比が偏るので男性になった。まあ同い年のバカやれる相手ほしかったし結果オーライ。




