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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
3章:海より深き縁
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帰り道はあっさりと


「この(錆)ってなに?」

戦いは終わったが、新たな疑問ができた。


怨泥のアカを倒し、俺が弓(あとついでにミストが籠手、ヒビちゃんが太刀)を手に入れたが全部錆と明記されている。

「それは加工しないと武器として扱えない武器のパターンの1つだね。ちなみに加工したら名前も変わるよ」


なるほど。それにしても俺のところに弓が来るとは、なんとも良い縁だ。

「そろそろ弓も欲しくなってきていたんだよな」

「…?………あぁ」


その意図が読めた子供社長は、少し苦笑した。まあコレに関しては俺だけじゃなく、子供社長も若干関わりあることだし。

「それにしても道場破り、動きに乱れがありましたねw」

「まあオダイカンサマには無いはずのものが今はあるでゴザル故、仕方ないでゴザルよ」

「お前らなあ…ハア」

コレに関しては文句も言えない。


女性アバターになって、本来の肉体とかけ離れた結果、今までのような動きを取りづらくなったというだけなら、まだ慣らすことはできる。


だが、1番の問題は視界に映っている赤い表示、心労の状態異常が大きい。

心労は、リアルの体の精神状態から、プレイするのに適さない程の精神疲労を負っているプレイヤーに付く状態異常だ。

多くは、仕事帰りで疲れに疲れ切った会社員が、無理にプレイすることで支障を起こさないようにするために現れるらしい。


つまるところ、脳の処理が遅れがちになる状態であるため、行動が鈍っているのだ。

それを胸のせいだとか、適当な言い訳しかできていない状況には、文句の1つも言えまい。

「あ、センジュの依頼の提出物どうしよ」


機械系部品を持ってくればいいとは言われていたが、今手に入れたものはその分類ではないらしい。

「ここら辺を探れば何か見つかると思うけどね」

確かにメーニアが、ここにそういうものはあると言っていたので探せば何か見つかるだろうけど。


そんなところに

「報告、コチラにマルディール・シャークが接近中」

ユニークモンスターを倒したせいで、底の方までサメどもが転がってきているらしい。


「すまん。俺はまだ少しここら辺で用事がある。悪いが先に戻ってくれ」

「うん分かった。出入り口で待ってるね」


ということで子供社長含め、他の連中とは一旦分かれたわけだが

「なぜいるミスト」

「オダイカンサマの従者故、パーティー違えど付いていくでゴザル。言い訳が必要でゴザれば荒稼ぎということにするでゴザル」

ソレを聞いて苦笑しつつ


「じゃあお前の運を貸せ」

「了解でゴザル!」

底に向かって走り出した。




2分後


「意外とかからなかったでゴザル」

「探そうとしてとりあえず底まで降りたらサメの衝撃でいい感じのランタンがミストちゃんの頭に降ってきた時は笑ったわ」

「肯定、ミストハイドの幸運は異能の域に達していると思われます」


なんかすぐに見つかって帰る方にしか時間を使わなかった。しかも、帰り際に似たようなランタンがいくつか分けられた坑道の出入り口に見つかったし。

「まあこっちもこっちで色々あったよねー」

「こっちもというかデモンがすごかったというか」

「彼の奮闘には目を見張るものがありましたね」

D-デモン。アイツすげえよ。


ユニークモンスター相手に戦力外通告で離れていたら、こっちに向かっているサメどもがいたので、俺たちが倒しきるまで押し返していたらしい。


俺たちが探索しに行って子供社長達が帰ろうと時にはまだ立っていたらしいが、出血の状態異常でデスしたらしい。

アレに追撃されていたら、流石にあそこまでスムーズには行かなかっただろう。ありがとうD-デモン。

「ではこの後の予定ですが、自分はコレよりD-デモン隊員と合流してB−マジン隊長に報告に行かせてもらいます」

「そっちはよろしくねー。俺はゼーリィンでの用事があるからソレをすませておくよ」

「僕の方は情報の精査かなー。纏めたのは仙女さんに送っておくね」

「私は手に入れた素材の売り込みですわ。そうそうハバキリさんにはコチラを」

そういい、プラチナはウィンドウを操作して、何か入った袋を出す。


「先に確認です。あなた方のクランでここの攻略は問題なくやっていけますの?」

「ああ可能だろう。何よりウチのコロシアムには俺の連れてるミニオンやフラウの戦闘データから、通常のモンスターであれば再現体を召喚するっていうシステムがある。あと1段階アップグレードして環境作りもできるらしい」

なるほど、とプラチナは思案もせずに出した袋を俺に寄越す。


「そちらは契約金としての10億イールですわ。是非万全の状態で挑んで頂けると、お互いにとってもいい結果になるでしょう?」

それはありがたい。軍族艦の設備は、そこらの土地システムとほぼ同じ金の問題がある。


通常は土地を買う必要があるが、そこはカットして、家や各設備の設計キットを購入し、ソレに対応する建材を買うかフィールドで手に入れるなどして、キットに必要数セットすることで、自動的に生成できるというものだ。

例外として、大工系列の職業だとオリジナルでキットなどを作れるが、ソレでも建材は買うなりする必要がある。


軍族艦の場合は、キットを1つでも登録すれば、登録したものであれば量産ができる。

何故かコロシアムは、建材含めて製作可能だったからやってみたけど、今後は非常にお金が必要になってくるのだ。


地上部だけでも広いのに、地下も倍以上あるおかげで下手な街…イヤでかい街2つくらいの建造物の建築費くらいは、使うことになりそうだ。

「ありがとな。一先ずはコロシアムのアップグレードにセンジュの工房、農園や乗り物の整備区画にも金は回せるか」

「今思ったけど、他のみんなは金を出さないの?」

子供社長に割と当然な質問をされたが


「まず、建物欲しいやつは土地を決めてからそいつら間でくじ引きして各々が金を出している。けどみんなで使用する施設や生産関係の施設は俺が一部負担してやるって言っちゃってんだよ」


大見得切っちゃってんだよねー。まあその代わりに、クランのメイン費用は大半が俺持ちになっているけど。

「まあなら次のイベントは当たりかもしれないでゴザル」


そこに割って入るように、ミストが話題を振ってきた。

「確かに、次のイベントはトレジャーハントイベントだと言われていますね」

「待ってください、なんで私たちの知らない情報をあなたたちが知っているんですか!?」

イベントについて知っていたのは、ミストとJJ。


しかし、この情報自体は未だ公開されていないのか、ウィズダム・サイトは知らないらしい。

「確かに、今回のイベントは8月末に予定されていて今年夏の最後のイベントとしか言われていませんよね。なんで知っているのかな?」

8月末のイベントは、確かあと2時間後に発表される予定だったし、聞かなくても情報は手に入るだろう。


だが、そこは情報屋クラン。子供社長が求めるように、こっちの方が情報が手に入りそうなんだろう。

「まあ私の場合はお客様にVLCの社員がいまして、イベント周りの仕事がキツくなってプレイ出来そうにないと愚痴をこぼしていたのですよ」

「ワタシチャンはソレをシノビネットワーク経由で聞いたのでゴザル!」

ソレを聞いて子供社長が、2人の手を取る。


「そういう情報は今後とももらえると嬉しいです」

「イヤアウトだろ」

「お従兄さん。情報戦は取ったもん勝ちですよ」


あかんウチの従弟既に子供からかけ離れていってる。イヤ俺もコレくらいの時は大概か?

「まあ兎も角、今回は一旦解散ということで」

おいおい逃げる気満々じゃないかとは思うが、まあいいだろう。


この後は俺たちも用事あるし、色々な情報処理は仙女ババアに任せた。

俺は俺のやれることをやるだけだから。




てことで解散して、ゼーリィンにてメーニアに依頼された品を出したところ、見事クエスト達成してセンジュは技工士をサブに入れた。ついでに何故か俺たちがユニークモンスターを倒して、手に入れたアイテムについて知っているようで、まずはコレを技工士も用いて生まれ直して見せろと言われた。生まれ直すで合ってるのかソレ?


ついでに色々やって………やってきたのは

「オーウキリ君やってきましたネ」

龍頭の剣である。


D-デモン

お前結構好きなキャラだったよ。

今後の出番はあるか知らんけど。


因みにD-デモンが奮闘していなかった場合、後ろから最大で鉄球が視界を覆いつくすくらいに跳んでくるので、後ろにもタンカーいてくれないと攻略不可能です。

彼防御面薄いビルドのはずなんだけど。

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