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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
3章:海より深き縁
72/120

職業とは


ゼーリィンでの用事を済ませた俺は、マルディール磁回地帯の一角に来ていた。


マルディール磁回地帯のように、モンスターがひっきりなしに出現するエリアでは、等間隔に安全地帯が存在する。

といってもクラン結成時の俺たちの大進行によって、いくつか破壊されたらしいのだがそれは置いといて。


そのうちの幾つかには、マルディール磁回大空洞という広大な地下エリアへと入れる入り口が存在する。

「お待たせしたな。コレで全員かな?」

「待っていたよお従兄さん」

「予想より速いですね道場破り」

なんかソレがあだ名になりそうで怖いんだけど。兎も角集まったのは、ウィズとヒビちゃんに


「あ、オダイカンサマ来たでゴザルね!」

ミストハイドに


「お前も来てたのか」

「ええ。どうせですから、商品になりそうなものを直に観に行こうかと」

まさかのプラチナが参戦していた。


「そんでコチラは」

「自分はマジーン隊長の部下であるS・ダスターであります」

「同じくR・デモンであります。協力するにあたって共に行動できるよう我々もリサーチに同行させてもらうことになりました」

「お勤めご苦労様です」

いえいえと敬礼しつつ軽く流した二人は、マジーンの部下のようだ。ここに送られることからも、二人ともリアルでも彼に信頼されているのだろう。


で、最後にだが

「何であんたがここに?」

「心外ですねえキリ君。未だ開拓されてないエリアというどのプレイヤーにおいても可能性がある場に飛び付けるチャンスなのですよ。良い食材が見つかったら是非私のところに」


JJ マスターだ。どうやら、未知なる地にどんな食材があるのか確かめたくて乗り込んできたらしい。


「よーしじゃあまず、テント張れる奴がテント張って作戦会議だ」

「このゲームパーティーメンバー最大6人までだからね。パーティー分けもしておかないと」

「まずは全員の職業紹介でござるね」

というわけで全員の職業などを紹介して話し合った結果




ハバキリ

メイン職業:至闘の戦練士

サブ職業:なし


ミストハイド

メイン職業:至闘の忍者

サブ職業:レンジャー


ウィズ

メイン職業:ザ・ウィズダム

サブ:渡り人


キョウカ・ルナ

メイン:剣豪

サブ:薬師


D・ダスター

メイン: 聖人

サブ:スカウト


R・デモン

メイン:特大剣士

サブ:狂戦士


プラチナ・レイヤード

メイン:大商人

サブ:金魔道士


JJ マスター

メイン:料理人

サブ:人形師




ウーン皆別々の職業に就いているなあ。

「ダスターとデモンってメインガンナーとかじゃあないんだな」

「いえ、一応団体行動の一環として全員メイン:シューター系職業でサブ:格闘家系職業を取るようにしていたのですが」

「先述の幅を広げる名目で合同訓練以外では別々の職業に切り替えて良いことになっているんです」


へー。このゲーム内じゃあ職業を開放している範囲内で切り替えることもできるが、一度切り替えると元々就いていた職業のレベルが1に戻ってしまうというデメリットがある。


コレを防ぐためには、その時のレベルやステータスの情報を保存しておける『冒険の書』という如何にもな本のアイテムに保存しておく必要がある。転職する際にソレに記された内容に触れることで、その時のレベルとステータスに戻れるという仕組みだ(武具は別)。


ただし、こいつの値段は10万イールという、今となっては初心者にとっては難しくなくともソレなりのお値段だ。しかも、転職後のステータスも扱うことが多くなるためコレを利用するなら最低2冊は買っておくことが普通になっている。


コレ多分軍人の皆さん全員2冊は持っているってことだよ。

「お従兄さんたちも見慣れない職業だね」

「そっちもなんだよザ・ウィズダムって」

「渡り人も気になるでゴザルよ。前までサブに賢者を入れていたはずでゴザル」


なんか入る前に色々相談案件なものが多いな。

「俺とミストがなっているのは至闘士っていう職業だな。龍殺しの称号を手に入れてとある酒場に入ることができたら、そこで起きる試練を通過して初めてなれる職業だ。因みに既存の職業に至天のって付いて特殊なスキルを得られるようになるんだと」

「ココに入る前にとんでもない情報を得ましたね。僕の持つザ・ウィズダムはベーリアンという都市と図書館にある書物を全て読み終えることで起きるクエストをクリアすることでなれる職業ですね。渡り人は1サーバーの都市全てを巡ったのちに、最初に訪れる町のとある場所で手に入る称号を持っているとなれるようになる職業ですね」

「ウィズダムってそんな成り立ちなのか」

「いやいや、都市プラス都市を一個丸ごと入れられるっていう図書館に残っている本を読破して、更にこのサーバー内の都市巡りってどんだけ時間かかるんですか!?」

「というかどっちも隠し上級職じゃないか?」

「隠し…というかアレ正式には()()()()()って言うらしいよ」


どちらも特殊上級職。いやはや子供社長リアルでも仕事あるはずなんだけど。

「てか今更だけど、職業ってどういう区分になってるの?」

「ほんっと今更ですね。チュートリアルとかで説明されているはずですけど」

「ゴメンゴメンヒビちゃん、仙女ババアがチュートリアル無視してても行けるっていうからスルーしてて」

「そういえばオダイカンサマって至闘士なる前は無職状態だったでゴザルよ」

「………ハア、リアルでもゲームでも()()()()()()()()()()のですか」

「その返しはちょっと響く」


「まあまあ」

「しかしながら我々もよく分かっていないのですよね。最上級職になったのは良いですけどあまり強い感じでもないですし」


それならば、と子供社長が向き直る。

「軽く説明すると、職業には下級、上級、最上級の3つと特殊上級という別枠的な職業があります。でコレを特徴別で説明すると」




下級———最初期になれる職業。武器や扱える魔法、スキルの汎用性が高い。たまに例外あり。ものによっては、専用のクエストを受けないと転職できない。

該当:ミストハイドのレンジャー、D・ダスターのスカウト、JJ マスターの料理人と人形師


上級———下級を武器別、魔法やスキルの系統別で尖らせたもの。もしくは別々のそういう要素を複合させたもの。転職できるようにするためには、専用のクエストを受ける必要あり。

該当:キョウカの薬師、プラチナの金魔道士


最上級———上級の更に尖った版。

該当:キョウカの剣豪、D・ダスターの聖人、R・デモンの特大剣士と狂戦士、プラチナの大商人


特殊上級———強力だが、条件もかなり絞られる職業。少なくとも特定の称号を得る必要がある。

該当:ハバキリとミストの至闘士、ウィズのザ・ウィズダムと渡り人




「まあざっとこんなところですね。特殊上級職についてはザ・ウィズダムの時も渡り人の時も称号が手に入りましたし、お従兄さんたちもそんな感じだったんでしょう?」

「まあそうだね」

「付け足しますと、上級だから強いということはありません。一部は順調に強化されていくものですけど、基本的に汎用性を求めて下級職で戦うものもいますから」


なるほどねー。一点集中で強くするか、手数増やせるようにするかの違いか。

「まあこんなところで油売り続けるのも何だし、パーティーの割り振り決める?」

「そういえばオダイカンサマの従えてるヴァル・フラウとかはどうなるでゴザルか?」

「アレなあ俺のパーティーメンバーとして換算されちまうから俺だけで最大4人パーティー完成させられる感じだけども」

「なるほどー。それなら」


〈第1パーティー〉

ハバキリ、ヴァル・フラウ、ヴァル・ミニオン(1)、ヴァル・ミニオン(2)、ウィズ

〈第2パーティー〉

キョウカ、ミスト、D・ダスター、R・デモン、プラチナ、JJ マスター


「あの!?ウィズ様!?どうしてそこで分けられるのですか?」

「戦力差だけど?それにお従兄さんにはセンジュって言うファミリアもいるから実質6人だし」

「まあそれでもそちらが過剰戦力な気もするでゴザルが」

ホントにねー。


てかなんか良い匂いがしているんだけど。

「あ、皆さん。話が長引きそうだったので先にバーガー1人1個分作ってしまったのですけど」

「「「「「いただきまーす」」」」」

「ええっ」

流石にいきなりのノリにヒビちゃんは対応できなかったらしい。


名前いちいち言うのが面倒くさそうなので隠し上位職業から特殊上位職業に変更しました。

まあどちらもプレイヤーたちで言っているだけなので、実はどっちが正解とかはない。


下級職が上級職よりも強くなるパターンはあり得ることで、下級職の黒魔導士は覚えられる魔法の幅が広いが、上級職などよりも強力なものを覚えられないが、同じ魔法を放つならば黒魔導士の方が協力になりがちなので、どの攻勢面の魔導士系職業を扱うプレイヤーなら絶対に通る必要がある。まあ最終的には尖らせた方がDPSを出せるけど。

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