金策前は入念な準備を
サーテ金策をしようと、子供社長の言っていた狩場へと向かう前にいろいろやっておかねばならない問題がある。
まず、今の姿について。
リア…リルネアに変えられたこの姿をどうしようかと思っていたが
「お主いい加減その忌避を治すべきじゃろうから次のイベントまではそのままにしておれ」
………まあ何となく分かってたよ。でもな〜ヤッパリイヤやなあって思うわけよ。
で仙女ババアは答えも聞かずにリルネアを連れてリアと何処かへ行ってしまった。ありゃあなんか面倒くさそうだぞ。
正直自分自身も性転換という概念には慣れる必要がある。過去のトラウマが原因とはいえ、未だに心労の状態異常から抜け出せていないのは流石にやばい。この不安定状態を脱するためにも、何とかしなくては。
ついでにここで言われたイベントだが、夏の終わり頃に行われるという大々的なトレジャーハントイベントのことだろう。今はまだ詳細が語られていない所だが、過去の同様のイベントでは、いくつかの陣営に分かれてその手に入れたお宝の量によって、報酬がもらえるというものだ。基本的にクラン合同で1つの陣営に入るため、俺たちもそうなるだろう。
次の問題だが、センジュが技工士をサブ職業に入れたいと言いはじめたことだ。
技工士とは、鍛治師と同じ生産系の職業のことで、機械的なアイテムの生産を可能にしている。そして技工士と鍛治師の技術を組み合わせることで、〈チューンアップ〉カテゴリの武器を作れるようになるらしい。
基本的にこのカテゴリで作れるのでは、銃などが有名だが、シロガネ商会に見せたヴァル・フロイア産の武器が全てそのカテゴリで、性能も良かっただけに、火がついてしまったらしい。
そこで狩場に行く前に、ゼーリィンにある技工士ギルドへ行って転職条件を満たすためのクエストを受けに来た。
「今更ながら内部はまっ金金じゃないんだな」
「確かにねー」
外観は、何が面白いのか分からないくらいまっ金金なこの都市でも、内部は他と似ている。いやまあ入り口ナチュラルに自動ドアだったり、エスカレーターやエレベーターがあったりと驚く部分は大いにあるのだが。
兎も角、受付で要件を話して技工士への加入条件を解説してくれる人へ案内してくれるとのことだ。
「てことで私が君に技工士の術を教えてやることになったメーニアだよーん」
現れたのが羊の着ぐるみを着た恐らく少女なのには驚かされた。
「いやあ俺じゃなくて教えを請うているのはこちらのセンジュの方でして」
「よ、よろしく…です」
オイオイセンジュも驚いてるよ。
まあこの人がプレイヤーなら良かったんだけど、生憎彼女NPCなんだよね。
大丈夫?その姿で機械造りできる?とは言わないでおこう(センジュもゴスロリ衣装だし)。
「オッケー。ではでは技工士になれる条件だけどもーん」
ゴクリとセンジュが唾を飲むが、相手の姿でなかなか心配になれない。
「簡単といえば簡単だけど、ダンジョンとかで機械系パーツとかアイテムとかを見つけてくるってところかなーん」
「え?何でそんなことを?」
確かに、生産職はそれぞれの生産職にあったアイテムの回収を命じられることがほとんどだが、これは少し毛色が違う。
機械系のアイテムであることは確かだが、他と違って場所の指定がなさすぎる。
「イヤー確かに鉱石とか宝石とかを取ってきてっていうべきなんだろうけどねーん。そういうのばかりも何だしいっそのことどういうアイテムをどこで手に入れたっての方が重要かなって思ってねーん。さあさあやってもらう以上善は急げなのだよーん」
『クエスト:技工士のためのおつかいを受けますか?』
アレコレ俺の方に出てない?
「ああ、技工士になりたいのはそちらのホビットちゃんでもーん、一応お仲間である君にも受けてもらっておきたいのよねーん」
「ほらほらハバキリ早くやっちゃって!」
なーるほどね。コレセンジュがファミリア、ひいてはNPCだからクエストっていうシステムの上では受けられないのか。そのために今俺が巻き込まれていると。
そういうことなら受けよう。
「ああそれと1つ注意点になるけどーん、ゼーリィン含めた都市内とかで手に入れたアイテムは容認できないよーん。もしやったら盗品や器物損壊の可能性ありと見てムショ送りだよーん」
「まあそうだろうけど、判別できるのか?」
できるよーんって返されたから問題はないだろう。
ああそれと最後にちょっとヒントだけ貰っとこう。
「すみませんメーニアさん。ヒントもらっても良いですか?」
「流石に情報なしも可哀想だし良いよーん。ただし私の答えられる範囲ねーん」
おっし言質取った。
「俺たちこの後の予定でマルディール磁回地帯の地下へ行こうと思っているんですけど、何かありますかね?」
その言葉を聞くと、メーニアの動きが止まる。
「なるほどあそこかねーん。まああるにはあるよーん」
「ホント!?ヨシ俄然やる気が湧いてきたよ!」
「でもねーん」
目を輝かせたセンジュとは裏腹に、冷たい雰囲気を醸し出しはじめたメーニアが言う。
「あそこから出て来れた人間はまともにいないんだよーん」
「知ってる。だから攻略しに行こうとしているんだ」
分かってたのねーんと軽口を吐きながらも、顔色(実際は着ぐるみのだけど)を一つ変えずに
「ならアドバイスだけど、吹き溜まりが溢れたら底に何かあるんだよーん。まあ当然のことだけど」
てことで次回
金策開始………には多分ならない。もう一個なんか挟む
あとセンジュがサブ職業に技工士を入れることになるけど、ハバキリは未だサブ職業が空欄のままです
何になるかはまたいつか




