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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
3章:海より深き縁
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過去の因縁


「うわあああああ!!!」

慌てて飛び起きた俺は、胸をさする。


何もない。腕も、いつもの大きさだ。ココがゲームでなくリアルである事を再確認して、項垂れる。

「向こうの俺は()にされちまったのか」


ため息を吐きつつ、水でも飲もうかと台所に行こうとすると。

「オダイカンサマ!大丈夫でゴザルか?」


ステラが飛び込んできた。

「何だ。ログアウトしてきたのか」

「オダイカンサマの安全第一でゴザルゆえ」

「ソレだと襲われている時点でアウトじゃないか?」


ううぅ、と悶絶しているステラの頭を撫で、台所に行く。

「あの反転者(アルター)とか言う魔女は何者でゴザルか?」

「本名はリアネル・リンベル………はお前も知ってることか。でもまあただやり合うだけなら結構クソ雑魚な魔女なんだけどね」

「そうなんでゴザルか?」

「そのはずだったんだけど、見ないうちに気配を別方向に飛ばす術を身につけていやがった。そんな術もあんのかよ魔術って」

「あのー不躾にゴザルが、あの魔女に何があったでゴザル?」


あー。正直言ってトラウマだから話したくない。まあでも言っておこうとリビングのソファに腰掛ける。

「確か7歳か8歳の頃だったな」


仙女ババアに連れられ、修行の一環としてとある魔女を捕まえると言う依頼を受けイギリスに行っていた。その時相対したのが、当時魔女界隈でブラックリストに載っていたと言う魔女。通称『反転者』と呼ばれていたリアネルである。


罠を掻い潜って斬りかかったのだが、男女の違い以前に大人と子供。上手く守りを固められ、力づくで拘束された。


そんで女に変えられた。なんでも、生命体の構成情報を書き換えることが出来る魔術が使えるらしく、性転換という術を触れただけで可能なレベルまで簡略化しているらしい。


子供だとしても、骨格の変化が少なからず起きていたためにバランスを崩し、突っ伏していたところに気味の悪い笑みを見せて手を出そうとしていれば、子供にとっては流石に恐怖するしかなかった。

「でいろいろされる前に仙女ババアが助けに来て何とかなったんだが、性転換した時の無力感を覚えているせいで、今でもトラウマなのよな」


「いろいろって何されたでゴザル?」

「お前にはまだ早い」


イヤそろそろ知っても良い頃でもありそうだが、面倒なことになりそうなので、黙っておく。

「あ、仙女サマからの連絡でゴザル」


ん?なになに?

『反転者を連れてウィズダム・サイトのクランハウスに今おる。来れそうであれば来い』


マジかー。まあアイツを手放すのもヤバいしな。

「仕方ない。行くか」

「え、良いんでゴザル?」


本当に仕方ない。だって俺いないと進まねえし。

「ゲーム内じゃあリアルと性別入れ替えるのは当たり前だしな。本格的に慣れねえと後々支障をきたす」

「そうであれば分かったでゴザル」


納得して自分の部屋に戻ったステラを確認してから自分の部屋に戻る。

「仮にも従者に心配させすぎるのもな」


覚悟は完了。その前に汗を拭いて

「はああああああああああああああああああ…いざ参らん」




ログインしたらもう後戻りできない。

絶対後悔するような現実が待っているだろう。


けど振り向かない。あの時何があったっけ?って思い出しそうだから振り向かない。

「やっぱこえぇ」


ログインした瞬間重心が違うんだもん。

特に胸!明らかに膨らみを感じる。

「あ、ハバキリ戻………って何じゃそりゃぁ!」

「どうやら先ほどの者に女性にされたようですね。ですが艦長服は男女両用装備。性別が変化してもそれに合わせて衣装が変化できますので安全でしょう」


ウーンそういうことじゃないんだが

「アー大丈夫デスカ?ハバキリ君?チャン?」

「そういうところに悔やまれても困るんだがA2………あ?」


うっわ声帯まで変わっていやがる。A2なんてスレンダーボディーの女性アバターなのにゴリゴリのオッサンボイスやぞ。

「なんか鏡とか反射するものある?」

「じゃあこれ貸そっか?」


まさかの1番驚いていたセンジュが、鏡を手渡す。

「お前1番驚いてなかったか?」

「周りが普通すぎて一周回って落ち着いちゃったよ」

そうですかい。


とりあえず鏡で見るが、ちゃんと骨格が女のそれになっている。

首周りもスラッとしているし、何より全体的に少し細身になっている。

「はあー耐えろーまだ赤表示残ってんぞー」

「迎えにイケと仙女サマに言いツケられマシタが、マサカ反転者が来ているトハ」

ありがとなーA2。


けどログインした以上サッサと立ち直る。

「しゃーねーから行くぞ」

「行けマスカ」

「どっちにせよ俺が行かねーと進まねえもんがあんだよ」


もう後悔するつもりはないと立ち上がり、心配そうにしていた2人を連れて目的地まで走り出す。


ヤッベ胸が弾む。邪魔!


ハバキリ君これからしばらく心労表示されっぱなしになっています。

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