トラウマ再び
申し訳ない
下書き用のメモが開けなくて難航していました
さーて走り出してますよ。
「クッソ近くまで降ろせないのかよ!」
「申し訳ありません艦長。我らは安全上の都合により都市上空の飛行を禁じておりますゆえ、頑張って走る他ないのです」
クソが。そこらへんしっかりしてるんかい。
現在、俺たちはウィズダム・サイトとのクラン同盟のために向こうのクランハウスへ赴いている最中だ。
コチラのクランハウスは、はるか上空に位置するヴァル・フロイアの中で、そこに行くためには、ヴァル・フロイア討伐報酬のキーか、マスターキーから発行されるパスポートが必要なのだが、今回同盟予定のウィズダム・サイトには発行していない。
そのため、集会は向こうのクランハウスで行うことになり、ついでにコチラの艦に招待できるように俺がパスポートを発行するため、絶対参加となったが
「バーゲンセールで遅れたんだよなぁ」
あのスーパー品物が良過ぎてバーゲンセールになると周りの主婦の方々の戦闘力が2倍………いや少なくとも10倍くらいにはなってる。
もしや物価の高い土地に住んでいる主婦って、それだけで戦闘力が上がるようになっているのか?まだまだ修行が足りんな。
「艦長。集合時間の15時までこのままのスペースで行けば少し余裕ができるくらいの時間に着きそうですが」
「なら歩きアンド道なりに進んでいたら遅刻確定じゃねーか。屋根飛び越えんのが最適解だったってk………っ!!?」
コレは………この感じは!?
初めてじゃない悪寒だ。
イヤ覚えている。
忘れたくても忘れられないトラウマ。
「〜〜〜〜〜!」
悪寒のする方向にペナルティなんて無視した斬撃を振るうが、そこには何もなく、別方向から触れられた。
「やっぱり振り向いたね☆君も強くなっているだろうし気配を別方向に飛ばす術を身につけておいて正解だったよぉ〜♡」
どこか子供っぽく、それでいて妖艶な声。
この声にも聞き覚えがある。悪意と快楽で子供に手を出すヤバいヤツだと。
対応しようにも、もう遅い。もう触れられている。
「が、あああああああああああ!!!」
体勢を崩し、屋根から転げ落ちた。だがそんな事で減ったHPよりも今やられたことの方が大きい。
「ちょっ、ちょっとハバキリ!?」
「艦長!」
触れられた部分から体が熱くなる感覚を覚える。このゲーム、痛覚抑制があるらしいがそれが発動していないのではないかと思うくらいに、痛みというより辛さと苦しさに襲われる。
「ん?ああそうか☆君も成長しているカラネ☆その分成長痛的な感覚が襲って来ているのか☆」
と呑気に喋っている相手。
赤い画面越し(状態異常:心労の警告画面)に見える、白とピンクの古典的な魔女のような衣装の女プレイヤー。
その女の歪んだ笑みに何とか立ち上がり、一撃お見舞いしようとするが
「くっ、」
「おっとアブナイ☆ソレにしてもぉ〜意外と大きくなったモンだねぇ♡」
体の重心が変わっている。よく見なくても胸がデカく腕が少し細い。しかも目線も若干低くなっている。
「童ぁ!!!」
「オダイカンサマ!!!」
誰かが来た時点で、直ぐに強制ログアウトが発生した。
「アッレレ〜?消えちゃった☆触りたかったんだけどなぁ☆もう皆いちいちちょっかいかけるのはダメでしょう☆」
「たわけが」
ハバキリが強制ログアウトしたタイミング。
異変を感じて飛んできた仙凛とミストハイドが眼にする相手は
「反転者………否、ココではリルネアと呼ぶべきか」
「本名もじっただけにゴザルね」
「イヤン♡私のこと見過ぎですよぉ☆」
イヤイヤ頭の上にガッツリ書いてありますよとガヤの誰かが言ったか、リルネアと呼ばれたプレイヤーは
「余計なことは言わないのぉ〜☆」
口走ったプレイヤーをナイフで刺し殺………そうとしたが仙凛によって阻まれた。
「あぁやっぱり仙女さんがいるとぉ〜切り落としにくいですぅ☆」
「ミストや。さっさとログアウトせい」
「承知でゴザル!」
敬礼のポーズからスタッと消えたミストハイドを尻目にしリルネアに向き直る。
「さて、このあと集会があるのじゃが、消えられても面倒じゃから着いてきてもらおうかのう」
「フッフーン☆良いですとも☆私だってぇ仙女さんに提案があるのですよぉ☆」
「何じゃと?」
「気にいるかは知りませんけどぉ、悪くないとは思いますよぉ☆」
というわけでナにかされたようだのハバキリ君
問題は相手が使った技は両方とも現実の技
特に察せられているかもですけど触れる方の技はハバキリのトラウマにかかわっています




