群れなす龍を穿て9
「フッハ皆サン消耗シテいますカラワタシが前に出るベキですね!」
相手の周りを360°行ったり来たりして攻撃を避けながら、左手に持った銃を撃ち込むが
「アア、弾切れデスネ」
さっきのフラウとの戦いで消耗しすぎたせいで弾切れとなった銃をしまい、大鉈を振るうが
「何っ!!?」
頭の一部が外れ、突っ込んできた。
「えっ、モシカシテコッチが本体デスか?」
目の前に突っ込んできた人間大の相手は、爪を重ねて突っ込んできた。
「マサカこんな形態がアルとは」
突っ込んできた後ろ、切り離された巨体の方も掴みかかるように襲いかかって来た。
「本体ガ離れたセイか少し動キガ鈍いデスね」
複数の猛攻を捌きながら思考を巡らせ、隙を探す。
こと呪術の世界では、それが当たり前だった。
呪術の世界では常に実戦が伴う都合上、基礎的なもので動きを分析するという能力が身につく。
一々そんなことをしていれば、あの仙女にはまず勝てないが、それでもこれほどの相手の隙を見破るのは、造作もない。
「斥力運動・集束・発破」
大振りになる攻撃を避け、膝裏に指先に溜めた呪力を放つ。
そして体勢を崩した隙を見逃さず、斬撃を加え続ける。
そうすると斬られた衝撃に逆らうように、変形しA2の方に飛び込む。
「マサカ!?」
A2の後ろには、コチラに襲いかかっている巨体が今も押し寄せている。
ならば
「マタ元に戻ロウと」
姿勢の都合で、攻撃を加えられないまま合体を許してしまった。
そしてすかさず旋回してA2に狙いを付けられた。
「マズ「スイッチ」
瞬間、目の前の巨体………ヴァルフロイア・コアが突っ伏した。
「オイオイA2、いいとこ取りしてんじゃあねえだろうな?」
「マッタク、充分時間稼ぎデキタでしょう」
「まあそれもそうだなー」
「言ってる場合か!!」
そこにハバキリ狙いで振り翳した爪を松茸王がパリィで防いだ。
「もう少し時間を稼げ、行けるか?」
「俺は問題ないっすよ」
「ワタシも問題アリマセンが、ハバキリサン武器がナイでしょう?」
「コレがある」
「ナルホド」
言いながら、何時ぞやにミストハイドから貰った籠手武器を装備する。
「来るぞ!」
松茸王の声と共に、複数のミサイルが飛んできたのを散り散りに避けて行った。
コレハバキリ達はコアが分離してA2に襲い掛かった部分から見ている。
あとハバキリスイッチの使い方分かっているんだろうか




