群れなす龍を穿て1
暫く戦い続けながら前進していると、浮島の方に動きが出る。
「あ、なんかデカイのが飛んできてる」
浮島の頂上部分。
そこから遠目に見ても他と明らかに大きさの違う個体が2体飛び立った。
「長いやつとデカいやつか」
片方は、ミニオン5体くらいが細長くくっ付いた東洋の龍のような見た目で、もう片方は全体的に3倍くらい肥大化してその上から更に着込んだずんぐりむっくりしたような………それよりもその着込んだ部分が光って
「アレ砲身っぽいやつコッチ狙ってね?」
「イヤ避けましょうよ!」
砲弾がコチラに飛んできた。それも俺たち以外も狙っている。
てか1番前の仙女ババアが本格的に狙われているなあ。
でもう一体の方は、
「ヤッベもう目の前じゃん!」
俺に向かって口を開けていた。
「フンッ!」
対抗するように、縦に回転斬りを掛けて受け流しつつ上に乗る。
「サンキュー、ちょうどスキルが切れるところだったんだ」
少し休憩とか頭をよぎったが、抵抗するように体をくねらせ、コチラに首を曲げ口を開ける。
「お前ビームできるんかい!」
軽く飛び上がり、頭に着地する。
「兄弟子危ない!」
落ち着け梅酒君、尻尾部分からの追尾性ミサイルだろう。こっち狙っているが、
「見えていれば斬れ…」
「《ビックバン・シールドバッシュ》!」
ミサイルの群れを大きな盾のようなものが、横から轢くように破壊した。
「あ、なんか………すみません」
「松茸ぇ!タンクヒーラーらしい良いスキル持ってんなあ!」
上手くやればでけえジャンプ台になるじゃねえか。
そうこうしていると、龍の体に何かが刺さる。
そしてそこに煙のエフェクトを発生させてミストが出て来た。
「《文月・流転》でひとっ飛びでゴザル!」
「私が打った刀と同じ性質してんじゃねえか!」
おっとセンジュがツッコミに入ったぞ。
「イヤあの刀に比べたら数出せるだけでまだハバキリの刀の方が性能いいと思うよ」
ついでにミストと同じパーティーのレアや何人かの仙女ババアの門下生が後から来た。
「まあこれだけいれば問題ないか」
「そうでゴザルね!」
言いながら思い切り踏み込むように、龍の頭を同時に蹴る。
ソレを皮切りにそれぞれが攻撃を仕掛けるが落ちる気配がない。
「クッソさっきの奴らならともかく、こいつボス個体だな。硬え」
「ウーンそうでゴザルねえ………そうだ!」
お、ミストがなんか思いついたらしいが
「オダイカンサマ達、ココはワタシチャン達に任せてお先に行くでゴザルよ!」
「ソレ死亡フラグー」
まあ真面目な話、大元は浮島だしそっちに何人か送るべきだよね。
「じゃあ遠慮なく、松茸、バン、梅酒、サッサと行くぞ!」
「待って兄弟子、せめてバンブーって言ってくださいよ。なんか仲間ハズレ感ある」
知るかそんなもん。とりあえず通り際にいる仙女ババアに向かって
「おっ先ー」
「………任せたぞ童ら」
少し言いたげっだったようだが、任せられた。
「じゃ、やるしかないな」
そこらのミニオンに乗って浮島までレッツゴー。
刀いちいち投げて扱うワープ系スキルに対して一回で壊れるけど投げたナイフでワープする技。
はっきり言って後者の方が有能なように見えるけど、何回でも使えるしリキャストタイムもかなり低いという一長一短なものなのです。
いやまあユニーク武器なので結構強いですけど。




