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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
序章:剣士と仮想世界
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開発者の正体


「このゲームは()()()()()()()()?」


バトルの後、仙女ババアに連れられて来た穴場らしい喫茶店でいきなり言われた。

「そうとしか思えんのじゃ。このゲームの制作者はペンネームで名乗っておるらしいがのう。じゃがコレを作れるとしたらあのバカ弟子しかおらんて」

「バカ弟子ってどのバカ弟子よ」


仙女ババアの言うバカ弟子とは、所謂生み出せる天才と言われる連中だ。俺のじいちゃんもそれにあたるが、俺はその領域にはいない。


「そうじゃそうじゃバカ弟子結講いたのう。今のは「流星院(りゅうせいいん)芽衣(めい)」のことじゃ」

「うちの界隈で弟子入りとかして見るだけ見て出て行ってるよくわかんねーやつじゃん」


流星院芽衣、いつ頃か剣術を知りたいと言ってうちの道場に上がり込んだり、仙気術を知りたいと仙女ババアのところへ行ったりしていた財閥のお嬢様だ。イマイチ行動がよくわからなかったが、行動力と金にものを言わせて世界中の技術を見て回ったとか。しかも本人としては、プログラミングや機械いじりが得意のはずだ。


「いやでもあいつなら作れてもおかしくはないか」

「アヤツは儂らの技術を念入りにメモしておったからのう。そういやアヤツ、儂らの周りでロケット実験とかしておったじゃろう」

「ああなんか暇つぶしとか言って作ってたやつか。仙女ババアのとこでもやってたのね」

「それに()()()()()()()乗せて飛ばしてたらしいのじゃ」

「は?」


イヤイヤ人工衛星って分かってるのか?少なくとも、俺らの前で作ってたロケットじゃあ人工衛星なんて飛ばせないくらい小さいだろう。


「おそらくおぬし、儂らの前で披露したロケットでは人工衛星なぞ飛ばせんと思ったじゃろう。じゃがやつはそれを可能にするだけの技術を持っておった」

「マジかよ。てかなんで今更その話を?」

「気になってちょっとハッカーに調べさせたのじゃが、あれらは全てこのゲームの情報伝達に使われておるようでのう。おかげで全世界でもラグなく動かせるようになっておるのじゃ!」

「ちょっと楽しんでる?」

「まあそうじゃな。思いっきり動けるというだけでも十分良いもんじゃよ」


立ち上がり気味にはしゃいでいるのを見るに相当だな。そりゃあ現実じゃあ思いきって力を振るえる場所なんて戦場しかなかったし。


「それと、アヤツにいつでも会えるように今は日本に居を構えることにしたがのう」

「本気かよ。あんたが下手に本拠地変える意味分かってんの?」


この女、強すぎることもあって政府が監視していた時期もあったらしい。今は普通に仕事していたり、要人の別荘地として扱われている土地一体の所有者ということになっていたりと上層部とのコネが結構あるくらいだ。そんなことで心配する俺の言葉に問題ないと指を振って


「針治療の仕事であればもう孫に後を継がせておる。別荘地の方は弟子たちが基本的な警護を行なっておる故今のとこは問題もなかろう」

と軽く言った。


「まあなんであれ馬鹿弟子の挑戦状とあれば受けようじゃないか」

「ああ、あいつの挑戦とか正直面白そうだしな」


ウンウンと頷く仙女ババアを尻目にして…ふと思ったのだが


「そういや仙女ババアのその髪ってどうなってるんだ?」


今更だが、仙女ババアの髪の色はキャラクターメイキングでは出せない色合いとなっている。赤と青のツートンカラーにするというのは可能だが、燃えるように外側が赤く黄色みを帯びてから青白いカラーリングにするのは、少なくとも初期段階では不可能だ。


「ああこれか。これは今目につけておるというか頭装備の「心眼朱雀」という装備の効果での、回復したMP以上の分を保持して置けるのじゃ」

「それユニーク関連?」

「ああそうじゃ」


結構あっさり応えられた。さらに続けざまに


「ただのユニークモンスターではなく「四神演戯」と銘打たれておる()()()()()()()()()()()()()()()のものじゃ。」


シリーズ系、つまりこの世界内で最強クラスの敵を彼女は倒しているのだ。それも多分ソロで


「名前からしてもその朱雀に当たるモンスターを倒したと」

「イヤ、全てじゃ」

「は?」

「シリーズ系ユニークモンスターを1()()()()()のじゃが」


ああこれマジのヤツだ。仙女ババアがキョトンとした真顔で言うことは大体マジなのだ


「てことは他にも青龍や白虎、玄武にちなんだアイテム持ってるの⁉︎」

「イヤ四神を倒すと最後に「封神幻獣」というやつが出てきおったから計5体倒したぞ」


うわーこの人何やってんの?ていうかさっきの飛び入り連中にユニーク独占で恨んでるやつとかもいたんじゃねーのか。


「あ、なんやかんやでもう4時か」

「なんじゃあ?突然に」

「いやスーパー行って夕飯の準備に取り掛かろうかと」

「そうじゃったか。では夕食が終わり次第レベリングと行こうかのう」

「ああそっちも自炊してる感じか」

「まあそんなところじゃなー」


なんか含みを感じているがまあ良い。俺はメニュー画面を開き、ログアウトを行おうとしたが


〈ログアウトするには宿などのベッドで寝てください〉


は?


「イヤプレイ中の者たちと被らんようにするための措置じゃよ。宿屋は案内してやるからはよう来い」


冷静に考えればそうなったら危ないわな。


そして宿に泊まって現実で目を覚ます。宿も、プレイヤーが泊まってる部屋には入れなくなっていたりと接触事故とか考えてあるんだな。ではではと、テーブルの上にさっき手に入れた近所のスーパーのチラシを持って外に出ようとすると


「ああ童よ、儂スシ食べたいのじゃが」

「はああああああああああ!!?」


一室の扉からさっきまでゲーム内で話していたはずの仙女ババアが出てきた。


多分今後語られる可能性がないと思うので

シリーズ系ユニークモンスター「四神演戯」のモンスターたちについて紹介

まあそんなに考えていないので適当な情報しかないけど。


「破城白虎」

城並みの大きさの建造物を破壊できる振動波を手足と口から発生することができる人の3倍くらいのサイズのある虎。


「飛天朱雀」

めっちゃ高所を飛んで敵を狙って突撃や火を噴いて攻撃してくるモンスター。体から炎が出ているが、これ自体は保持しているMP量によって燃えているもので、MPがあるうちはプレイヤーに近づいて攻撃するが、MPがなくなると炎が消えて黒いガリガリの見た目になる。この状態になると高空に飛んで行って日光浴という名のMP補充とついでにHP回復を行う。多分このシリーズ内で一番面倒な相手。


「流刃青龍」

雷の流れ道を作り、斬撃を飛ばしてくる龍。雷によるスタンからの斬撃がウザい。


「辻斬玄武」

ネーミングおかしいと思った人、ご安心ください。こいつカメの甲羅の端っこ部分が、かなり鋭利なのと超回転+ホバリングでプレイヤーに突撃することで、上半身と下半身をおさらばにするという感じ。しかも超耐久と超体力なので、面倒くさいくらい時間がかかる。


「封神幻獣」

見た目?多分鬼みたいな感じ。てか厳密な正体が定まっていない感じであり、相手の戦闘意欲によって姿が決まる。そんで基本的に四神の技を扱うほかに、地盤を浮遊させて相手にぶつけたり、霞を操ってプレイヤーを縛り付けたり地面にたたきつけるなどの技を放つ。


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