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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
2章:集いし戦士と龍の群
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黒き血を打ち落とせ


「って全員散れ!」


一気に滑空してきた鳥を避ける。だが

「うわあっ!」

突っ込んだ拍子に熱風が飛んできて近づきにくい。風圧+スリップダメージのコンボとかお前絶対嫌われるぞ。(実際嫌われている模様)


しかも、ただでさえ空中にいるせいで、接近戦が難しい!こちとら純近接武器しか持ってないんだよ!

「仕方ねえ。落としに行くか」

「え?ハバキリさんあそこまで行く方法あるんですか?」

「今持ってる刀にワープ系のスキル付いてる」

「え?じゃあワタシチャンの手裏剣も」

「ゴメンそっちは投げたら武器が複数分展開されるスキルになった」

ああじゃあミストはただ投げるだけであそこまで手が届かないか。


他に直に行けそうなのは、レアは行けるけども接近戦での攻撃にあまり期待できそうにない遠距離アタッカーだし、そうなると

「A2!あそこまで届くか?」

「ノープロブレム!見えてるナラどこでも効果範囲サ」

ありがたい!俺はA2を指名するぜ。


斥力行動(レプリッション)開始(オン)

そう言うと真っ直ぐ上空目掛けて飛んで行った。

引力運動(アトラクション)対象指定(ロック)開始(オン)


彼が行っているのは、引力と斥力の操作。

呪術師の家系である彼は、物と物の間に存在している引力と斥力の大きさを自由に設定できる。

今使用したのは、空中などの移動に使うもので、まず地面に対して発生する斥力を大きくし、重力に引っ張られないようにする。浮くのに近いが、初めは発動した勢いで上空に飛んで行く。次に発動したのは、対象物をマークしてそこに引っ張られるように引力を大きくした。ある程度は、体を捻って旋回できるらしいが基本的に対象が動かない限りは直線運動になる。


「じゃあこっちも行くか」

左手に持っていた踏覇を右手に持ち替え、思いきりぶん投げる。

そして《次元交換(チェインシフト)》を発動し、鳥のすぐ上のところに転移する。


同じタイミングで、A2もすぐそばまで着いた。

「二刀流・大回甕雷(タイカイミカズチ)

引斥混合(リバーシブル)発破(ブラスト)!」


轟音爆音。

2つの音に叩きつけられたbbロックバードが勢いよく落ちる。


「おおーーーーー!!!」×大多数


そして攻撃した2人はあまりの熱に燃えながら落ちた。

「「あっつぅーー!!!」」

「このゲームのポーションが液体で良かったですね。ハイ鎮火鎮火」

落ちて来たところに、松茸王がポーションを投げつけた。それにより回復&鎮火完了。


「叩けるやつはドンドンぶっ込めーーー!」

「火力バフドンドン振れ!!!」

「バッカそれ重複しちゃうやつ!」

「役割分担適切にーーー!」

このモンスターって落ちたらダウン扱いなのか。全員一気に飛びかかっているけど。


しかし、相手は腐ってもレイドモンスター。すぐに起き上がり、口から黒い液体を吐き飛ばす。


「ヤッッッバ!全員撤退撤退!」

わあああと皆が液体を避けて鳥から離れると、あたりに散らばった液体、否、重油が爆発した。


「何あのナパーム自分も巻き込んでね?」

「アイツ炎無効っぽいんですよね」

まあ通常生物だったら自然発火するレベルの熱量を放出してるっぽいしな。


「ニシテモ厄介デスネ〜。ミンナ対策とかせずに突っ走ッテましたカラ、対策装備マトモに着れてマセンネ」

「ウーンみんなバカ」


しかしホントにマズイな。

たまたま耐性ある装備をしてるヤツもいるだろうが、いかんせん決定打に欠ける。


「燃えるのも熱も面倒だけど行くか」

耐性云々?そんなの関係ない。すぐにHP0になるわけでないのなら問題ない。

「あの兄弟子、体力忘れて突っ走りすぎないでくださいね?」

「わかってるって」

流石に顔に出ていたか。


空に羽ばたいたロックバードが、頭を上げると同時に、喉が赤く光り出す。

「マズい!()()()()()が来るぞ!!!」

「逃げろ逃げろ!」

多分着弾したら爆発するタイプのブレスなのだろう攻撃を放とうとしているが、あからさまに怪しい部分があるもんだ。


「A2、俺を()()()!」

「OK!キャッチアンドリリース!」

A2の方に引っ張られるような感覚のあと、思いっきりぶっ飛ばされる。


流石の狙いだ。ロックバードの頭まですぐさま近づく。

「さあ、喉元晒せ!」


先ほどの攻撃で相手の硬さは理解できた。ならば、次こそ斬るくらいの意気で掛かる。そういう心持ちと技術さえあれば、どんな鈍であろうとも、例え手刀であっても丸太を斬ることさえ可能にするものだ。


「二刀流・大回甕雷・改め!」

本来軸が無く威力を発揮するのに乏しい空中で、回転を以て威力を発揮する技。だが、さっきと同じでは斬れない。


ならば


二刀を平行に全くの同時に同じ威力をぶつけられるように。


回転を掛けつつ体の中の血の巡りを、筋肉の弛緩をコントロールして別の技を合わせる。


そして相手の構造を見て斬れる道筋を

「捕えた」


右方向から左上、鳥のくせに羽毛ではないゴツゴツした肌露出させやがって、お陰で良い感じの亀裂に刃を通せる。


大回甕雷(タイカイミカズチ)断境(ダンキョウ)




瞬間大爆発が起こる。


喉を斬られ、体内に溜めたエネルギーが吹き出したロックバードにより、本来地面に向けて放つはずだった威力を一身に受けた。


ただ1人を巻き添えにして

「ハバキリ!?」

「オダイカンサマ!」

戦闘前に松茸王に避難させられたセンジュとミストハイドが驚きの声を上げる。


「アレ本来ガンナーや魔法使いの攻撃すべしタイミングなんですよね。ノリに乗ってしまいマシタけど大丈夫でしょうか」

「回収しといたよ」

「うへー」

そんな心配を他所に、A2達の呟きの合間に、ハバキリを掴んだ大鷲が降りて来た。


「行けると思いはしたけど、まさかあそこまで大爆発するとは」

「突っ込んで行ったんで頭沸いたのかと思いましたよ兄弟子」

「あ、オダイカンサマ生きてたでゴザル」

「一応受け身取るつもりだったんだけどね」

そんなこんな言ってると朝日が登って来た。


「ヤッベだんだん気温上昇して来た」

「オイオイ早く倒せ!取り返しのつかないことになるぞ!」


朝日が昇り切った頃には、ブラックブラッドロックバードを倒すことができた。


〈レイドモンスター:ブラックブラッドロックバード討伐完了〉

〈参加した全てのプレイヤーはアイテム:BBの外殻を手に入れました〉

〈条件を満たしたプレイヤーはアイテム:BBの昇核を手に入れました〉

〈条件を満たしたプレイヤーはアイテム:BBの羽毛殻を手に入れました〉

〈称号:ファーストレイドを獲得しました〉

〈称号:団体戦の勝鬨を獲得しました〉

〈称号:お前、頭大丈夫?を獲得しました〉


なんだこのチョットツッコミどころのあるリザルト。


まあレイドモンスターつっても周回されるようなやつなんでこんなもんすよ。




称号紹介

ファーストレイド:

分かりやすいけど初めてレイド討伐した称号。レイドモンスターの討伐数によってキラーやディザスターなどの称号を得られる。


団体戦の勝鬨:

通常のパーティー人数上限以上のメンバーでボスモンスターを倒した際に得られる称号。

大抵レイドモンスター討伐時に得られる。


お前、頭大丈夫?:

無謀な突撃をかまして功績を出しつつ、大ダメージを受けるだけで生き残った者に与えられる称号。ちょっと判定がきつい。

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