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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
2章:集いし戦士と龍の群
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ちょっと巻きで走りぬく


「うわあアイテム結構溜まったなあ」

あのデカブツは、まあ通常のやつよりは体力があったよ。ただ俺たちほぼ全員で飛び込んだせいで実質ワンパンで沈んでたんだよな。


レベルアップもした。アイテムも結構手に入った。


その勢いで次についたのは、岩盤思いっきりくり抜いた?ってくらい岩肌が密集しているフィールド上に作られた都市『黄金都市ゼーリィン』。


イプトラルの割とすぐお隣にあるという都市だが、

「なんだこの、まっ金金」

都市全体が金色メインで、ちょっとは自重しろってツッコミたくなるような外観をしている。ここまで文字通りの黄金都市とは、思わなかった。


しかも

「至る所で蒸気とかが噴いてて跳びにくいな」

皆一般通行人の迷惑にならないように、屋根伝いなどを跳んで行ってるが、工業都市と呼ばれるだけに、至る所に煙突が付いている。


いきなり蒸気が飛び出すところもあるだけに、吹き飛ばされる者が何人か出ている。イヤ跳び出したところに、煙突が付いてましたーみたいな完全にトラップとして置いてるとしか思えない場所も、あるんだけど。


「えちょっと待って!?ハマって抜け出せなくなったんだけど!」

あ〜コレはもう無理ですね。


マジでなんなんだこの都市?


コレじゃあもはやダンジョンだよ。

まあハマったヤツはなんとか抜け出せたけど、思わぬ鬼門があったものだ。


しかもココイプトラルのお隣で、まだ15kmしか離れていない。

残り1185km。


一体何が広がっているって?単純に広大なフィールドが3つだ。


1つ目は、『鉄屑拾いの平原』。

ゼーリィンを出てすぐのフィールドであり、ゼーリィンで生まれた廃品が捨てられていたという歴史から、いくつかの機械を歪に合体させたキメラのようなモンスターが多く存在している。


「意外と関節部弱かったな」

「キメラと言われてますケド、ただくっついたヨウナものデスからねー」

「でも普通に強いですね」

「そういやこういう長い道のりになると中継地点の街や村が存在してるらしいけど、襲われないんですかね」

「ああたしかモンスターのあまりいないポイントを絞って迂回するように作られてるとか」


2つ目は、『人喰いの森』。

食虫ならぬ、食人植物のモンスターが跋扈している森。流石にココは完全に迂回するように道路が作られている。

だが着いたはずの森は、


「なんで()()()()に?」

「あー確か仙女様を倒そうとしてガチ武装したクラン連中がやり過ぎた結果ココら一体吹っ飛ばしちゃったんだっけ?」

リアルのテロかよ。


尚、件のクランは仙女ババアによって甚大な被害を受けた模様。


そして最後の3つ目は、『香黒岩石地帯』。

質のいいスパイスの成分を含んだ岩塩が取れるらしい岩石地帯だ。

だが

「ア゛ッッッッッチィ!」

「やっぱりキッツゥ!」


フィールド全体が黒一色なのだ。

そのせいで日の光を存分に吸収した地面がスリップダメージを受けられるくらいに熱い。

正直避暑地になる空洞や簡易拠点があるが、それでも熱気は変わらない。ガングマ火山と同じレベルってやば過ぎだろ。

イヤスリップダメージの要素を考えるとガングマ火山よりやばいかも。


てかそれ以前に今まだ()()よ。なんでまだこんなに熱いの?

そもそも日跨いで丸一日でサンルタまで行こうと考えたやつバカでしょ。何人かは途中で一旦降りたけど。


「フォロロロロロロロロロロォ」

えーこの状態でモンスターと戦うって?


音のした頭上の方へ目をやると、黒くてデカい鳥が飛んでいた。

「ん?ボスモンスターかよ」

「イヤ違いますよ兄弟子!」

と松茸王が叫ぶと同時に


『レイドモンスター:BBRBブラックブラッドロックバードに接敵しました』


「嘘だろ!?BBRBだとっ!?」

何その貴族(ブルーブラッド)の亜種みたいな名前


「アイツに対して何か知っているのか」

「硬くて空飛んでる鳥ですよ!」

それは、見りゃ分かる。


「あと体内で重油みたいなのを生成しているらしいので爆発するタイプの炎ブレスを吐いてきます」

ウーンココで戦いたくないってのがよく分かる敵だこと。


「てかアイツ表面温度どんくらいになってるんだ?」

まず戦う前に、アイツの体の周り今いる地表以上の陽炎が出てるんだけど。夜闇でもゲーム特有の明るさ補正があると言っても限度があるはずなのに、めっちゃくっきりと見えるのヤバいでしょ。


「氏はここに居たり。暖かなる楽園。〜」

ふいに完全武装した松茸王が、呪文を紡ぐ。

「〜。すなわち恵みの花園。生命の集いし場所。《リジェネシスフルガーデン》!」

詠唱し終わると、緑色の花園が展開される。


「コレは、継続回復効果の領域を作ったのか!」

「ええ!回復量は1固定ですけど、速度がとんでもないんで!この状況下で戦うならこれないとダメっすよ!」

確かに、このフィールドのスリップダメージよりも回復速度のほうが優っている。


「これくらいなら問題ないな。ヨシッ、全員!ヤツを斃すぞ!」

「押忍ッ!!!」


今回で、レア・レーベン、バンブスター、梅酒サムライEX、他リアルが忙しいタイプの仙凛の門下生達が道中で一旦ログアウトしました。

てか一日使って1200km走りぬこうとしてる方がヤバい。けどログアウトした連中も余裕やその気があればやっていた。


レイドモンスターについて:

レイドモンスターは、通常の大型モンスターの特異個体。通常モンスターの名に、レイドモンスターとしてBBなどの特別な銘が割り振られるようになっている。そのためBBと名のつくレイドモンスターは、他にもいる。

ユニークモンスターとは違い、一定期間で出現する定期的なモンスターのため、大体は攻略方法も明かされている。

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