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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
2章:集いし戦士と龍の群
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森の中でのPvP


「オーイラック氏、ガングマ火山の方からバイクに乗ったプレイヤーが降りてきましたぜ」

「お、またカモが降りてきたか。人数は?」


灰被りの森、ガングマ火山からの入り口付近に集まっているプレイヤーが、バイクでコチラに向かっているプレイヤーを捕捉している。

「斥候連中によると2人だそうです。しかも男女2人乗り」

「ゲーム内だからなぁ、お熱いのかどうか分からんのよなぁ」


彼らはPKクラン『グラススローター』という隠密を中心としたクランだ。

そのリーダーのラックラックは、2人組のプレイヤーが降りてきたことを軽口を叩きながらも訝しむ。

「なあブス、()()2()()()なんだよな」

「毎回言うのも飽きるけどさ、俺ヴェノムアイランドだからね?直訳すると毒島だからってあだ名がブスになるのは辛いんだが」


そりゃあそんな名前にしたんだから仕方がないだろうと思うが、少々真面目に話し出す。

「そのプレイヤーってもしかして桃色の衣装に仮面を付けているやつと、チャックの帽子をかぶっているヤツか?」

「ああそうっぽいぜ、名前がまだ見える距離じゃねえらしいけどドローン越しにそう見えたっぽいぞ」


そこでブスと呼ばれたプレイヤー………ヴェノムアイランドも気付く。

「オイオイソレって昨日龍種を倒した」

「もしかしたらだけどな」


たまたまだが、昨日この近くを()()が突き抜けていくのが見えたという話を2人とも聞いていた。

そしてその仙人と一緒にシリーズ系ユニークモンスター、ソレも龍種を倒したプレイヤーが2人いる。


ハバキリとミストハイド………その2人と特徴が一致しているのだ。

「流石に一筋縄じゃあ行かねえだろうな」

「かもな。だがやろうぜ」

そんな大物を倒せば良いもんたくさんもらえるだろうし


「こっちはレベルトップの集団だしな」

「ははっ、違いねえ。アイテムの取り合いにはなるだろうけどな」

コレが仙人だったら間違いなくこの人数でも厳しいだろう。だが、仙人でなければこの人数を切り抜けるのは容易ではないはずだ。


「バイクに乗っているならこっちもソレ用に準備しろ!あとどれくらいでこっちにくる」

「あと10分もねえ!お前ら急げ急げ!」






「なあミスト」


灰被りの森まであと5分といった位置を通過したところでミストハイドに尋ねる。

「なんでゴザルか?」

「バイク撃たれたら終わる感じ?」

「イヤ耐久結構あるやつでゴザルよコレ」

「まあなら大丈夫か」

「どうしてそんなこと聞いてるの?」


イヤだってなあ

「さっきから狙われてるってかスナイパーがいるし」


その直後、()()()()()

瞬間、さっきまで頭があった位置を何かが通り抜けた。

「え?」

「2人同時にヘッショ狙いとは」

「ゲーマーとしてのロマン思考でゴザルね。FPSとか好きなヤツでゴザル」


続いてまた弾丸が通り抜ける。ソレも回避しつつ

「3…いや4人か」

「まあソレくらいでゴザルよね」


前方500メートル地点のそれぞれの木の上に、4人のスナイパーがいる。ちょうどこのまま直進して、左右に2人づつ分かれる形だ。


「ミスト、どっちいく?」

「じゃあ左で」

「了解。じゃあセンジュ、目を回さないようにちゃんと掴まれ!」

「えちょっ!?」


そろそろ圏内に入る。


「3、2、1っ!」

1のタイミングで、ミストは左側前方の木に飛び乗る。


ソレと同時に、4つの銃声が鳴り、俺がバイクを反時計回りに回転させる。すでに抜いた刀を持ちつつ体を反り、銃弾を避け右側の手前にいるスナイパーに焦点を合わせる。

「そらよっと!」


回転を用いて斬撃を飛ばす。ソレが飛んできて相手はなすすべもなく斬られて落ちる。だが、流石に高レベルなのかそれだけでは死なないらしい。まあそのお陰でチョット地獄を見るかもだけど。


落ちた先に俺が突っ込もうとしてしまっている。しかも頭が丁度前輪の目の前にある。


悲しいことに気付いてか気付けなかったかは分からないが、1人目のスナイパーはなす術もなく命を散らしたのだ。


で続く2人目だが、あの野郎仲間がやられて逃げようとしてやがる。仕方ないのでチョットバックから飛び出して、


「………ハーイ!」

「ヒィッ!?」

オイオイ完全にドン引きしてんじゃんチョット下から回り込んだだけなのに


「切り捨てゴメンってな」

首を貫き、落とす。ソレもまたもやバイクの目の前に。相手が落ちるより先にバイクに飛び乗って、急ブレーキ&回転アターック。


見事後輪に顔面を打ちつけたプレイヤーは、吹っ飛ぶのであった。

「うわあぁぁぁおぅっ!」


さらに目の前に何処からか吹っ飛び、足を枝に磔にされたプレイヤーが前方に出てきた。


「ふんぬ!」

そのまま前進しようとしたところ、ミストもこっちに乗り、磔になったプレイヤーの首を斬った。


「うおぅエッグい」

「ソレどっちも轢いたオダイカンサマは絶対言っちゃダメでゴザルよ」

知るかそんなもん


「うぅ、グルグルする」

「おっと三半やられたか。済まないけどここから先はまだまだあるっぽいから気をつけな」

うー、と反応するのでこっちの言葉が聞けているのだろう。


にしてもアイツらレッドネームで良かったー。レッドネームをキルしてもレッドネームにはならないっぽいし。


さてさてお次は

「何やら潜んでいるっぽいでゴザルね」

「手榴弾とかある?」

「あるにはあるでゴザルけど」


足下に手を突っ込み、ガサゴソしていると

「3個しかないでゴザル」


少ないねえ、ぜんぜん足りないねえ

「仕方ないか、じゃあこっちから出向いてやるとするか」

右に逸れ、アクセル全開。すると前方の空間が明らかに歪む。


「ホイット」

歪みの大きい位置に斬撃を叩き込む。


そしてソレを気に


「走れ走れぇっ!!!」

「チッ、全員バイク乗りかよ」

まさかの隠れていたヤツら全員エンジンを吹かせている。


まあバイク乗り相手にするんだったら、それくらいの準備をしていても良いのかもだが

「ってえ!?オダイカンサマ、バギーとかも出てるでゴザルよ!」


嘘だろバイクはまだしも混戦でバギーはマズい。

バギーに関わらず四輪だとある程度でかいものでも隠せる。


マシンガン、ロケランいろいろあるけど、爆弾積みまくって突撃されるのが1番面倒だ!止らめれようが止められまいが、一定の被害は絶対に出かねん。

「仕方ねえ、全部斬る」

「振り切るのはチョット無理そうですゴザルよねー」


バイクだけだったらなあ、後ろをミストに任せて振り切ることができたんだけど。

俺らが突っ込んできたんだからシャーナイか。


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