表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
序章:剣士と仮想世界
3/110

剣士と仙人が出会うとき…戦闘が始まる

ヒロイン?登場

そして初戦闘


ゲームスタートの合図とともに視界が光出し、目を開けられなくなる。やがて、だんだんと大きくなる喧騒と共に、目を開けると噴水の目の前に立っていた。レンガを中心とした街並み、通りを歩いたり店に入りアイテムを買ったり食事にありついたりするプレイヤーやNPC、ここから冒険が始まると思わせる夢と冒険心をくすぐられる景色が見える。


…いつもの新規プレイヤーならそうなっただろう。


だが今は違う。明らかにいつもと違うと思わせる景色が見える。

喧騒だと思われていたそれは、恐れる者たちの恐怖の声、臆病風に吹かれながらも蛮勇にしかならない者たちの威嚇する声、NPCかプレイヤーかはわからないが騎士の格好をした者たちが警戒する声。

彼らは皆、俺の背後の建物の上を見ていた。俺も振り返ればそこにいたのは、赤と青で炎のような色合いにも見える長髪、目元を包帯のような装備で隠し、額には東洋の龍を思わせる角を生やした「龍人(りゅうじん)」という種族の女性プレイヤーだ。彼女の頭の上には「仙凛(せんりん)」というプレイヤーネームが、表示されている。イヤ相手は中国人だろうから、読みは「シャンリン」なのかもだが


多分………いや、十中八九ヤツだ。


「よお仙女ババア」

と他のプレイヤーとNPCが警戒する中、明らかに場違いとも思わせる声色で俺は話しかける。

仙女ババア…もとい〈李凛花(リ・リンファ)〉という彼女は、すでに100年以上生き続けているのに、未だ現役で活動し続けている格闘家である。しかも修行の途中で若さを保つ技術を手に入れているとかで、見た目が30代あたりから変わっていないとかいう。その容姿と保持している技術から、じいちゃんが生きている時代から()()と呼ばれていた。

そんな彼女は、屋根を飛び降りながら

「遅いぞ(わっぱ)。あ、ちゃんとアドベンチャーモードにはしてあろうな?」

「まあやってありますよ」

「ならよい。早速で悪いが戦おう」


互いに近づきながら仙女ババア…もとい仙凛が対戦メッセージを送る。


「いきなりかよ。まだチュートリアルとかやっていないんだが」

「ある程度わかっておればチュートリアルなぞ要らぬ。必要なとこは儂が教えてやるからさっさと受領せい」

〈仙凛から対戦にお誘いが来ました 対戦を受けますか? はい/いいえ〉というメッセージウィンドウが、目の前に表示される。俺は、イヤイヤながらもそれを受領する。


そして俺と仙女ババアを取り囲んで魔法陣?が現れ、結界が展開される。

「この結界タダでは壊せんから気をつけよ。何せこのバトルフィールドは少々手狭じゃ」

「やっばいな。それじゃあコレから起きそうなことに目星がついたけど、ソレってやっていいの?」

「よいよい。一応それでもバトル扱いになるからのう」

コレが、このゲーム内で許されているPvPでの戦闘法。対戦のメッセージを相手に送って受領されると魔法陣を用いたバトルフィールドが展開され、

「てか今更だけど技量抜きにしても武具の性能差で俺圧倒的に不利でしょ」

そうほんとに今更だが、仙女ババアは

「防具のかかっていない部分を狙えばダメージ素通りになるし、童は頑張れってことじゃな」

と返答してくる。俺だけハードモードじゃねーか!

3秒のカウントダウンが始まる。


―3―


―2―


―1―


〈Fight!〉


そのブザーが鳴った瞬間、2人が動いたのを正しく見定められたプレイヤーはいないだろう。開始の合図とともに、互いの位置が入れ替わるように攻撃を放った姿勢になる。


次の瞬間、轟音と共に結界が消し飛ぶ。


「本当にまだバトルが継続されているな」

振り向きざまに軽く言う。

このバトルシステム、なぜだか戦闘フィールドとしてセッティングされる結界に、耐久力が設定されている。なぜこのように設定されているのかは定かではないが、結界が破壊されても戦闘自体は継続されるため、しようとして扱われているのだろう。

しかし、この結界の耐久力は尋常じゃないほどに高く、トッププレイヤーでもない限りはまず破壊されない。故に、大半のプレイヤーは仙凛が結界を意図的に破壊したと思っているが、一部プレイヤーはハバキリの攻撃した方からも結界が破壊されていることに気付いた。


「サーテ次は如何様に来るのかえ?」


仙女ババアが挑発するので俺は、瞬時に接近し斬撃を放つ。それに対し、向こうも両の拳で受け流す。正直、この時点で俺が圧倒的に不利だ。どう見ても相手は軽装であれど、高性能な防具を装備している。このゲーム、防具の隙間などはちゃんとダメージが通るという現実と同じような設定になっている。よく知らないが普通に胴体を攻撃しようとすれば、耐久力の差で初期武器のナマクラでは多分折れる。

それ故に俺は、仙女ババアの肌の出ている部分を攻撃するしかないのだ。

対する仙女ババアは、俺の攻撃の来る場所が限定されているためそこさえ守っていれば、何の心配もない。では、この状況をどう打開すればいいか。それを仙女ババアは、待ち望んでいる。俺がここで手詰まりになるような修行だけで済ませてはいないからだ。

ということで、大上段の攻撃を行うように見せて踏み込んで凹ませる形で壊れた道路のレンガを蹴り上げる。少し掠めた隙を以て、俺は一度下がる。このまま打ち続けても意味はない。やるならヒット&アウェイで打ち込むことだ。相手の隙を伺うしかない。

が、ここで仙女ババアが腰を低く落とす。

「ちょ待ってそれ周りに迷惑かかるだろ」

「やっぱりそれが原因じゃったか!確かに迷惑じゃろうが、儂らが打ち合うならば仕方なかろう」

そう言い仙女ババアが構えた拳を突き出す。


やっべ、手抜きに気づかれた。


次の瞬間突き出した拳から衝撃波が放たれる。ゲームに疎いものたちであれば、拳からエネルギー弾を放つスキルだろうと思うかもしれない。

だがゲームとしてスキルを放つなら、光るエフェクトや技名を言うなどという特徴が出るものだ。それなのに今の技には、エフェクトも何もない。

それもそのはずだ。コレは、ゲームとして〈仙凛〉が放ったスキルではなく、現実として仙女ババアこと〈李凛花〉が放った武術の一端でしかないのだ。


アドベンチャーモード………それは、フルダイブ技術によりゲーム内で現実と何変わらずに体を動かせるということを最大限利用したシステムだ。リアルの動きを現実で好きなようにできる。

確かに、一般人でなくアスリート選手並の運動能力でも、トッププレイヤーの動きには到底及ばないだろう。

だが、この世には仙女ババアのように遺失していそうな技術を未だ学んでいるものが、確かに存在する。そんな奴らにとっては、むしろやりやすいスタイルを提供してもらえているものなのだ。


そして俺もその1人。今、仙女ババアが放った衝撃波を切り上げ、受け流したのだ。コレくらいならできる…いや、仙女ババアが手加減しているからだが。

「のうおぬし、それで良かったのかえ?」

「良くねーよ。俺の負けだ」


その通りに、俺が切り上げた刀は折れていた。


「やっぱ初期装備だとこんな決着になるなー」

「仕方ないのう。まあ、負けだというのならウィンドウを開いてリタイアを押せば終わりだぞ」

ウィンドウを開くと戦闘用のものに変わっており、一番下の空白になってた部分に「リタイア」の表示が出ている。

「ああそうかそうか………っ!」

リタイアを押そうとした瞬間、死角から斬撃が飛んできた


正直途中で気づいちゃったけども

どんなに技術で互角の戦いができたとしても、初心者とベテランじゃあ装備のグレードで負けるんじゃないか?と思ったゆえに短くなりました。

その代わりに次回に別の戦闘が始まります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ