次元を超えて行け!2
さて役割分担開始です。
洞窟内に、電気が走る音とエンジンの吹く音が同時に流れる。仙凛の跨るユニークアイテム「廻隣青龍」が空を駆け、ホライドラスターの顔を横切る。
「しまった、拳では距離が足らんのう」
通り抜ける瞬間に殴りかかったが、届かず攻撃がからぶる。それでも、注意をこちらに向かせれただけでも十分かもしれないが、
「どうせならDPSを稼ぎたいものよのう」
とインベントリから棒状の武器を取り出す。
「「空震白虎」コレなら安全に届くじゃろう。そうれ!」
近づいたために振るってきた引っ掻き攻撃を避けながらも、適切に鱗の剥がれた部分へ棍をぶつける。
すると当たった部分に、さらに衝撃が走る。
「ウーム、少しラグが発生しおるのが悩みどころじゃな」
と当の本人は呟いたが、それを見ていた他の2人は
「なにアレ不良じゃん」
「アレがジャパンにいたというフリョー」
ウンまさに不良だよね。空飛んでるけどバイク乗って棒振ってるし、持ってる棒の先端がL字の時点でもうそれしかないんだよ。
………まあヘイト稼ぎはできてるから問題はないか。
「ヨシまだ使われてない1個目に到達出来たな」
さっきからブレスで近くの鱗が回収されているから、まだ回収されていない鱗に近づくのに時間が掛かった。
「フンッ!!」
「はあ!!」
2人で斬撃を浴びせると、案外容易に砕けるが
「うんコレやっぱり」
「斬撃より打撃で壊した方がいいようでゴザルね。オダイカンサマはなんかいい感じの打撃武器を持っているでゴザルか?」
「鞘で殴る」
………なんか微妙な顔された。
仕方ないジャン、まだ始めて1日も経ってないんだよ…イヤ始めて1日でユニークモンスター倒してるのもおかしな話だけど。
「では私チャンの武器を貸すでゴザルよ。出よフォックス!」
え?もしかして狐系のファミリアを出すのか?…にしても名前安直過ぎるだろ。
そしてミストハイドの影から出てきたのは…イタチだった。
「イヤ違うだろ!」
「え?どこが違うでゴザルか?あ、フォックスの綴りはOじゃなく0でゴザルよ」
「イヤそこじゃなくて、フォックスは日本語で狐でイタチは英語でウィーゼルだぞ」
なんだそのアホヅラは、この状況じゃなきゃスクショしてるぞ。
「ま、まあこの子はオオカゲイタチというレアモンスターでゴザってね、影をインベントリにしてくれるのでゴザルよ」
追加インベントリを用意できるファミリアとかマジかよ。俺も欲しいなそういうファミリア。
そう思っている間にも、ミストハイドは自身の影に手を突っ込み武器を取り出そうとする。
体勢そのままでよく飛んでくるブレス避けられるな
「ええと確か、ああコレでゴザルね」
影の中がどうなっているのかもわからないが、避けながら待っていると影の中から籠手とトンファーを取り出した。
「ボクサーアントクイーンの籠手にデルタトンファーでゴザル!オダイカンサマはトンファーより籠手のほうが良いでゴザルね」
まあトンファーなんて使ったことないからな。それよりも
「それだけの数を片手でよく持てるな」
もう片方はイタチ抱えてるし、手裏剣は影に入れたけど、片手に二の腕サイズの武器を複数持てるとは………さすが忍者。
とりあえず籠手の方を投げ渡され、装備する。
このゲームでは、厳密な装備欄が防具しか存在しない。他のRPGでは、装備欄で武器を入れ替えなければ武器の変更ができないが、このゲームらな帯刀した状態で両手に武器を持つことができる。
それで思いっきり殴ると
「お、さっきと違って1発で破壊できたぞ」
斬撃だと4発掛かったぞ。
「ヨシこの調子で壊していくぞ!」
「ハイでゴザル!」
ドンドン破壊していっている時にある事が気になった
さてハバキリ君は何に気づいたのでしょう
「空震白虎」
先端がL字になっている白い棍棒系統の武器。
先端部分であればあるほど攻撃した際に、追加で防御貫通効果を持つ追加攻撃が走る。
そのためホライドラスターにとっては、かなり脅威になる。
「ボクサーアントクイーンの籠手」
なんかボクシンググローブを付けている女王アリから作られた籠手武器。
見た目的には、アリの顔を手に嵌めているような見た目となっている。
殴った際に、アリの口見たいな部分から腐食効果という防御低下を引き起こす酸を放出する。
なお説明していないため、ハバキリはこの効果を知らない。せいぜいなんか出てない?って思うくらい。
「デルタトンファー」
デルタライト合金という、現時点で最高クラスの合金素材を中心として作られたトンファー。
エメラルド色で少々武骨な部分以外は、単純に高性能な武器




