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現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
1章:鉄打つ乙女と次元の龍
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3人目の武人


機関車に乗って10数分ほど

「ご主人様方、ガングマ火山がお見えになられましたぞ!」

そう言われ、2人で外に首を出すと見るからに暑そうな活火山が見えた。

というか実際()()


このゲームのシステムは、感覚をほぼクリアに感じられるようになっているらしい。一応設定オプションで感度を下げることができるようだが、味覚と痛覚系以外はお勧めしない。味覚は本当にまずいもの(例:モンスターの体液)とかを口に含んでしまった時のために、痛覚はダメージを1発でも受けただけで動けなくなる可能性があるために、初めから低めに設定されている。だが他の感覚、特に触覚はあまり下げるべきではない。暑さや寒さには、隠しパラメータが設定されており一定ラインを超えるとスリップダメージを受ける原因となる。武具によっても影響が出るため、熱にはある程度敏感になっておく必要があるらしい。

イヤ視覚とか聴覚とか嗅覚とかは、遮断する意味がないようにも思えるけど。


「あっつい」

「弱音を吐くでないわ。このような環境を利用して料理対決を行なっておった連中だっているのじゃぞ」

「マジかよそいつらすげーな」

曰くフライパン片手に転移アイテムや魔法を駆使して、暑いフィールドと寒いフィールドを行ったり来たりしながら料理を一品完成させて、1番美味しいやつの勝利という対決らしい。

なにそれ面白そう。


さらに山の中を進んで行けば

「ご主人様方、ドワーフの里「ガングマ村」が見えましたぞ」

「よし。そろそろ停められそうな場所に停めるのじゃ」

ガングマ村って、そのままなのね。さて、一体どのような村なのでしょう。

熱い。さっきまでの活火山としての暑いではなく熱い。小柄ながらも、活気良く槌を背負い鉱石を運ぶドワーフの連中、鍛治職中心だが賑わいを持つプレイヤー。鍛治師の村としての賑わいを持つに、十分の光景がそこにはあった。

「良いね、ここならやってくれそうな人たちがいそうだよ!」

「楽しんでおるのう。じゃが、まずは鉱石集めじゃ。何事も素材が無くては手に入らぬ。今日のうちに出来ればレアな鉱石を見つけようかのう」


それもそうだ。今までに一度鉱石を手に入れる機会はあったが、あまりグレードのいい素材ではないらしい。加えてここならもっと質の良い鉱石を手に入れられるんだとか。

そういうわけで、用があるらしい仙女ババアと別行動をとって、要らなさそうなアイテムを売ってツルハシを買お………視線を感じる。


仙女ババア?いや違う、あの人なら好き勝手にぶつかってくるし、そうで無くても待ち構えているような感じに見つめてくる。


だが、コレは違う。というか気配が薄い。なんというか中途半端に晒している。誘っている感じだ。

まあ相手が誰か分かっているので、まずは人混みの少ない裏路地っぽいところへ行く。


………ん?今なんか…イヤまずは


「出てこいよ()()()

と相手の名を呼べば

「オダイカンサマー!!!」

「うわっ!ちょっ!!!」

なんか押し倒された。


「オダイカンサマ!オダイカンサマ!やっぱりここにくると思って張っていたでゴザルよ!」

「ちょっと退けフーマ!一回立たせろ!」

「ああ失礼したでゴザルよ。あとここでの私チャンの名はミストハイドでゴザル」


()()ね。本名をステラ・C・風魔という彼女は、本物の忍者の末裔で父親がアメリカでデキ婚したとかでアメリカ生まれアメリカ在住だが、忍者の修行のために幼い頃から日本に来ていたことで俺や仙女ババアと知り合った。なぜか俺を主君としているようで、めちゃくちゃ慕われている。


そんな彼女だが、なんだその鳥頭。あとなんだその魔法少女っぽい衣装。

イヤ頭装備は、分かるよ。エクスチャックの帽子だって…じゃない確かこいつは鶏冠が星型だから

「それラックチャックキャップか?イヤデモそれにしてはなんというか」

()()()である。なぜか通常よりも取り付けられる羽根が多くなっているせいで、アフロみたいになっている。正確に言えば、チャックのくしばしと顔部分は見えているので、デコッパチアフロとでもいうべき見た目だ。

「ああ、コレはユニークモンスターの「エンペラーラックチャック」から作られた帽子でござるよ」

「マジかい。そんなユニークモンスターもいるんだな」

絶対LUK上昇効果のあるやつだ。しかも破格で。


「それとお前何その魔法少女っぽい装備は」

「コレ知らないでゴザルか?「魔法少女マギア☆スターズ」に出てくるマギア・ルイズの衣装を防具にしたものでゴザルよ」

マジで魔法少女のコスプレだった。確か「魔法少女マギア☆スターズ」は、日本が誇る魔法少女作品の代名詞と呼ぶべき作品だ。ミストも大ファンだったな。

「そんな装備あるんだな」

「コスプレ装備を専門に扱ってる裁縫系のプレイヤーがいるでゴザルからその人に頼んだでゴザル」

そういうヤツもいるのね。


「ってちょっと忘れそうになったけど」

「ああ、この先でゴザルね」

「やっぱりなんかあるっぽいな」

一瞬でどちらもスイッチが入る。さっきからこの路地裏の先に弱い息遣いがするのだ。


さーてメインメンバー予定の3人目であるステラ・C・風魔ことミストハイドちゃん登場…いや逆か。リアルでもゲーム内でも忍者をやっている。多分こっちのほうが仙凛よりもヒロインすると思う。


エンペラーラックチャック帽子:

「丸いあいつらの逆襲劇」というイベントの隠し要素として出てきたユニークモンスターのエンペラーラックチャックの帽子。他にもパワーやスピードなどの全種のチャック系のエンペラー個体が出てきたが、全部ミストハイドとそのフレンドが独占している。


魔法少女マギア☆スターズ:

日本が誇る、国民的魔法少女作品。数々の魔法少女が登場しており、ファンの派閥がとても多い。ミストハイドみたいにDEFの中でコスプレ衣装を装備しているプレイヤーがたまにいる。


チキチキクッキングワールドツアー大会:

過去に料理人プレイヤーの集団が、環境を利用して料理が作れるのではないかという発想からワープ系の魔法やアイテムを駆使して、料理を一つ完成させたものが勝ちという大会。

優勝者は、熱いフィールドと寒いフィールドを利用してプリンを作ったという。


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