表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代の武人は仮想世界を無双する  作者: カンナトウジ
3章:海より深き縁
113/121

水底の国15 ぶつかること

チョイと修正

金龍が銀龍になっていた模様


「イーヤーーー!!!」

何がある何がある何がある!?


正直逃げるのに精一杯のギルドだが、その中でも頑張って思考を回している。

というか追いつかれる状況を、なんとかあの手この手で勢いを消さずに方向転換している時点で、既にキツいのにその上で攻略法を考えているのは、キツいなんて話しじゃあない。


だが、思いつく方法なら一つだけある。

このスピードを全て仙凛にぶつける。


そのためには、仙凛の前に出られるようにする。

それも、距離をある程度とった状態でだ!


ならば、

「うーん…なかなか良いのが見つからねえ」


とりあえず、良い感じに180度方向転換できそうな場所を探して行ったり来たりしているけど、全く良い場所が見つからない。

「なんていうか、こう手すりっていうか登れるやつ………アレだ!スト◯ップショーとかで使っている棒が有れば」

「もしやお主の言っておる棒とは()()()のことじゃないのかえ?」

「ああそうだわ。サンキュークソババアァァァァァ!!?」


なんか既に隣にいた仙凛に、ビビって思い切り殴り飛ばす。

避けられたが、反動も利用して更に距離は取れた。


しかし、代わりに思いついたことがある。

北部の()()()だ。

確かボロボロになっていたとはいえ、あのフィールドは様々な訓練を試せる設備が整っている。そこであれば、攀登棒だってあるはずだ。


とりあえずは、研究棟のガラスの壁を突き破って修練区まで走り出す。

更に、

「ふんぬ!」


自傷してHPを0にする。

それと同時にHPが全回復し、HPバーがドス黒く変化する。

『ラスト・ディバイド』という魔血闘士のスキルで、HPが0になった場合、一度だけHPを全回復させほぼ全てのステータスを上昇させるスキル。だが、防御面は寧ろ低下し、HPも常時減り続け回復も不能となるので、かなり使いづらい。


それでも、相手が仙凛と呼ばれる現代最強の武人相手にするならば、コレくらい使う覚悟は当たり前だ。

あとは時間内に見つけるだけ。


ギルドは、魔血闘士の都合もあってHP上限を結構成長させていたが、それでもタイムリミットは3分とないだろう。

「あとは神頼みだなぁ!」


ここまでバフがかかって、初めてスピードを上回れた。ソレでも距離を離せた気がしない。

後ろを見たら、既にすぐそばにいるかもしれないという恐怖を覚えるが、もう見ている暇がない。

「あった!」


1分程経ったあと、現実でもあるようなグラウンドに出た瞬間に懸垂用の鉄棒が見えた。

直進方向からズレるが、ソレくらいなら問題なく曲がれる。


「ヨッシ!」

飛び込んで掴みつつ、更に回転をつけて勢いを増す。


「………くくっ!!!コレは随分と面白いものじゃな!」

遠目から見れば、赤黒いエフェクトが渦を巻いている光景だ。


そして、渦の中から光が仙凛に飛んでくる。

「死ねやクソババアァァァァァァッ!!!」

「貴様が落ちろぉぉぉぉぉぉっ!!!」


バフ×スピード×回転による更なる加速。

それに対し、仙凛は正拳突きの構えで迎え撃つ。

かくして結果は




「クッソが」

ギルドの拳はそこらのスキルの合わせよりも速かった。

仙凛の拳撃よりも。


だが、仙凛の拳の鋭さが、後出しであろうともギルドの全力を上回った。

その後、ギルドが何も言う暇なく消滅したので、広場で落ち合った。

「アレで無理って正直凹むんですけど〜」

「良く言うやつじゃな。儂のHPを一気に6()()も削りおったじゃろうに」

「あの場面で勝てなきゃ意味ねえだろ」


ハッハハと笑って返すが、実際はやばかった。

何せ正拳突きとぶつかり合う形で押し切れたとはいえ、ソレがなければワンチャン()()()()()()()()()かもしれないからだ。

(流石に年じゃが、まだまだ勝ちたいからのう。ここは押し通らせてもらおう)


そこで話題を変えようとほんの少し考え、思いついたことを出す。

「そういえばお主女はできたのかえ?」

「いきなり何言ってんだこのババア!?」


流石に気になったのだから仕方がない。

ハバキリ(桐谷)は周りに沢山いすぎたり、()()()()()()をほぼした事がないので感覚が麻痺している。

その点同い年で、割とちゃんとした生活を送れているギルド(金龍)にはそろそろいてもいいんじゃないか?と思いついたのだ。


「もしやお主、男の」

「はえーよそっちの考えに行き着くの!ちゃんといるよ!」

「え〜ホントかのうw?」

「テメエもう一戦交えようか?」


そう揶揄いながらも、ギルドが本当なのは伝わっている。

「全く、それだけ言うんじゃったら儂らに紹介せい」

「上等だ!ってクソババアなんかメールきてるぞ」

「おおランからじゃな」


何やらランからメールが届いた。

ソレは動画映像だ。文面は結構はしゃいでいるようなその内容は、ハバキリがとある装備に切り替える一連の動作を撮ったものだった。

「うーんすごいとは思うのじゃが、儂こういうの分からん。ジン、お主は分かるか?」

「いやあ日本の魔法少女のなんかのコスプレだろ?俺もそっち系はあんまり」


まあなんというか、専門的に知らない外人(中国人)にはあまり伝わらなかったのである。


自傷装備

今更ながら説明し忘れていたギルドのメイン装備。今回は籠手武器に自傷用のブレードがついているタイプで、効率よく自傷できるようにしている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ