不可思議な島の住人
今日見た不可思議な夢を話そう。
私はどこかの島に1人で海外旅行に来ていた。
そこにはポツンと怪しいカフェのような店があり、そこで食事をしていた。
すると柄の悪い客が私に金を寄こせと言って来た。
断ればガンを飛ばしてくる。
私は、ついにおまえのようなクズ野郎にやる金は一文もないわ、と叫び頼んだジュースを投げつけた。
それは外れ、他の客の服がびしょ濡れとなった。
その途端客や店員の視線が一気に私に集まり、誰が呼んだのか肌のドス黒い店員でも客でもない外人が私の前に現れ何かを私に説明し、次の瞬間にはもう私は閉じ込められていた。
閉じ込められていた、と言っても、雑草の多い場所に、ブタ小屋のように人間がまたげばすぐ乗り越えられる低い柵で囲われた所だ。
その代わり島中の人達に監視されていた。
これなら隙を見れば簡単に逃げられる。
私は大勢の外人がよそを向くという低確率な出来事を見計らい、柵をまたぎ走り出した。
1人の外人が私の逃走に気付き、わけのわからない外国語で何かを叫んだ。
その途端みなが私の逃走に気付き、目を血ばらせ猛スピードで私を追って来た。
うきうきの海外旅行で私は金せびりに怒ったことだけで何故かその島の外人みなを敵に回し、追われる羽目となった。
気付けば私は鬱蒼としげるジャングルを駆け抜け、海の上を飛んでいた。
機体に乗っているわけでも、羽が生えているわけでもない。
身体を海と平行にし、その上を飛んでいた。
私の見る夢はいつも出来事が飛び飛びで、実世界ではあまりにもありえないことが多い。
まあ、それだから「夢」なのだろうが。
外人はジャングルの時点で私の行方を見失ったようだ。
私は空を飛びながら何故かポケットに入っていた携帯電話に気付きそれを取り出し、家族に電話した。
そして無事に家に帰った。
そこで私の夢は覚めた。
あの島の住人は、今も私を指名手配犯のごとく探し回っているかもしれない。
ー完