表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の落ちこぼれた人生に拍手を  作者: 小野寺のウサギ
3/6

クラス分けって全然ドキドキしないんだけど

俺は今、緊張している。時は早く経ってしまうものだと理解してしまった。今日は登校初日、集合場所には色んな奴らがいて、俺を見ながらヒソヒソする奴も勿論いる。嗚呼、兄ちゃん心折れそうだよ。何て内心焦っていたら後ろから肩を叩かれた。「だーれだっ?」と言い俺の目を手で覆う奴。


「お前やろ、アレク。」


「バレんの早くね?」

と言いながらニシシと笑う目の前の男はアレクことアレクサンデル。こいつも俺と一緒で留年した奴だ。中学二年の時に体育で共同授業して知り合った友達。ポーランド出身の能天気野郎だ。雪のように頬にばら撒かれているそばかすが自称チャームポイントらしい。俺の苦手なポジ男だがこいつは例外だ。


「あ、そうだ。なんで此処にいるんだ?」


「此処にいちゃアカンってか?」


「いや、てっきり高校のA組になるかと思ってたからさ、後五分なのにこっちにいるのが驚きでな。」


「そういや言ってなかったね。最初は転校するはずやったけど最終的に留年することになったんよ。本当に夏休みの終わりらへんまでどうなるかわからんかった。」


「ほへー」

こいつ興味なくしたな、返事が棒読みだ。

それから他愛のない話ばっかりしていたら号令がかかった。三年生全生徒が校庭に集まってきた。号令をかけたのは去年の数学の先生だ。去年まで三年の先生代表が引退したから彼女になったらしい。それはそれで安心する。意外と短かったスピーチを半分聞いて、各クラスの担任が生徒を呼んで生徒達は並ぶ。俺は苗字がWから始まるから最後の方だなと呟いていた。


「アレクサンデル・コヴァルシキ」

ついにアレクも呼ばれたか。アレクは俺に手を振って列に並んだ。生徒達はどんどん減っていく中、俺はまだ呼ばれていない。去年の担任が俺と目が合って手を振ってくれた。意外とフレンドリーな方だなと思いながら俺も振り返した。

去年の担任のクラスでもなかった。残るはA組とE組。正直、A組のところに行きたいな。担任は俺の去年のフランス語の先生で意外と気が合うんだ。それに比べてE組の方は去年のオランダ語の先生。嫌いな科目の先生が担任とか、嫌でしかない。しかも授業中、俺がオランダ語の成績が悪いためか「そこの幸村のようにならないで下さいね。」とかクラス全員に向かって言ってくるんだ。それはさすがに教師としてはダメだろと思ったのは俺だけじゃないと信じたい。


「幸村・綿狸」

最悪だ。E組行きとは不運にも本当に程があると思った。前に出て列に並んだ。絶対に俺は嫌な顔をしているだろう。この世の終わりだ等と嘆いている俺を哀れむのを止めろ名も知らねー、クラスメイト達。そして俺等は教室に向かった。






「……幸ちゃん?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ