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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

基地防空戦

作者: 飛龍 信濃

というわけで唐突に短編です

いやなんか、ツイッターのグルで話してたら気づいたらこんなの書いてました

敵機来襲!!その報告が入ると同時に基地防空を担う零戦隊は即座に発進を開始する。

敵は空母より発艦したと思われる戦爆連合である。

とにかく、敵爆撃機を撃滅し、滑走路の被害を減らすのが優先である。

だが、歴戦の零戦隊と言えども、自らとほぼ同数のワイルドキャットの迎撃網を突破できるとも考えずらかった。

しかも、高度の優位はワイルドキャットにとられているのである。

だが、そうであっても、引くわけには行かない。

零戦隊が破れるようなことがあれば、それは基地の壊滅につながってしまうのである。

そのため、零戦隊は隊長機を先頭にワイルドキャットに正対する形で初撃を仕掛ける。

たしかにしたから銃弾を打ち上げることになるため、威力はやや劣るだろう。

だがそこは歴戦の搭乗員である。

的確に敵機に攻撃を当てると信じるしかない。

こうして零戦とワイルドキャットは1000キロを超える正対速度で一気に近接する。

「てっ!」

その裂帛の気合とともに隊長機から初弾が放たれる

それからさほど遅れぬ間に、双方の戦闘機が機銃弾を撃ち放つ。

だがその攻撃も一瞬で終わる。

だが零戦隊はワイルドキャットを深追いしない。

彼らの目的は、爆撃機隊の殲滅にあるのだ。

敵はドーントレスとデバステーターのようだ。

どちらも零戦にとっては、一撃で屠れる相手であるが、まだ直掩として残っているワイルドキャットが厄介である

其奴らに手間取れば今さっき後方においてきたワイルドキャットも応援として加わってしまう。

それは避けたい展開であった。

「一小隊二小隊、戦闘機にかかれ!

残りは爆撃機を狙う」

その命令が、わずかに聞こえる無線機から各搭乗員に届けられる。

それと同時に、爆撃機を狙う零戦は、翼を翻し、直掩のワイルドキャットを避けるように襲いかかろうとする。

だが当然ワイルドキャットとしても、ただ護衛対象を食われるわけには行かない。

だが、制空担当の零戦がそんな彼らに襲いかかる。

「くそ!早く戻ってこい!」

数で制空担当の零戦とほぼ変わらない数でしかない直掩隊から悲痛の叫びが放たれる。

だがそんな彼らも、零戦隊の一撃によって一瞬で半分近くが落とされてしまった。

だが、ワイルドキャットは諦めない。

先程置いてけぼりにされてしまった機が舞い戻ってきたのだ。

その結果爆撃機に付きっ切りになることもできなくなってしまう。

その結果、その蒼空の空ではまず零戦とワイルドキャットの乱戦が行われることになった。

だが当然、守るべきものがなく、とにかく敵爆撃機を屠れば良い零戦にとって、ワイルドキャットは全力で当たるべき相手ではなく、少なくても一個小隊の零戦が乱戦に巻き込まれることもなく、デバステーター、ドーントレスの編隊に飛び込んだ。

たしかに動きはトロイとは言え、編隊を組んで弾幕を貼られると、撃たれ弱い零戦としてはやや不利になってしまう。

特に、敵の方が多いとなればなおさらだ。

そのため彼らは、編隊最後尾の機から、少しずつ、編隊を削り取るように攻めることにした。

それはただ敵機を落とすだけにとどまらず、戦意を落とすことにもつながった。

そうなまじ高性能な無線機を積んでいるがために、少しづつ零戦によって落とされていく味方機の断末魔を聞かされる羽目になったのだ。

これがもし、もっと多くの零戦が、一斉に襲いかかっていたのならば、各々それに対する抵抗に精一杯で味方の断末魔など気にはしていられなかったろう。

だが、今は違う。

味方が少数の零戦によって少しずつ、南海の陽光を反射する海に葬られているのだ。

「やめろ!ぐ、もうだめだ!」

「ツーツーツー」

と言った、絶望の呻きが先を行く機体の無線機から漏れ出てくるのだ。

それでも即座に彼らが、恐慌状態にならず、編隊を維持し続けたのは評価に値するだろう。

だがその内ワイルドキャットにも被撃墜が相次ぐようになると、そうも言っていられなくなってきた。

たしかにたまに、「ジークをやったぞ!」

という歓喜の叫びが聞こえてくるが、ほとんどの場合、次の瞬間には、機体に大口径弾が打ち込まれる音に変わり、音信不通になってしまう。

そんな状況が続くなか、ようやく彼らは、目標の基地を発見することに成功する。

だがその頃には、デバステーターはほとんど壊滅しており残っているのは、編隊の一番前を飛んでいたドーントレスと一握りだけのワイルドキャットになってしまっていた。

もはや急降下による精密爆撃で、敵基地の対空砲火を封じることは困難になっていたのだ。

そんな彼らに対し、次々と黒い花が前方に咲き始める。

ついに基地を守る12.7センチ高角砲が火を吹いたのだ。


たしかに、高角砲による被害はほとんどなかった。

だが、それにより編隊が完全にばらけてしまったことで彼らの命運は定まった。

その頃には零戦隊がワイルドキャット隊に対し数で優位に立っており、相当数の零戦が基地を守りきるべく、爆撃機隊に吶喊を開始していた。

その結果ほとんどの機体が、爆撃を行う前に落とされるか、全く関係のないところに落としてしまうという結果に終わってしまった。

そして最終的には、航空母艦を出撃した8割の機体がこの空戦で失われることになり、米軍の新たな攻勢を一時的にせよ遅れさせることにつながるのであった。

というわけで短編です

特に舞台となった基地とかはなく、ただそんなもんかなと零戦神話を描いてみました

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