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第二楽章 魔王降臨

異世界につく前の話です。

神様の国々の暗部に軽く触れます。

「次の一手は新たな魔王が必要だな」


どの邪神や魔神に限らず、次々とこの一言をつぶやき、様々な魑魅魍魎にた堕天使や邪神達が騒ぎ出す。ある邪神は倒された魔王の復活を望み画策しようとしている。またある者は、過去に魔王にはめられた勇者を黄泉がえりを望み復讐の堕天勇者を魔王に押す邪神までいた。


その動きを見据えた女神や神々も泰平な世界を維持させようと、マニュアルに似た神託を異世界中の巫女や聖女、神官に降ろす段取りをすすめていた。


こうした動きを取ることは織り込み済みのもと異世界管理のスペシャリストAIのスレーナは、本領発揮するべく事前にこの異世界についての事や神々のことについてリッシェルに説明していた。


それは異世界に降臨する前の話であった。


スレーナは異世界に降りる前の天界といえる空間で、小さい幼女が嬉しそうにお父さんの手を欲しい物をねだるように目的のものまで強引に引っ張っていくようだった。


時より、スレーナはこちらを向いて話すのであった。


「ねえねえ、早く早く」


「焦らないでスレーナ。慌てないでよ。それより俺がこれから転生する異世界について教えてくれないか」


「教えてあげるから、愛しているって言ってよ」


幼女スレーナは真っ赤になった顔を隠すように俺を引っ張る。


「こっちを向いたら言ってあげるよ。スレーナ」


「やっぱりいい。異世界について教えてあげる。それより、今後についてもいろいろと話さないといけないんだったわ」


「あなたに逢ってから、私は舞い上がっているのよ。許してね。」


俺は引っ張るスレーナをいきなり、高い高いするように抱え上げて照れてる顔を下から覗き込んだ。


「好きだよ。スレーナ。今の俺には君しかしないだ。俺が俺であるため。俺の存在は君を愛するために存在しているんだぞ。愛しいるスレーナ」


スレーナは一瞬の出来事に固まり、動き出すようバタバタしながら俺の首に巻き付き好きだよリッシェルとつぶやいた。そしてするすると降りながら、腕で少しうるんだ瞳を拭きながら、俺に顔を見せないように俺の背後に回って、両腕で俺を後ろから押した。


「早く早く異世界に行こうよ。リッシェル」


「ハイハイ。それで、俺は異世界で何をするんだ。スレーナをひたすら愛しているだけでいいの?」


またまた、腰を押していながら固まるスレーナだったが慌てて俺の右腕に絡みついて目を見て話そうとした。


「意地悪しないでリッシェル。教えてあげるから。今日はこれ以上リッシャルビタミンを摂取したら私、死んじゃうんだから。でも・・・愛してる・・・」


「ごめんごめん、愛に飢えている俺にはスレーナビタミンが足りないぐらいなんだ。」


そんな話から降臨する異世界についての説明しようとした。


そして、スレーナはまず、この異世界の成り立ちを話そうとしていたが、この異世界は神様見習いというべき存在をまず第一に話した。


「人は神様でも悪魔にもなれるんだよ。でも、神様になれても、神様見習いというべき神様の成ったばかりだと何にもできないんだ。神の御業を行使できず示せないといってもいいのよ」


そんな会話からまず神様達が異世界を作る理由まで話してくれた。


「輪廻転生を繰り返した人間のうち、高みともいえる存在になるものがいるんだよ。例えば、リッシェルのように音楽の才能がずば抜けているとね。そういう人間の中でも、死んでから人々達から尊敬から信仰にもにたものによって神格化するだ。そして、ゆくゆくは伝説となり神様見習いになっていくんだから」


「俺も神様になれるのか。俺は神様なんて望んでない。ただ、今はスレーナのそばにいるだけでいいんだ。」


「アゥ。ウー・・・もー、リッシェルビタミン酔いしちゃうんだから・・・それより話をしちゃうんだからね。神様の世界といわれるところには、いろいろな神様や国々もあるんだ。そして神様見習いはそれぞれの国の教育機関ともいえる、神様育成学校があるのよ。だって邪神となったら大混乱が神々の国以外にも異世界やあなたがいた世界にも被害が出るんだから。」


俺は真剣な眼差しで話かけるスレーナにお道化ながら話しを聞いた。


「その、神様見習い学校に俺も行けるのか。行けるわけないか。道端で野たれ死ぬようなダメ人間は・・ハハハ・笑ってくれよスレーナ」


「もー真剣に話してるんだから。いいから聞いてリッシェル。これから行く異世界は、神様達の国々にある神様見習い学校らが合同制作した異世界なんだって。ようするに各国の神様見習いたちが思い出づくりともいえる卒業制作異世界なんだって。その、異世界には様々な神様の国々の研究生と威信をかけた特殊異世界仕様なんだから。そんなわけで、思わぬものが潜んでいる可能性があるのよ」


「なんか物騒な異世界だな。表向きは記念異世界なんだよね。」

「だからというわけではないけど、ある意味そんな思惑に偶然巻き込まれた形で、私たちが選ばれたのよ。」

「仕組まれた可能性もあるのか。」


ちょっと悪い女の顔になった幼女は俺の耳元で囁くように言スレーナは続けて言った。


「ともかく、これは見習い神様達が創った簡単ゲームだよ。あっという間にチートで異世界で攻略しましょう」


以前は異世界の運営システムにおけるAI(人工知能)だったスレーナはあまりにも、人間くさいような無邪気俺に笑いかけた。


「俺は何すればいいの?スレーナ」


スレーナは相変わらず無邪気に俺の周りを駆け回った。


「もう、すでに、これから行く異世界を掌握しているんだ。だから、リッシェルは私の皇子様になってね。行けばわかるよ。ハイ、これは魔王の指環だよ。これで魔族を掌握するんだよ。あー言い忘れてた。魔王はリッシェルと私で倒したことになるんだからね。後はなるようになるんだから。私の皇子様。リッシェル」


スレーナはすがすがしく悪態を言い切るような態度に俺もある意味感心してしまった。


「スレーナ。君は一体・・・新たな創造神なったみたいだね。それとも新たな魔王降臨かな」


「だって、死んだリッシェルは本当ならば数年もたたないうちに神様見習いにも救世主にも成れたのに、いきなりおままごとで創ったような異世界転移させられて非検体のような扱いをされたんですもの。私が異世界の魔王として降臨したいぐらいなんだから」


「彼女は魔王にもなれる存在か・・・そして、俺が神様見習いにも救世主にもなれたっていうのか・・・今は異世界行きのモルモット扱いね。野たれ死んだ俺にはちょうどいいかもしれんな。」



「卑下しないでリッシェル、だから私がついてきたんだから。ある神様と約束したんだから。」


相当に深い部分で神様が創ったこの異世界事情に精通していることがわかったが、これ以上はスレーナは詳しい話をしなかった。まー・・・女の秘密の一つや二つは男の器量で何とかなるさ。


いつの間にか異世界に降り立った俺たちは、白馬にまたがりロザーナ皇国に向かったのであった。

次話はリッシェルのチート能力に触れます。

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