図書室
本は、一種の“食べ物”だと思う。
ココロの栄養。
今日も貪るように本を読む。
休み時間も放課後もずっと、図書室に籠って本を読み食らう。
それは図鑑だったり、文芸だったり、知識だったり、とにかく本ならなんでも。
本しか愛さない。いや、愛せないのかも。
どっちでもいいけど。変わらないし。
本のいいところは、現実に呼ばないところ。
人が襲われ喰らわれても、本は人を喰らわない。
誰かが誰かを裏切っても、本は誰も裏切らない。
知識が人を殺しても、本は人を殺さない。
誰かが誰かに恋しても、誰にも恋しない。
すべてわかりきってる。だから安心して今日も、本の海に溺れる。
この静かな世界に、永遠にいられたらいいのにな。
今日も読む本を探して。
たまには軽めの話を読もう。探す手背表紙なぞる。
ふと目についた本。手に取った。
「あなたもそれ、好きなのですか?」
声かけられるなんていつぶりだろうか。振り向けば短髪の少女。
「“これ”だけじゃない。本は何でも好きだ」
彼女は、そうですか、とだけ言った。
本は何でも好き。
文芸でも、知識でも、読むのも、書くのも。
今日も、ノートとペン持って、ユメを視る。ユメを書く。