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8話 辺境都市ドーラ

独り立ちしてから半年が過ぎた。この半年は海の家を拠点に、森や海で得た獲物や、野草、果物を食べて生活している。少し遠出をして魔物も狩っている。魔物と動物の違いは、体内の心臓の近くに魔石と呼ばれる黒光りの丸い石があるか無いかで判断できる。後魔物は好戦的で人を見ると積極的に襲ってくる。


あとは、海で泳いだり、魔法の練習である。





この高級リゾートのような島での野生児生活も少し飽きた。生活必需品は、無くとも便利な生活魔法でどうにかなるため半年も経ってしまったが・・・。


服に関しては村を出る時に着ていた一着しかない。島では基本全裸なので必要なかったが、狩の時はズボンだけ履いている。もうボロボロだ。


人に会わないので身だしなみは全く考えていなかった。





そういえば、俺の容姿だが村にいた時から気にしていなかったので、5才くらいの時に洗濯桶の濁った水に写った顔を見て以来しっかり確認していない。


イケメン次男ハルク程では無いにしても、狩できっちり成果を出す俺にも村のお嬢さん方の熱い視線は多少あったので悪くはないのだろう。次男と違い俺は鈍感ではないのだ。



街に行くなら人と多少は関わるだろうし、第一印象は大事だ。自分の容姿をしっかり確認しておこう。


まず髪の毛はくすんだ赤で村を出てから切っていないので肩にかかるくらいの長さだ。母親が赤茶色だったが、それよりもかなり赤に近いな。


木の桶に綺麗な水を用意し覗きこむ。


うむ、日焼けした小麦色の健康的な肌、くりくりの目にぷっくりした唇、、、、いわゆる女顔だな、、髪が長いのと幼いこともあり、、幼jy



断じて認めない。俺は男だ。間違いない。まだツルツルでかわいいもんだが将来は立派な漢に育つであろう!



まあ髪を切りそろえれば、そこそこ美少年になるのではないだろうか?


さっそく魔法でバッサリ切る。髪の毛を切ることが上手い訳ではないので短めのナチュラルヘアー?だ。



次男はアホっぽいが将来は女をたらしこんで、ヒモになれそうなタイプの美少年だった。次男程では無いが、将来は期待してもいいだろう。




よし、行商人が言っていた、アールグレイ王国最南端の辺境都市ドーラへの街にいくとしよう。


時間短縮で、あの村の近くの森に転移する。転移魔法は、この半年で覚えた。転移する先の場所を明確にイメージしなければならないため少し難しい。行ったことがあり、さらに鮮明に思い出せる場所にしか転移出来ないのだ。今回は、長年狩をしていた村近くの浅い森に転移する。



森に出るとすぐにステルス魔法をかける。


・・・よし誰にも見られていない。ここで村人にでも見つかったら、少し面倒だった。

具体的には拉致して殺すことにならなくて本当に良かった。


今度から転移魔法を使う時は、ステルス魔法と併用しよう。


ちなみに俺は今の所、魔法を同時に2つまでしか維持出来ない。増やす修行は、毎日している。



こうなってくると、魔法使いは師匠、修行要らずって言っていたあの老人エセ魔法使いの言葉が嘘くさくなってきた。魔法の使い方にも得意不得意がある。俺は火や水を放出したりする事は得意だが、身体能力や強度を上げたりする強化魔法や治癒魔法はかなり難しく感じるのだ。


魔力が中級以上の魔法使いには、修行の余地がかなりあると思う。


まああの老人エセ魔法使いの言葉を全て鵜呑みにせず、修行は自分で模索しながらやっているので問題ない。



そんな事を考えて街道沿いに飛んでいるとドーラの街が見えてきた。辺境だと思って侮っていたが、かなり大きい。


立派な石の壁に囲まれており、街の中心へ向かうにつれて地面が高くなっている。町の北側には海へと続く川が流れており豊かな土地だ。石壁の周りは、畑が広がっている。攻めにくく守りやすい。街というより要塞のようだ。



門から1キロ程離れた人目の無い場所でに降り立ちステルス魔法を解除した。ここからは歩いて行くつもりだ。


大きな門の前で、行列ができており衛兵が、身分証をチェックしている。



俺は自分と似たような貧相な農民の子供の後ろに並ぶ。


衛兵との会話を盗み聞きした結果、前の子供は近くの村の子供で父親のお使いで来たらしい。仮の身分証である木の札を貰って街の中へ入って行った。


俺の番になり、衛兵に挨拶する。


「こんにちわ。父のお使いでこれを売りに来ました。」


そう言いながら、用意しておいた籠の中から野生動物の毛皮とかを出す。


「おう、坊主もお使いか。偉いな。これが仮の身分を証明するものだ。街を出る時には、返すように。あー念の為に言っておくが、その札は今日しか効力が無い。もし、明日まで、街中にいるのを発見すれば、捕まえなければならん。」


仮の身分証は有効期限は1日のようだ。貧しい村の子供が街に入りこむと、高確率でスラムに堕ちスリなどの犯罪をするようになってしまうかららしい。


「ありがとうございます。冒険者証でも、身分証明になると父に言われたため、今回作ろうと思っています。」



「おぉ、坊主の将来は冒険者か?それなら早めに登録しておいても損は無いな。頑張れよ。」


街に入る。街中には、村にはいなかった獣人、ドワーフなどの種族がたくさんいる。エルフも数は少ないが、いなくは無いそうでたまに見かける。初めての異種族との遭遇に少し興奮し、ジロジロ見てしまうのに罪はないはずだ。



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