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6話 ※長男視点

※長男視点


ノルン独り立ちの前夜



めでたいことに四男がうまれた。


晩飯の席で、四男の名前を何にしようか家族で話し合っていた。父さんを中心に思いついた名前を自由にあげていく。あがった名前を父さんが、それはなかなか良い、それはイマイチだとか、評価していく。

父さんもご機嫌だ。



いつものことなの俺は気にしていないが、あいかわらず三男坊のノルンは会話に入って来ない。俺はこいつが嫌いなので、寧ろ永遠に黙って欲しい。母さんがたまにノルンに話しを振るが、適当に相槌しかしない。黙っていても気に食わない奴だ。


こいつは昔からそうだった。同世代の子供とも一切遊ばずほとんどの時間を森で過ごす奇妙な奴だ。一見意思が弱い気弱な性格に思われがちだが、俺には分かる。こいつは自分以外の人間を見下しているのだ。


まあ俺も大人の前では表面に出したりしないが子供しかいない場では、王様のような態度をとっている。当たり前だ。俺は同世代の中で最も体格がよく、頭も悪くはない。将来は村で一番の男になるのだ。自分より下の者を見下して何が悪いというのか。



とにかく、他人を見下している俺だからこそノルンが自分以外を見下していることがわかる。身体は歳の割りにしっかりしているが、俺には及ばない。俺の方が親父に似て骨も太いし大柄だ。まだまだ成長するだろう。俺はこの村で最も優れている。



次男は、線も細いしアホっぽい。力も俺より遥かに劣る。次男のことは見下してはいるものの、嫌ってもいない。俺の命令に従うからだ。俺は従う者には寛容だ。上に立つ者としての度量も持ち合わせているのだ。自分の事ながら末恐ろしい。


俺が密かに心を寄せている村の娘と次男とが仲がいいのはむかつくが、村の娘たちは将来有望な俺に近づくために、次男と仲良くしているのだろう。


まったく女というものは強かで怖い。次男と仲良くしている娘の人数を考えると、将来俺は何人の娘の相手をせねばならんのか。は〜まったく、モテる男は辛いな。





少し脱線したが、たいして優れてもいないノルンが他人を見下すのは、見ていてむかつく。狩の腕があると聞いたが、ほとんど1日中森の中にいれば当たり前の結果だと思う。どうせ、何か汚い手でも使っているに違いない。一度奴の狩をつけようとしたが巻かれた。やましい事がある者の行動だ。


俺の命令を聞こえないふりをしやがったときは殺意が芽生えた。



と、いろいろノルンの事を考えていると、いつの間にか雰囲気が悪くなっている。雰囲気が悪いということは父さんが不機嫌だということだ。



父さんを見るとノルンを睨んでいる。


ノルンのアホは、相変わらず場の空気の変化にも気づいていない。


ついに父さんがキレた。


「ノルン、いい加減にしろ!!前から思っていたが、お前は!家族が増えるんだぞ!何とも思わないのか!」


まあ当然だ。


ノルンは


「ごめんなさい。」


そういって部屋に戻っていった。


バカだ。父さんはあまりの事に声も出ず顔が真っ赤になっている。母さんがなだめているが、今にも爆発しそうだ。




しばらくすると父さんも落ちつきを取り戻した。母さんの偉大さを感じた。


「ノルン、あいつを今度の口減らしで売りにだそう。子供を差し出す順番はまだだが、他の家に恩も売れる。四人目も生まれたし生活面も苦しくなる。」


母さんはたいしたことなかった。




だが流石父さん、素晴らしいアイデアだ。あいつは飯もたいした量も貰っていないにも関わらず、なぜか血色も良く。髪もサラサラだ。女みたいな顔だし、奴隷としての商品価値も悪くはないだろう。


母さんが父さんを説得しているが、無駄だろう。母さんの言葉で父さんが意思を曲げるのを見たことがない。あいつの未来は奴隷で確定。



結局、四男の名前はうやむやになり、明日に備えて皆寝る。


だがその前に、、、フッフフッフ


「兄さん、こんなことしてだいじょうぶかな?」


「大丈夫だよ。さっきの父さんが言ってただろ?もうすぐノルンはこの家から居なくなる。少し狩ができるからって、調子に乗りすぎたんだよ。こんな弓はもう必要ないだろ。はっはっはっ」


今までは、ノルンに対して実害は与えて来なかった。この村で生きるには、子供の労働力でも貴重だ。


け、けしてバレたら父さんに怒られるからという理由ではない。



だが、もう奴隷になるノルンには必要のない物であろう。




次の日、ノルンは帰って来なかった。



奴隷に売るはずの貴重な子供がいなくなった。今日狩から帰ってきたノルンを村長に引き渡す話をつけていたので、父さんは焦っていた。子供可愛さに、子どもを匿って口減らしの順番をやり過ごそうとしていると疑われたのだ。


だか村長がうちの家を捜索し、一月経っても、村人の誰もノルンの姿を見ないことから疑いは晴れた。


おそらく、ごくごくたまに現れる魔物にでも食われたのであろう。


奴隷にならず済んでよかったと見るべきか、魔物に殺されて残念と見るべきか。


まあ死んだ奴のことを考えてもしょうがない。奴の事は忘れよう。





評価、レビュー、感想、アドバイス、モチベーションの種が欲しいです。厳しい意見でも構いませんので、、、


自分にネーミングセンスがない事を初めて知りました。基本三文字になってしまう。女の子の名前募集してもいいですか?

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