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1話 ノルン

気がついたら、真っ黒な世界にいた。これが死後の世界なのか、、、


暇だ暇すぎる。なんせずっと真っ暗なのだ。変化がない。暗い世界で、寝て起きての繰り返しだ。体は、存在しているという感覚はあるが、ほとんど動かせない。呼吸もしていない気がする。いくら1人の時間を必要だと豪語する俺でも、何も無い空間で永遠にいたいわけでは無い。ああ暇だ、寝よう。


突然全身に激痛が走った。痛すぎるぞ。だか変化があった。光だ。眩しくて直視できないが明るいことは、分かる。

人の話し声が聞こえる。何を言っているのか分からないが音がある。そしてまた痛みが走った。背中をビンタされたかのような痛みだ。


「おんぎゃーーーーーーーーーー!」


理解した。あの真っ暗な世界は母親の胎内で、今この瞬間に俺は新しい命を得たのだ。そうとわかればあとは泣くのみ。赤ん坊の唯一の仕事を全うするべし。


「おぎゃーーーーーーーーーー、おぎゃーーーーーー!」








3年がたった。前世の記憶がある俺は、他より圧倒的に有利だ。前世で、身内のせいで死んでしまったので、このアドバンテージを活かして、今世では、足を引っ張る身内など早々に切り捨て、自分の行きたいように生きると固く決意した。まだ、3歳児には、独り立ちは、早いだろうから、もう少しお世話になるとしよう。


この3年で分かったことは、まず貧しい村の貧しい農家の三男として、生まれた事だ。名前はノルン。家名は無い。


そして、ここが異世界であることだ。必死に言語を覚えて、両親や村人たちの会話を聞いて分かった。魔物やら、魔法という単語がでて来たので間違いない。魔法については、情報不足だ、のちのち検証していきい。


そして奴隷制度も普通に存在しているようだ。奴隷は、主人の所有物であり。物扱いだそうだ。主人が奴隷を殺すのは問題無いが、他人の奴隷を殺すと器物破損的な扱いで主人に奴隷の価値分の賠償金を支払って終わり。この世界の命は軽い。犯罪者や債務者、貧しい村の口減らしにあった子供が奴隷になる。


俺は3歳児にして読み書き、計算など完璧に近いが、それは誰にも悟られないようにしている。変に天才とか騒がれてもめんどくさいし、いずれ縁を切る家族に知られて、金になると思われても困る。幸い長男と次男がいるため、俺に継がせる畑は無い。俺が勝手に独り立ちしても、誰も困らないだろう。3歳児が口減らしにあうことは無いと思うが、この前10歳くらいの村の子供が奴隷商人に売られたことが両親の会話から分かった。各家が順番に、子供を差し出すのが村のルールらしい。


よし!遅くても10歳までには独り立ちできるように準備しなければ!。


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